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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
十、【ア・フュー・モア・タイム】
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第69話

「嘘ついたでしょう」


「へ?」


「とぼけないでよ、沢里くんと友達じゃないって言ってたくせに! なんで沢里くんがあんたのことかばうのよ!?」


「かばう?」


 突然因縁を付けられ目を白黒させていると、美奈は真っ赤な唇を歪ませて吠える。


「先輩たちに言われたんだよ。沢里くんにキレられたって! あんたに近づくなって言われたって。おかげで私ハブられてんの!」


「か、かばうとかキレるとか知らないよそんなの。大体美奈が私のこと先輩たちに売ったからそうなったんじゃないの。あの先輩たちをけしかけたのって美奈でしょ?」


「うるさい!」


 肩を強く押される。前回の経験から私は足を踏ん張ってよろめく程度で済んだ。しかし美奈は構わず鬼の形相で体を寄せてくる。


「なんであんたばっかり! 全然釣り合ってないのにどうしてよ!?」


「ちょ、ちょっと揺さぶらないで」


 胸倉を掴まれて前後にぐわんぐわんと揺らされる。まるで子供の喧嘩だ。透流さんを殴り飛ばした私が言えることではないが。


 されるがままに目を回していると、ピロティにいた生徒のざわめく声が聞こえてきた。開けた場所で女子二人が言い争っているのだから目立つのは当然だ。


「り、凛夏!」


 どこかから土井ちゃんの声が聞こえたが、目が回っていてそれどころではない。するとぶれる視界の端で誰かが美奈の腕を掴んで止めてくれた。私は強い力から解放され、ぺちゃりと床にへたり込む。きっと土井ちゃんが助けてくれたのだ。


「あ、ありがと土井ちゃ」


 頭を押さえながら二人を見上げる。しかし見えたのは土井ちゃんの姿ではなく、私と美奈の間に立ち塞がる大きな背中だった。


「いい加減にしろよ」


「――!! さ、沢里くん」


 状況を理解する前に土井ちゃんに肩を支えられる。沢里が美奈の腕を掴んでそこに立っていた。美奈の顔はどんどん青ざめていき、とうとう沢里の腕を振り払って走り去ってしまった。


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