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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
三、【アオハル・コントリビュート】
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第18話

 ドップラー効果。音は空気の振動回数で音程が変わるという。


 虚空を見つめながらそんなことを考えているうちに、声の持ち主――沢里があっという間に眼前に現れた。


「はあっはあっ。ごめんおまたせ!」


「はい?」


 まるで私との待ち合わせに遅れたように詫びる沢里。もちろんそんな約束をした覚えはない。肩で息をしながら手を合わせる理由の見当もつかない。


 しかし沢里に遅れて数人の女子がこちらに向かって駆けてくるのを見て、ピンときてしまう。


 関わりたくない。そう思いきびすを返そうとした瞬間に、その動きを予知していたかのように沢里に腕を掴まれる。

 

 はなして、という私の懇願は追い付いたキラキラ系女子三人組の声にかき消された。全員うちの高校の制服を着ているが見たことがないので先輩かもしれない。


「沢里くん足速―い」


「ねーカラオケ行こうよっ」


「てかその子だれ?」


 三人に矢継ぎ早に迫られる沢里に腕を掴まれたままの私は、なすすべもなく成り行きを見守る。ひしひしとした嫌な予感にさいなまれながら。


「すんません、帰りはこいつと約束してるんで」


「ちょっと!?」


 これほどまでに嫌な予感が的中したことがあっただろうか! あろうことか女子の誘いを断るダシにされたのだ。三人組の強烈な視線に射抜かれ、私は石像のように動けなくなる。


「ふーんそっかあ」


「じゃあ今日は仕方がないね」


「また今度ね沢里くん」


 人を品定めするような目で私の全身を見回してから、三人組は元来た道を戻っていく。


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