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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
十、【ア・フュー・モア・タイム】
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第67話

「息もれ?」


「はい、いい治し方知りませんか?」


 朝食を食べながらニュース番組を見ていた透流さんに質問する。医大生だったら人間の体について詳しいのではという安易な考えのもと、相談に踏み切った。


 くわえていたたくあんを飲みこんだ透流さんは、私の顎に手を伸ばし、そのまま喉元を観察し始める。


「ぜんそくは?」


「ないです」


「気管支系の持病は?」


「ないです」


 医者の問診を受けている気分の中、時計を見て納豆ごはんをかきこむ。


 透流さんはふんと鼻を鳴らして「調べてみるよ」と一言残してテーブルを離れた。


「ありがとうございます!」


「別に構わないけど。登校時間大丈夫?」


「大丈夫じゃないです!」


「…………なんだか今日は嬉しそうだね」


 上手くやれているかはさておき、透流さんとの会話が少しだけ増えた今日この頃。


 私は浮かれた気分を押し殺しながら弾むように登校し、遅刻ギリギリで教室に滑り込んだ。


「あーもう凛夏おそいって! せっかく【linK】の新曲の話しようと思ってたのに!」


「ごめん土井ちゃん! 新曲どうだった?」


「もうサイッッコーだよ! 今回からコーラスの人変わったんだけど超いい感じ! ね、沢里クン!」


「お、おう……」


「ってなんで沢里クンが照れるのよ」


 そう、昨晩とうとう新曲をSNSで公開したのだ。


 録音した沢里のバックコーラスにメロディーの私の声をミックスさせたその曲は、一晩でSNSの注目ランキング入りを果たした。寄せられたコメントや、わざわざ宣伝してくれるファンたちに心から感謝をする。公開が遅れたこともあり、心待ちにしてくれていたファンが多いことに気付いた。


 今朝はそのチェックしていて遅くなってしまったのだ。


 変な態度を土井ちゃんに突っ込まれている沢里も、喜びを隠しきれていない。


 

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