感想を、躊躇する。
感想。
書いた作品に、感想をもらえたなら、嬉しいですよね。
私も、感想をもらえたならとっても嬉しいです。
せっかく書いた作品ですもの。読んだ感想を聞いてみたいのですよ。
それが、お話の中に仕込んだ仕掛けを読み取ってもらえた上で、
「面白かったです!」
と、言ってもらえたら最高ですね。
作者冥利に尽きるってやつです。
たくさん感想をもらえるのも嬉しいですね。
「面白かった」
「興味深い」
「この主人公好き」
「このオチは笑った」
など、ほんの一言でも嬉しい私。
できることなら、私自身も、お話読ませてもらったなら感想は書きたいのです。
ただ、その、いくつか、なろうで経験したことがブレーキになっていたりします。
・感想は長文が良い。なにが良かったかを具体的に書いてもらいたい。
・短文、一言感想、顔文字のような感想は要らない。
↑まあ、他にも出るわ出るわ。それら全部をフルコンプリートした感想が理想。
などと言われたことがある私は、幾度かのトラブルを経て感想を書くことが怖くなりました。
でもですねえ、私の都合はうっちゃりしてもいいんです。別に。
私が一番「怖い」と思うこと。それは、
「感想を受け取った作者さんが、傷ついてしまうこと」
ですね。
次点は、感想もらった作者さんがガッカリしてしまうような感想を送ってしまうこと、でしょうか。
普通の人であれば、
「面白かったです」
という感想をもらえば、嬉しいと思います。
私も嬉しいです。
ただ、作者としては、どの部分が特に面白かったかを聞いてみたくなります。
まあ、聞いてみたくはなりますけれど、実際に聞くことはしませんね。
というのも、私は基本的に、
「本日20:00予約済み」
という旨を記した活動報告を、予約した日の昼頃挙げます。
そのとき一緒に、
「楽しんでもらえたなら、幸いです」
の、一言を添えます。
それはもう、言葉の通りで、
「読んでもらえて、楽しんでもらえたなら、それでいいや」
と、思うことにしているからですね。
というのも、私の作品は、一気にドカンッ! と伸びることはほとんどないからです。
2~3日かけてゆっくり伸びて、1週間くらいで伸びも収まる感じが普通です。
ランキングに載ったときでも、3日目には消えてることがほとんどです。
流行に乗らずに、刺さる人には刺さるような作品を好き勝手に書いてるからですね。
それで楽しんでるから、しゃあなしです。特に文句もありません。
「楽しんでもらえたなら、幸いです」
結局それが、私が書く理由の一つだからですね。
さて、お話を戻します。
作品を読んだら感想を書きたい私も、書かずにポイントだけ贈るケースが増えました。
例えばですけれど、とても困ったケースとして。
※
嫌われものと別の嫌われものとが、日々交流していく中で徐々に心を通わせ、やがて二人(二匹)がある目的を果たすために旅に出るお話があったのです。
嫌われものだったからこそ、本心を明かすことが怖い。
嫌われものだったからこそ、憧れたものがある。
嫌われものだったからこそ、相方の気持ちが痛いほどよく分かる。
そんな風に、相手のことを思うあまりに、なにも言えなくなってしまって。しかし、旅の最後には、お互いの素直な気持ちを伝え合うという展開で、文章構成が稚拙ながら、とても感心したお話があったんです。
ただ、主人公とその相方は、とてもとても嫌われる存在だったから、だからこそ、ラストシーンは感動を…………いや、できねぇし。
・気になる点
いやその、作者さん。伝えたいことも作品のテーマもどこが一番盛り上がるかも、全部分かった上で、残念だと思うよって。
主人公に、どうしてそれを選んだし!
マジで残念な作品だよ! せっかく良い作品なのに、キャラクターにそれを選んだせいで、目が滑るよマジで。
・一言
作者さんが伝えたいこと、なぜソレを題材にしたか、全て私にはちゃんと伝わりました。
けれど、嫌われもののソレを主人公に設定したおかげで、嫌われもの同士が心通わせるラストシーンが台無しです。
なぜその嫌われものを主人公に据えたのです?
私にはその理由が分かるにしても、これはナイッ!
↑こんな感想、書いて、送ります?
私には無理でした。
せっかく良い作品に出会えて作者さんの伝えたいことをしっかりと理解できた作品なのに……。
『素直な感想』
を送ってしまった場合、誹謗中傷に当たるのではないかと非常に躊躇してしまいます。
また、『思ったことを書いただけ』の素直な感想が、その実態は、作品の全否定と後に提示した設定は全部後付け。などと決めつけられた感想だったら……。
いやまあ、よくよく読み込んだ上での『素直な感想』だったなら、よく噛み砕いた上で糧にするかどうか判断します。
ただ、実際は1話目だけ流し読みして叩きつけるような調子で書かれてしまいますとね、受け取る側はやっぱりつらいです。
だからこそ、
・作者さんが傷つくような内容が含まれてはいないか。
・作者さんの意図を本文から汲み取った感想か。
・キャラクターの否定はせず、長所や特徴を褒める内容か。
・感想という名の誹謗中傷には当たらないか。
・作者さんに自分の都合を押し付けたような感想ではないか。
などなど、その時々に応じて、いろんなことを考えて、問題ないと判断したなら、ようやく感想を送ることができるようになってます。
もちろん、全部が全部、↑これくらい苦悩して感想送ってるわけではないですが、繊細な内容であるほど、作者さんのことを慮ることは増える傾向にありますね。
それが正解かどうか、余計なことかどうかなど、受け取った作者さんにしか分からないものですが……。
それでも、吐き出した言葉は消えません。
傷つけられた事実は消えません。
傷つけてしまった事実も、消えません。
……残念ながら。
とはいえ、普段からこんなこと考えていたなら、感想なんて書けなくなってしまうでしょう。
最低限の礼儀だけは守るようにして、あとは普通に感想書いていいと思うのです。
感想は、作者さんにとっての心の栄養です。
素敵な感想をもらえれば、作者さんの心も潤い満たされることでしょう。
結局は、それが作者さんのモチベーションアップに繋がり、作品の質の向上や完結までのモチベ維持に繋がると思うのです。
私は、怖くなってしまい、足を止めて、感想を書く機会が減ってしまいましたが……。
これを読んだ人は、どうか、恐れず、感想を書いてほしいのです。
それが、作者さんと読者さん双方にとってWin-Winなことだと思うから。
面白い。考えさせられた。自分も感想に躊躇してる。そんな方がいましたら、下の方にある☆☆☆☆☆などはスルーしてもらって構いませんので、ぜひ他の作者さんの作品に感想を書いてあげてください。
感想は、作者さんにとっての心の栄養です。
もらえたなら、どんなかたちであっても嬉しいものです。
……それが、作品や作者さん自身を否定するものでなければ。
感想を書く際は、もし自分が感想をもらったなら、という想定で文章を構築していくとよいかもしれません。