表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/16

最後の闘い さらば仁

 博人の死から1週間。俺は会社に行く気力を無くしていた…。しかしそれだけでなくドラちゃんも帰ってこなくなってしまった…。「仁さん…。」そんな絶望的になった俺に気遣ってくれたのは麗華ちゃんだった。「お願いします…。明日香ちゃん、お姉ちゃん救えるのは仁さんしかいません…。」そう言われても俺は動く気もなく俺は外に出て煙草を吸い出していると「久しぶりだな。大柳。」「翔太!?」翔太がいた。「まあそう喧嘩腰になるな。お前に言うことがある。今お前のかつていた廃校に内藤はいる。」「だから何だ?俺はお前と戦う気なんかない。もう関わりたくは…。」「お前の大好きな女が捕らわれでもか?」「何!?ドラちゃんに何した?」「心配するな。手は出していない。お前の身が危ないと言ったら真っ先に行ったぞ。自分がさらわれているとも知らずにな。とにかく私はお前と戦う。では…。」翔太は帰って行った。「仁さん…。行くんですか?」「わからん。迷っている。」「家族の事は私に任せてください。博人さんとの約束果たす時だと思います。」麗華ちゃんの言葉で俺は目が覚めた。「ああ。俺は行くよ。絶対に帰ってくる。」


 早朝。家族が寝てる隙に俺はプロテクターを装着して車に乗ると「仁さん!勝てなくてもいいですから明日香ちゃんを連れて必ず帰って来てください。私本当は仁さんの事好きでした。だから気をつけてください。」「ああ。俺は必ず帰ってくる。ドラちゃんを連れて必ず帰ってくる。義姉さんと葵を頼む。」俺は麗華ちゃんに別れを言って廃校に向かった。


 俺は車を運転している。これが俺の最後の闘い…。博人と麗華ちゃんとの約束だ。負けられないんだ!廃校に着き車から降りて校門に入ると「来たか!大柳。」翔太は黒いプロテクターを装着して現れた。「後はお前だけだ。」俺は構えて体内から赤い稲妻を放出する。「行くぞ!大柳。」翔太も構えて黒い稲妻を放出する。俺と翔太は真っ向から突っ込み辺りが電撃に包まれた。翔太の動きは6年前よりも格段に上がっていた。俺は負けられないんだ!激しい攻防戦となり最後の翔太の拳を頭突きで受け止めて翔太は手首を痛め、俺はドロップキックで倒した。

 翔太と俺はクロスカウンターとなり互いに喰らった。ぐっ。「まさかとは思ったが…貴様。宮本武蔵の血を…。」翔太が俺に聞く「望んだわけじゃないが…今はあいつに感謝してる…。この血を与えてくれたことに。」俺は武蔵。翔太は佐々木小次郎の子孫だったのは前から知っていた。翔太は倒れ「そうか…。かなわないわけだな…。」「お前もなかなかのものだったよ。」何かすっきりしている自分がいた。俺は翔太を立たせた。翔太は笑顔で「さあ行け大柳。早く明日香という女を。」と言った瞬間…ドン。翔太は右肩を撃ち抜かれていた。「翔太!?」「裏切り者め。もう貴様はいらん。貴様ら死ね。」内藤はドラちゃんを押さえつけながら銃を向ける。「仁!?」ドラちゃんが叫ぶ。屈強な男らに俺達は囲まれる。「逃げろ大柳!?勝てない…。」翔太は弱気になっていた。「そうはいかない!俺はドラちゃんを助ける!もう逃げない!今ここで逃げたらお前と決着つけた意味がなくなってしまう。ドラちゃんには見ててほしいんだ!男の生き様を。」俺は構える。翔太は俺の手を握り俺に電撃を流した。凄い力だ…。自分でも信じられない…。俺は全力を出して男達をなぎ倒していく。追い詰められた内藤はドラちゃんを連れて校舎に入って行った。俺は倒れた翔太に駆け寄ると「私は大丈夫だ…。早く明日香を…。内藤の野望を食い止めるんだ大柳。」俺は翔太の安否を確かめ内藤を追った。廃校に入り内藤を追う。屋上にたどり着きドラちゃんは内藤を振り切って俺の元に駆け出した。「わっ…わかった。お前を副社長にしてやろう。金も女も会社もやろう。」だが俺の答えは変わらん!俺は電撃を溜めて内藤に突っ込んだが…ドン。俺の拳を麗華ちゃんのお姉さんが受け止めていた。お姉さんは瞳が赤く「排除します。」俺はすかさず離れ、お姉さんはナイフを投げつけて俺はバク転でよけるもすぐに体当たりを喰らう。「仁!?」ドラちゃんが駆け寄る。「やはり…俺を認識できないんだな。」「あなたは…できます。でも…いきます。」「チッ!?」お姉さんは体当たりから廻し蹴りが入り俺は受け止めて稲妻の拳を喰らわせる。お姉さんは倒れた。俺はしゃがんだ。「お姉さん!?」ドラちゃんはお姉さんを抱える。「負けちゃい…ました。やはり…あなたは強い…あなたとだけは…闘いたく…ありません…でした。でも私は…内藤の改造人間…背くことはできなかった…のです。短い間でしたが…あなた方は…麗華をお金持ちなんかじゃなく…人として接してくれた…。嬉しかった…。」お姉さんは目を閉じた。「しっかりしてよ!?麗華ちゃんのとこに帰るんだから!?」ドラちゃんは泣き出し俺は黙り込んでいた。「所詮その程度か。」内藤が口を割る。「何だと…!?」「もはやガラクタでしたってことだよ。ゴミだよ。」「あんた!自分が間違ってるとは思わないわけ!?」ドラちゃんも怒り露わだ。「お前を守るために…彼女は犠牲になった…。その事実に変わりはない!」「当たり前だよ。でも使えなきゃゴミだよ。」俺の怒りは爆発した。俺は構えて「お前は…俺が倒す!」「ならお前ら仲良く死にな。」内藤は銃を出して発砲したが俺は全て見切ってよけて渾身の力を内藤にぶつけた。


 内藤は校庭に逃げていた。「あっ…ありえん。」仁は握り拳で内藤に近づき殴ろうとした。「やめろ。」現れたのは「社長!?」社長…麗華の父だ。麗華の父は麗華の姉を抱えて「全て見させてもらった。内藤…お前を頼ってきた私が甘かった。大柳君。これ以上手を汚す必要はない。」仁は握り拳を解いた。「よくも娘を!」麗華の父は内藤を殴ろうとしたが仁が止めて「あなたは殴ってはいけません。例え内藤が憎かったとしても…あなたは綺麗なままで人が争わなくてもいい会社にしていけばいいと思います。」「大柳君。」「麗華ちゃんのお姉さんは最後の時も麗華ちゃんの事を気にしていました。」仁の説得を聞いた麗華の父は泣き出した。「仁。」ドラちゃんは駆け寄り仁に抱き付いた。「ごめんなさい。仁。」「俺の方もごめん。もう放さないから。側にいるよ…。」二人はきつく抱き合っていると「あはははは。これで勝ったつもりか。」内藤の後ろから屈強な男らが凶器を持って校庭に入ってきた。「あいつらは俺の意志を継ぐものだ。これから時代は内藤になるのだ。」翔太はすかさず銃を拾い上げバンバンバンと内藤に何発か発砲した。「翔太…貴様…。」内藤は死亡した。「お前の意志など誰が継ぐか!お前が死ね。ぐっ。」翔太は右肩を押さえ跪く。「翔太!?」仁が駆け寄る。「大丈夫だ。だが…。」男らはまだ近づいてくる。「内藤は死んだ…。もう理由なんか…。」「いや…奴らは内藤の意志を継ぐもの…。内藤が死んでも社長のお命を狙い会社を乗っ取るつもりなのです。もはやこれまでか…。」翔太は戦意を無くした。「そんな!?どうすればいいのよ!まだ死にたくないわよ!」ドラちゃんが喚く。「俺がやる。」仁が立ち上がり男らに向き合う。「お前…。まさか一人であいつらを。」翔太は驚く。「仁!?いや!?一緒に逃げようよ!?もう放さないって言ったじゃないのよ!」ドラちゃんは仁の背中に抱きつく。「ドラちゃん…。お願いだ。言うことを聞いてくれ。お前はこの人達と一緒にここから逃げるんだ。」「いやっ!?仁が死ぬ気なら私も…。」パンッ。頑として聞かないドラちゃんに仁がビンタをしたのだ。ドラちゃんは頬を押さえていた。「俺はお前が大好きだ。あの時お前に告白した時に俺はお前を守るって決めたんだ!俺に新しい人生をくれた。だから今度は俺がドラちゃんに新しい人生をプレゼントしたいんだ。」仁はドラちゃんを抱きしめてキスした。仁はドラちゃんを放して男らにむき直し、両手に拳を作り、顔の前で両腕をクロスさせ「俺は…全てを終わらせる。」腕を腰あたりに構え全身から赤い稲妻が放出し同時に男らが走り出した。麗華の父が仁を見つめ仁は歩き出し、翔太が見つめ「うおぉぉぉぉ!」仁は掛け声と共に走り出す。ドラちゃんが「じぃぃぃぃん!?」と叫び「あぁぁぁぁぁぁ。」と仁は走り続け、敵の末端中に入りこみ真ん中の一人を殴りつけて前方に飛び上がり仁の周りに光が包み込んで全てが光で真っ白くなった。「家に帰ろう…仁。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ