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WORLD 光ノ書  作者: PEN
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ライエール教官

 夜、ユリスはアーサー達の部屋に呼び出された。

 部屋に入るとライエールとフィオもおり全員がテーブルを囲んでそれぞれベットや椅子に座ったり立ったりして囲んでいる。

 「揃ったね、それじゃあ話を始めようか」

 アーサーはそう言うと黒い筒から紙を取り出し広げた。

 「これは、ライエールさんが調べて来てくれた情報です」

 ユリスが近づき見ると地図が書かれその中の都市に赤丸と文字が付け足されているのが分かる。

 するとアーサーの代わりにとルーカンが前に出て話し始めた。

 「これは騎士国ブリテンの地図。

 そしてこの赤字で書かれた場所が、我が王の派閥、アーサー王派の騎士たちがいると噂されている場所です。

 現在は敵であるランスロット派が支配している場所でもあリますが」

 ルーカンがそう言い終わると今度はライエールが指を地図に指して言う。

 「そこで、手分けして捜索する事にした。

 理由は○つ。

 一人の騎士を見つけ助けた所で敵は騎士の軍勢を複数そこに差し向けて一つずつこちらの勢力を消される可能性がある為だ。

 故にスピードを重視し同時に反旗を翻す必要がある。

 二つ目は情報の撹乱。

 アーサーの正しい位置を相手に悟らせたくはない。

 今回の作戦の肝はアーサーの持つ正当な王になる権利の為だ。

 敵はそれを消したいと考えているだろう」

 そう言い終わるとライエールはノエルを見やる。

 ノエルはそれに頷き話だす。

 「それで、二手に別れる事になった。

 一つはアーサーを護衛しつつアーサー王派の騎士に呼びかける部隊。

 これはアーサー王とルーカンさん、ユリスと俺だ。

 残りはライエールさんとフィオさん」

 作戦はこうだ、二手に別れ円卓の騎士達、アーサー王派の4人を集める。

 ユリス達はサグラ・モアという騎士とグリフレットと言う騎士

 ライエール達はモードレッドとガウェインという騎士

 を担当する話だった。

 「それでこれを渡しておく」

 そう言うとライエールは小さな水晶のついたブレスレットをその場にいる全員分と探す騎士4人分を出し渡した。

 「これは共鳴結晶と呼ばれる物だ。

 これに魔力を流せば…」

 ライエールがそう言い水晶を握ると全員の水晶が透明から赤くなった。

 「わぁ、きれい」

 ユリスは赤く光る水晶を見て指でそれを小突いた。

 次に黄色へと変わる。

 アーサーを見ると同じように水晶を握っていた。

 ユリスもそれを真似たが皆の水晶は変わらない。

 「魔力ってどうやってやるの?」

 ユリスはそう言い首を傾げた。

 …

 早朝にユリスはライエールに呼び出された。

 なんでも、魔力の使い方とついでに戦いの技術を教えてくれるらしい。

 誰かに教えられるのはエルフの森にいた母と師匠、以来の事だ。

 ノエルも教わりたいと申し出ついてきている。

 そしてフィオもなぜかついて来ている。

 「ここだ」

 ライエールが連れてきた場所は闘牛場だった。

 観客席の場所に入り下って一番下の闘牛が行われている砂が張られた場所に入る。

 フィオはあくびをし観客席に座ってその中を見た。

 ライエールは中に入ると振り向きユリスを見る。

 「まずだが…魔力について教えよう」

 そう言ってライエールは人差し指を立てその指先から炎を灯しユリスに見せた。

 「魔力とはこの世界に散らばる目に見えないエネルギーの事だ。

 我々はそれを利用し様々な方法で形に変えている。

 例えば体内に蓄積された魔力を活用する方法」

 そう言うとライエールは指先から炎を消し剣を引き抜いた。

 「剣に魔力を通すと斬れなかった物が斬れるようになる」

 ユリスは剣を見て驚いた。

 確かに分かる、ライエールがそう言った瞬間、剣から感じる危険度がました。

 「さらに、属性を加えれば」

 ライエールの剣は炎に包まれ燃え始めた。

 「これは、応用だが魔力を剣に通す事は一定レベル以上、B級冒険者ぐらいからは基本になる。

 そして…」

 ライエールは剣を鞘に収め手を広げて壁を狙った。

 「炎よ」

 ユリスの手の平から炎の玉が放たれ壁に衝突した。

 「これが一般魔術だ」

 ユリスはそれを見てパチパチと手を叩いた。

 これは見たことがある、ノエルの元パーティーの仲間であるメリーやキャラバンのペッグが使っていた物だ。

 「杖はいらないの?」

 ユリスは魔法を使っているこれまでの人達を思い出し聞いた。

 多くが杖を使っている。

 「杖は補佐、増強の為の物だ。

 より複雑で強力な魔術を使える様にする。

 だが、俺が今やった様に理解し魔術術式を自らで構築できれば問題は無い」

 ライエールはそう言い終わると今度は空中に文字を描いた。

 それは光る線となり空中に描かれる。

 「俺が得意とするのは魔術の中でもルーン魔術…。

 エウナフィアナ『炎よ』」

 そう唱えると文字から炎が飛び出し再び壁にぶつかった。

 「見せる為だけにやっているから魔力は抑えている。

 本気でやれば壁を吹き飛ばせるくらいにはなるだろう」

 それほど魔法は大切な事だとユリスに伝え話を戻す。

 「今見せた物も魔術の中にある一つに過ぎない。

 要は魔力をどう扱うかで魔法は多岐に渡る。

 治癒魔法、ルーン魔術、精霊魔術、原始魔法、科学魔術式。

 軽く言っただけでもこれだけある。

 これも魔術の一部に過ぎず独学や国それぞれの物を数えれば数百人は登る」

 ユリスの頭はぼーっとしなんだか眠くなってきた。

 「今回教えるのは魔力を物に通す方法と一般魔術、そして戦闘技術を少し叩き込むつもりだ」

 …

 ユリスはその後、剣を持ち集中していた。

 全く思い通りに行かない。

 「ユリス、お前は魔力を無意識なのだろうが肉体に移すことができている。

 剣を自分の体の一部と思い集中しろ」 

 ユリスはしばらくの時間そうして過ごした。

 ノエルはというとそもそも魔力を使えていないので瞑想をさせられている。

 ユリスはある時、風を感じた。

 大地を駆け抜ける風、草原の草花を揺らす心地の良い風…時には暴風となり木々をも打ち倒す恐ろしき風。

 ユリスが目を開けると剣の周りには風がまとっていた。

 「思っていたよりも…かなり早いな、しかも属性まで」

 ライエールが観客席から飛び降り近づき剣を抜いた。

 「その剣で打ってこい」

 ユリスは立ち上がるとその剣でライエールの剣に斬り込んだ。

 力の差は闘技場で痛いほど分かったいたので全力だ。

 ギンッ

 効果は驚くほど上がっていた。

 ライエールは後ろに飛び壁に対して垂直に着地していた。

 「なるほど…やはり」

 ライエールは重力に従いスルリと地面に着地するとユリスに近づいた。

 「次だ」

 ユリスはまたしても集中させられた。

 今度は両方の手のひらを座禅をくんだ状態で上に上げ唱え続けた。

 「風よ…風よ…風よ…………」

 流石にこれは感覚ではどうにも行かなかった。

 ライエールが見せた本は文字ばかりで眠くなるし、魔術式とやらを聞いてもピンとも来ない。

 その夜もライエールは家庭教師のような形で机に本を置かれ椅子に座らされていた。

 これがユリスにとって一番の過酷な修行となった。

 その次の日は一般魔術は短期間では難しいと判断に至り戦闘技術へと進んだ。

 「違う、体術を使え、武器だけに頼るな」

 この日はフィオがユリスの前に立ち体で教え込まれた。

 フィオは両手に第二関節あたりから指の穴が空いた手袋をはめユリスと退治している。

 その拳はユリスの剣を受け止めその攻撃は拳に腕や足を使い様々な体術でユリスに敗北を与えた。

 「ほら、次だ、起き上がりな」

 彼女が強い事は知っていたがここまでとは。

 ユリスは自分の強さを確認させられた気分になった。

 足払いに肘打ち、関節技に掌底打ち。

 ユリスの知らない技、剣以外の技で敗北の経験を積んだ。

 汗だくになり日も傾きかけた時、ライエールが長細い布をを持ってきて告げた。

 「次はこれを使う」

 「これは?」

 ユリスはそれを受け取り聞いた。

 「目隠しだ、今度は目を隠して攻撃を躱してもらう」

 その次の日もユリスは体中に痛みを負いお風呂に入ったあとは泥のように眠った。

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