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夜逃げ屋の罠

 俺達は会社から逃げ出す。ガードマンが追いかけてくる。東京の街を走りつづける。張り込みの警官も追ってくる。東京の神社を見つけた俺達はそこに隠れてやり過ごした。「はあはあ…。ここまで来れば大丈夫だろ。」息を切らしながら兄貴が言う。しばらく経ってから俺は兄貴に疑問をぶつけた。「兄貴さっき遊びで来たんじゃないって言ってたが?」「ああ。それか…お前も知っているだろ?俺が駆け落ち同然で結婚したっていうのは」もちろん知っている。何せ兄貴の相手はドラちゃんの姉の磯部真理子いそべまりこだから…「ああ。知っている。」そっけなく答える。「結婚しても生活は苦しい。俺が会社で仕事しても保険金だ何だで収入も大してよくはない。だから金が必要になったんだ。」そうだったのか。「仁は自分探しするために来たと言ってたが…。」今度は兄貴が問いかけてくる。「毎日部活ばっかの夏休み送ってて将来サッカーだけでやってけるのかなって疑問に思ってた。そんなとき竹さんから誘いがあったんだ。」「そうか…。」そんな会話をしている間に神社に竹さんが入ってきた。「すみません。仕事失敗しました。」兄貴は頭を下げて俺も下げた。「やはりお前たちが生き残ってしまったか…。」竹さんの言葉に俺は違和感を覚える。「生き残ってしまったって…お前何言ってんだ!?」俺が言うと他の夜逃げ屋達に囲まれてしまった。「お前たちはここで死ぬのだ。」竹さんがそう言うと俺達に襲いかかった。俺達は返り討ちにしたが喧嘩馴れの連中ばかりで兄貴は6発、俺は8発の攻撃を受けてしまった。「はあはあ…どういうことなんだ!?」兄貴と俺は息が切れてきた。竹さんは全く攻撃を受けてない!?「さすが私が見込んだ兄弟だ。だがまだまだだな。」俺達は竹さんに突き飛ばされ俺は膝を痛めた!?「何を手間取っているんだ竹本。」新たに現れたのはおそらくは俺より1つ下と思われる男。「翔太様」竹さんが頭を下げた。「この男達が社長令嬢を抑えた者達か。どっちがやった?」男が問う。「俺だ…。」俺は答えた。「ご苦労さん。だがお前たちにはここで死んでもらう。」俺達に囲まれる。兄貴は気を失ってしまっている…。膝が痛むが戦うしかない。俺は体の力を振り絞って構えた。俺の体に赤い稲妻が走る。「その構え…何のつもりだ?」男は一瞬驚いたがすぐに冷静になり「構わん。殺れ!」男の一声で手下と思う男達は俺に襲いかかった。俺は力を振り絞って返り討ちにする。「はあはあ…。」疲れもそこづく多分俺達は死ぬかもな…。「ほぉ。お前にまだそんな力が残っていたか…。」男が鉄パイプを拾うと「その力…私に見せてもらおうか!」男は鉄パイプで襲いかかる。鉄パイプを全てガードするも腕に激しく激痛が走る。「うおおおお。」掛け声と共に兄貴は鉄パイプで男の鉄パイプをガードした。「兄貴!?」「俺が相手だ。」「こしゃくな!」兄貴のガードは崩され両目を鉄パイプで殴られた。「うわあああ!?」「兄貴!?」兄貴は両目に手を当て転がり回る。「この死にぞこないが!」兄貴に振るう男の鉄パイプを俺は受け止め一瞬だったが隙をついて男の腹部に稲妻の拳を振るった。今の一撃は効いたようだ。男は電撃を受け腹部を抑えて鉄パイプを落とした。「お前…名前は?」男が腹部を抑えながら俺に問う。「大柳仁平。お前は?」「佐々木翔太ささきしょうただ。」腕に激痛が走り俺は構えを解いた。それを見た翔太は不敵な笑みを浮かべ「何の真似だ?観念したのか。」今ここで家族を持っている兄貴とドラちゃんに帰る約束をした俺は死ぬわけにはいかない。「竹さん!」俺は竹さんに向かって「俺は今自分の意志で決めた。俺は逃げて生き延びる。生きてこの男とまた戦う!」俺は兄貴を担いでその場から逃げ去った。翔太の小声が微かに聞こえた。「大柳仁平か…。」

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