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名古屋ドーム格闘大会

 次の日。火事になった料亭の前に大勢の人々や警察が集まっていた。今俺は春野と一緒に病院にいた。「しかし、翔太達も派手にやるわね。」「AV高田が死んでしまったが、幸い他の怪我人はいなかったな。」「そうね…。でも何で高田は竹本に殺されれなきゃならなかったのかしら。」「俺もそれがわからない…。」竹本の目的は何なのか…不明だ。「仁。」ドラちゃんが来た。「博人さんが倒れたって…。」ドラちゃんは激しい息づかいで言う。「ああ…。幸い命は無事らしい。」俺は冷静に答える。博人と翔太の死闘の末…博人は負けた。今は意識を失っていたが春野と医者の話ではあの火事場から自力で逃げ出した精神力で持ちこたえたとの事。「仁君。」「義姉さん。麗華ちゃんは?」 俺達は個室に入る。麗華ちゃんは少しだけ精神的ショックを受けてるが異常はないらしい。「麗華ちゃん…。」俺が麗華ちゃんに近づいた瞬間…「来ないで!」「どうしちゃったのよ…麗華ちゃん。」ドラちゃんが問う。すると麗華ちゃんはマリモちゃんストラップを出した。「それは!?」「お姉ちゃんがいなくなったあの日…これが現場に落ちていたの…。お姉ちゃんがいなくなったのと仁さんは何か関係あるんでしょ!」ピシャリと言われた…。多分6年前だ…。あれから俺のストラップはいくら探してもなかったわけだな…。「だからストーカー捕まえられないんでしょ。」「やめなさい!仁は裏切るような男じゃないわ!」「じゃあ何で仁さんがあれを持っていたの?」ドラちゃんと麗華ちゃんが喧嘩してしまう…。俺はストラップを出して「これは俺の兄の形見だ…。確かに麗華ちゃんの姉を俺は見た。だが…俺と兄はすぐにあの場から逃げ出した。」「うそ!そんなこと言って私を騙そうなんてそうもいきませんわ。」「いい加減にして!麗華ちゃんちょっと変よ。」気まずい空気が流れ、俺は病院を出た。外に出て煙草を吸っていると「あ~あ。仁は本当に女泣かせの色男ね。」春野だ…少しウザい。「今餌掛かったわ。」餌?「実は今度倉橋会社が名古屋ドームを陣取って格闘大会やるらしいのよ。」「格闘大会?」漫画かよ…。「っで、とある修行僧がいて会社は彼を利用して会社を大きくさせるつもりよ。」会社を?「それを神田が狙って会社を乗っ取るつもりなわけ。」神田が!?奴に会社を乗っ取られたら会社はヤクザみたいになってしまう…。「名古屋ドームだな。」明日名古屋に行こう。

 次の日。気まずい空気の中で俺は名古屋に行くことを家族に告げて出掛けた。会社からも休暇を頂いた。俺は病院に行って麗華ちゃんに名古屋に行く理由を説明をした。「神田さんが!?仁さんの言うことなんか信じないね!」まだ怒ってるか…。「信じないでも結構…とにかく言ったからな。」俺は病院を出て車で東京駅まで行き、新幹線で名古屋に向かった。


 夕方。俺は名古屋ドームに到着した。入り口に係員がいた。「俺も参加したいのですが…。」俺はそう言っても「エントリーガードがないなら出場できません。」出場できないならどうすれば…。「どうしたんだい?君。」俺に話し掛けてきたのは俺と年が近い青年だった。「大会に出たいんだが無理みたいで…。」「なら俺が何とかしよう。」「本当か!?」俺は青年に裏口まで案内されると、青年は棒を構え「さあ来い!君の力見せてくれ。」多分出場テストってとこだろうな。俺は構えた。青年の棒術は凄まじい。体をはってる蛇のような動きで俺を翻弄させる。俺は一瞬の隙を突いて技を決めた。「参った。君の勝ちだ。エントリーガードを作ろう。」そして俺は青年から話を聞いた。 話によると彼の助手の少女は中国武術の達人だが実力に溺れて神田の会社を作ろうとしているらしい。俺は青年の頼みを聞いて大会に出場する。


 夜。ドームが歓声で騒がれる。『レディースエンドジェントルメン。おとっつぁんエンドおっかつぁん。』何だ!?この実況は。『バトルトーナメントへのご参加ありがとうございます。それでは第一回戦です。』歓声に包まれながら俺は入場する。『今年の挑戦者は喧嘩に自信ありイケメンの仁~。』俺は会社の連中にバレないよう赤い装甲を着て仁と名乗ることにした。『対するはまたもやイケメン。ローズマリー中原~。』誰だよ?女達はきゃあきゃあ言ってますけど…。「マリー。そんな赤男やっつけておしまい。」誰が赤男だ…。「やっつけるよ~。ハニー達ぃ~。」何か「~」を強調しやがって。プルルル。携帯が鳴る。『仁。負けたりしたらお仕置きだからね。』ドラちゃんがお仕置き…。受けたくない。勝たないとな。「応援ありがとさん。邪魔が入った。後でかけ直す。」俺は電話を切ると「いや~。仁さん彼女いたの~。いや~。」何が『いや~』だ。それに彼女じゃない。『レディファイト』戦いは始まった。ローズマリー野郎はバラの花を投げまくるが俺は全て跳ね返し、パンチ一発で倒した。呆気ねー。『第二回戦。対するは車車車。車三つで轟~。』うわっ。あの人出てきた。「ボクのタイプだよ。」うわっ!?惚れられた。捕まりたくないな…。戦いは始まった。轟はSKKを狙ってきたが交わして稲妻の拳をぶつけて倒した。実際にこんなのきたら恐いな…。まあ…後でサイン貰ってドラちゃんにプレゼントしてやろう。『さあ最終戦。そろそろあのカンフー少女がやってくるはず。』少女はやってきた。俺は観客席にいる青年の方に向いて顔を合わせる。少女は堀北真希に顔が似ていた。正直俺は真希ちゃんの隠れファン。家族には内緒だけどね(特にドラちゃんには)。「なあーんだ。どんな男かと思ったら…赤い装甲の弱そうな男じゃない。」少女は欠伸してきた。「こんな男と戦いたくない。悪いけどあんた帰って。」俺か!?『引っ込めー。赤男。』何か男性ファンがうるさい。「まあ…俺は女には優しいが今回は別だ。その根性叩き直してやるぜ。」俺が挑発してやると少女の拳がきた。俺が拳を受け止めると「やるわね。まんざら嘘でもないようね。」こうして戦いは始まった。少女は武術の達人だけあって素早い動きで翻弄させる。なかなか隙を見せないな…。フェイントも得意で俺は何度も喰らってしまう。「くそっ!?」『いいぞ~。シオリン。』シオリンっていうのかあの真希ちゃん。「仁。目で追うな。心で感じるんだ。」心で…。見えた。青年の助言を借りて隙が見えた。隙を突いた拳は手応えあり。「いやーん。」シオリンは悲鳴を上げた。『シオリン殴るのは最低だ赤男。』うるさい男性ファン。これじゃ戦いにくいんだが…。シオリンは突然剣を出した。剣舞は見るものを圧倒させる。剣をかわす。しかし一瞬かすり、俺の頬に傷…。連続剣舞を俺はガードしていき隙を見て稲妻の拳。シオリンを倒した。「お前は強かった。」俺が手を差し伸べると「いやあああ。いやーん。何で私がー。やだー。」シオリンは泣き出してしまった。俺は青年の方を向いて思わず吹き出してしまった。青年は呆れていたが…。


 大会は終わり今夜は青年の家に泊まる。「これでよかったのか?」俺は問う。「ああ。これで彼女は諦めてくれるだろう。しかし…泣くとは思わなかったな。」「よほど悔しかったんだな。気持ちはわかるさ。ましてや女の子だし。」「会社の恥だ…。」その時、「失礼。」竹さんだった!?「何であんたが!?」「俺が呼んだ。」「こうすれば大柳殿が来ると信じていた。」「俺をだと!?」「ああ。実は大柳殿に麗華を守ってほしいんだ。」「どういうことだ。」「今は言えない。」「前もそう言って俺を騙したな。」「金輪際もうお前を騙したりはしない。頼んだぞ。」竹さんは去っていった。「何なんだ!?」「直にわかるよ。そろそろ少年顔が君に会いに来るだろう。」「少年顔?」まあ…いずれはわかるだろう…。俺は義姉さんに「明日帰る」と連絡を入れて眠りについた。

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