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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
十、【ア・フュー・モア・タイム】
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第70話

「沢里くんの馬鹿!!」


 ドラマでしか聞かないような捨て台詞にぽかんとする私を、土井ちゃんが無理やり立たせる。大丈夫かしきりに問う土井ちゃんにこくりとひとつ頷くと、土井ちゃんは戸惑いの表情で状況を教えてくれた。


「凛夏が美奈と話してるのずっと影から覗いてたんだけど……凛夏が掴みかかられたときに止めに入ろうとしたの。そしたらそれよりも早く沢里クンが飛び出して行って……」


 その簡潔な説明に再度頷き、おそるおそる沢里を見る。


 沢里は私に背を向けたまま美奈の背中をしばらく眺めた後、くるりと振り返り奇妙な笑顔を浮かべた。


「リンカ、大丈夫だったか。いやーなんだかまた迷惑かけたみたいだな。ごめん」


「沢里のせいじゃ……」


「とりあえず教室戻ろうな。はい皆さん解散解散―!」


 沢里の鶴の一声で野次馬が散っていく。その内の何人かに「どんまい」と声をかけられ途端に恥ずかしさが襲ってきた。沢里は私の肩を一回叩いて、購買の方に歩いて行ってしまった。土井ちゃんの小さい体に隠れるようにして、私は教室に戻り、邪魔の入ったランチタイムを再開する。


「もっと早く止めればよかった。本当にただの話だったら悪いなと思って、尻込みしちゃった。今度から美奈に呼ばれたら私も行くから!」


「ううん、いいの。私が嫌われてるだけだから」


「言ったとおりになったね」


「え?」


「ミーハーに目を付けられて、大変なことになるって」


「ああ……」


 お弁当を早食いしながら、「【linK】の新曲語る時間なくなっちゃった!」と嘆く土井ちゃん。大変なことになると分かっていていつも駆けつけてくれる、大切な友達。


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