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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
十六、【アフター・ザ・ステージ】
119/134

119話

「そして! 今回から始まったネット投票の結果を発表します! ネット投票最多得点賞はーーー【linK & haru.】!」


 その突然のアナウンスに私たちは顔を見合わせる。


「ネ、ネット投票?」と問うと、沢里はがくがくと頷いている。


「【linK】はネットファンが多くついていますからねー。次世代への期待も込められているでしょう。若人よおめでとう!  ステージへどうぞ!」


 名前を呼ばれたことが信じられずに戸惑っていると、他の出演者たちにばんばん背中を押され、私たちは転がるようにステージに飛び出した。


 今回から始まったというネット投票。きっといつも応援してくれていたネットのファンが票を入れてくれたのだ。SNSで今日のライブのことをフォロワーたちに知らせていないにもかかわらず。


 言葉が出ない。私は見えないところでも支えられていた。その事実にまた視界がにじんでしまう。


 曲を作り出して間もない頃、数少ないコメントが嬉しかった。


 少し有名になってからも、変わらずがんばれと応援してくれた。


 アンチに悩まされていたら、めちゃくちゃに宣伝をして励ましてくれた。


【linK】が好きだと伝えてくれた。


 顔も知らないフォロワー(あなた)たちに、私はずっと助けられていたのだ。


「今の気持ちをどうぞ!」


 司会者にマイクを向けられる。ぐすぐすと鼻を鳴らしながら、必死に声を絞り出した。


「音楽を、やっててよかったって、心の底から思います。本当にありがとう」


「ありがとうっございますっ!!」


 とても感謝を伝えきれない。途切れ途切れに礼を言うと、感極まりすぎて語彙力が失われた沢里も後に続く。


 盾と記念品がもらえるとのことで、沢里には記念品が手渡され、私はsawaさんから盾を受け取る。その際にこっそりと小さな包みも手渡された。


「これ、うちのスタジオの合鍵。娘、よくがんばった!」


 耳元でぽそりと伝えられ、私は泣きながら笑ってしまった。一曲歌い切ったら沢里家のスタジオを使わせてくれる。その約束をすっかり忘れていたからだ。


 私たちは中継のカメラに向かって全力で手を振った。


 画面の向こうに伝わるように。


 ありったけのありがとうの気持ちを込めて。


 ずっとずっと。


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