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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
七、【サムシングニュー・サムシングバッド】
43/134

第43話


 ▽


「ここの訳が間違ってるよ。be動詞が省略されてるから気を付けて」


「はい」


「スペルミスが中々なくならないな」


「すみません」


「あとこの前の男の話だけど」


「ぶっ」


 相変わらず気の重い透流さんとの勉強中、唐突にぶち込まれたのはだんまりを決め込んでいたファミレスでの出来事の話だった。


 あれから一週間、できるだけ透流さんと二人になるのを避けていたこともあり追及を受けずにいられたが、それもここまでのようだ。


 私はがくりと肩を落として、襲いくる罵詈雑言に耐える心構えをする。しかし待っていたのは以外にも平静な声だった。


「人の交友関係に口を出すつもりはないけれど」


「はあ……」


「夜に一人で繁華街に行くのは良くない」


「はい……」


「外食がしたかったら僕に声をかけるように」


「いやそれは結構です」と心の中で断りを入れつつ、透流さんの様子に違和感を抱く。


 両親の目を盗んで夜出歩き、年上の派手な男と食事をしていたなんて透流さんの嫌がりそうなことだ。


 てっきり長時間責め立てられるかと思いきや、むしろ口調がいつもより優しい気がする。


「お母さんには黙っていてくれますか」


「もうしないと約束するなら」


 さらになんと信じられないことに、母にも黙っていてくれるという。私の言い訳を聞くだけ聞いたらチクられるに違いないと覚悟さえ決めていたというのに。


「あのう、もしかして体調でも悪いんですか?」


 いつものちくちくねちねち嫌味のフルコースはどうしちゃったんだ。品切れか? 


 私の言わんとすることを察したらしい透流さんは盛大にため息を吐いた。


「泣いていただろう、君」


「あ」


「その……つまり、あの時凛夏ちゃんは……振られたんだろう? あいつに」


 

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