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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
十三、【レイニーデイ】
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第99話


 再テストになんとか合格し、私たちは再び特訓漬けの毎日に戻った。


 こうして放課後の全ての時間を費やしても、まだまだ時間が足りずに焦りが生まれる。


 沢里の声に合わせて、あと少しのところまできてはいるのに。


 ライブでも歌う【linK】の新曲は、SNSで公開したものを少しアレンジした。


 前半は沢里のコーラスに私がメロディーをのせる。そして後半は立場を逆にして、私がコーラス、沢里にメロディーを歌ってもらうことにした。


 最後のサビは壮大にユニゾンで決めたいのだが、問題は私がまだ最後のサビを歌いきれないことだ。


 最悪の場合、最後は沢里だけで歌ってもらうことになるかもしれない。けれどそれではsawaさんに言われた「二人で一曲歌い切る」ことにはならない。もう少しのところで行き詰ってしまった。


 酸素が足りずに肩を上下させる私の姿に、沢里が問いかける。


「なあ、なにか不安に思ってることはないか?」


「はあ、はあ、そりゃあ当日のことを考えるとめちゃくちゃ不安だよ」


「そうじゃなくってさ、ライブに出るにあたってもやもやしてること。そういうの解消したらもっと心が軽くなって、歌いやすくなるんじゃないか?」


 そう言われて私は納得する。私の息もれはどうやら精神的な部分が大きく影響しているらしい。やるべきことを後回しにして、心が晴れていないことが歌に表れているのではないか。


 不安の原因には心当たりがある。


 私は大切なことからまた逃げている。


「まずは気になってることを片付けて、もう後は歌うだけって状態まで持っていこうぜ!」


「分かった。ごめん、そしたら今日の特訓はここまでで!」


「おう!」


 沢里に頭を下げてから、私は練習室を後にしてすぐに土井ちゃんに電話をする。この時間土井ちゃんはもう家にいるはずだ。数コール後に明るい声が聞こえてきた。


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