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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
十、【ア・フュー・モア・タイム】
76/134

第76話


 ▽


 沢里に謝ると決めたものの、私は自室でスマホとにらめっこしていた。


 夜はまだ更けていない。


 まずはメッセージを送るべきか。それとも明日面と向かって謝るべきか。顔を見て話した方がいいのは分かっているが、こんなことがあった直後に二人きりになれる保証もない。


「あーどうしよう」


 悩んでいるうちに時間は過ぎていく。気分転換に新曲の動画を流そうと、パソコンをつけてSNSを開く。


 動画投稿に特化したそのSNSでは多くのコメントが寄せられる。肯定的な言葉と否定的な言葉で混沌としているのはいつものことだが、見慣れないコメントがあることにふと気付く。


「コーラス変わっちゃった」


「前の方がいい」


 そんな言葉が散見されるコメント欄に私は押し黙った。


 新しいことをしようとすると、反発されるのが世の中だ。コーラスも全て私一人で歌った曲にだってアンチコメントはつく。初めの頃は一言一言に傷つき悲しくなったが、【linK】を続けていくにつれてそういうものだと学んで今に至る。


 しかし沢里がこのコメントを見ていたら? 今頃悲しい気持ちになっているのではないか。


 むしろ見ていたからこそ私の無遠慮な言葉に涙してしまったのでは?


『俺じゃあだめなのか』


 そんな沢里の呟きを思い出し、いてもたってもいられずスマホをタップする。メッセージを送るかどうかで悩んでいたことも忘れて迷わず通話ボタンを押した。


 短いコール音の後に「はい」という沢里の声が聞こえた瞬間、私は我に返る。話すことをなにも考えていなかったことに気付き、自分の阿保さ加減に呆れて頭を机に打ち付けた。


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