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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
三、【アオハル・コントリビュート】
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第17話

 【linK】のことが転校生にバレたことをスマホ越しに打ち明ける。


 柾輝くんはうるせーうるせー言いながらも聞いてくれた。


 そして一通り私がしゃべり終わった後に口を開く。


「つまり声とほくろの位置でバレたのか。よほど拡大しないとお前の小指のほくろは見えないだろ。世の中にはそういうの見てる奴もいるってことだ。気を付けろよ」


「うん……」


「しかしまあそいつは耳がいいんだな。この界隈だと、絶対音感や相対音感、人の声の聞き分けに長けている奴は珍しくないけど。今回は運が悪かったな。口止めはしたのかよ?」


「し……てない」


「はあ?」


 口止めどころか話したければ話せばいいとまで言った。柾輝くんが呆れているのが伝わってくる。


「顔バレはしたくないんだろ? 変なアンチにとつられても困るしな。口止めはしろ。分かったな」


「うん」


 柾輝くんの言葉は不思議だ。どれだけきつく言われてもすとんと胸に落ちる。


 それはきっと、本当の私をちゃんと見てくれているからだと思う。


 だから私もなんでも話せてしまう。


 柾輝くんだけが私の理解者で、本当の家族なのだ。


 通話を終えるといつの間にか胸がすっきりしていた。この状態なら透流さんとの勉強も頑張れそうだ。


 レンガ道をローファーで軽く跳ねる。夕日が薄い雲の隙間を通り抜け、いくつもの光のシャワーのように降り注いでいた。


 あ、いい感じ。


 頭の中で音と歌詞が重なる。普段使っていない脳の機能が動き始めるような感覚。


 【linK】の一番いい状態になりかけていたその時、遠くの波の音をかき消すような大音量が近づいてきた。


「リンカーーーー!!」


 空気が揺れるほどの大声は、間違いなく私の名前を呼んでいた。


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