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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
十二、【ヘッドオンゲーム】
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第92話

 もう少し、というところまではいくようになった。


 トレーニングは順調だ。まだ一曲まるまるは歌えないけれど、確実に結果が出ている。


 ライブまでのひと月を歌に費やす。そのつもりで日々取り組んでいた。


 しかし思わぬ邪魔が入ってしまい、私たちは盛大に頭を抱えることになる。


「赤点……!!」


「はは、まあ勉強してなかったからな!」


「笑いごとじゃないよ!」


 そう、慌ただしく過ぎる時間の中で迎えた中間試験で、私は古文漢文の、沢里は数学の赤点を取ってしまったのだ。


 貴重な放課後の練習時間を削り、図書室で泣く泣く参考書を開く。


 透流さんに教えてもらった科目は問題なかった。英語、数学、物理化学。しかし国語、特に漢文はノータッチだったのだ。母と透流さんの鬼の形相が目に浮かぶ。私は机に顔を突っ伏して現実逃避に励むことにした。


 一方沢里は転校後初の試験ということもあり、授業の進み具合やカリキュラムの差がある中で健闘した方だと思う。文系科目に至っては私よりもはるかに点が高い。


 バックコーラスの練習もして私のトレーニングにも付き合ってくれていたというのに一体いつ勉強していたのか。


 沢里の影の努力に私は焦る。前にも思ったが、音楽でもすぐに置いていかれてしまいそうなのに勉強でも敵わないとなると激しく劣等感を抱いてしまう。


「やばいやばいマジでやばい」


「再テストまで特訓はお預けだな」


「うん……」


 週明けの再テストまで猛勉強しなければ、母の気が変わってライブに出るなと言われかねない。


 sawaさんも赤点を取ってまで特訓しろとは言っていないのだし、勉強を疎かにして白い目で見られたらたまらない。


「学生の本分は!」


「学業!」


 その言葉を合図に、二人でただがむしゃらに机に向かった。


 

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