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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
十、【ア・フュー・モア・タイム】
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第71話

「沢里クンは凛夏のことをかばったんだね」


 美奈が言っていた、あの先輩たちにキレたというのが本当のことだったら、最近平穏に過ごせていたのはそのせいだったのかもしれない。


 そのしわ寄せが美奈にいって、美奈は私に怒っていたのだろう。美奈の行動はわけが分からないし自業自得とも思うが、そこに沢里を巻きこむのはやめてほしかった。


 最近思ったのだ。沢里が感情のない表情をするのは、怒っている時なのではないかと。人間らしさを失ってしまったあの顔を見るとぎくりとしまうのは、その怒気を無意識に感じていたからなのではないか。


 だったらなるべく沢里には笑っていてほしい。私のことで怒ってほしくない。


「それにしても美奈むかつくー! ねえ凛夏、今日こそパンケーキ食べに行こうよ!」


「あ、うん」


 土井ちゃんは分かりやすくぷりぷり怒る。そして切り替えが早い。その性格は私を安心させ、ずっと友達でいたいと思わせてくれる。


 なら、沢里は?


『全然釣り合ってないのにどうしてよ!?』


 美奈の叫びが脳内に反響する。釣り合っていないことは私自身がよく理解していた。


 新曲完成の喜びに陰りが生じる。沢里は私の救いであり、私を歌わせる力を持つ特別な存在。


 しかし釣り合っていない私がそばにいることで沢里の交友関係が悪くなったら? 


 現にさっきも私のせいで悪目立ちしまっていたし、美奈とももう上手くやれないかもしれない。


 自分が標的にされるだけならまだいい、けれどもしもまた沢里が私をかばうのならば。


「凛夏?」


「ん、なんでもない」


 それは友達として看過できない。


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