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WORLD 光ノ書  作者: PEN
43/53

大嵐(テンペスト)

 闘技大会2日目6回戦目終了後、闘技場にはどよめきユリスのコールが観客席に響き渡っていた。

 ユリス、そして猫探しユリスと言う名で。

 アルバとの戦いは一瞬でついた。

 

 まず最初にアルバが斬りかかった。

 しかしそれは力をありったけ入れて切り込もうとしたのか、大振りな攻撃的だった。

 そんなアルバを見て、ユリスは逆に近づき間合いを詰め、頭に一撃を入れ勝利した。

 アルバはユリスの攻撃を受けてよろめき崩れ落ちた。

 「あっ…」

 ユリスは本来はスレスレで止める予定だったが寝起きのせいか力が少し入りすぎたらしい。

 『ありえなーい!!

 今大会、有力候補が次々と見知らぬルーキーに倒されていく!!

 とんでもない大番狂わせ、これを誰が予想できたでしょう。

 勝者! ユリス・アラフェル!!

 …

 只今、情報が入りましたなんと、ユリスさんは2日ほど前にC級に昇格したそうです。

 つまりこれはC級がB級をそれもたったの一撃で倒した事になります』

 そんな司会の声を聞きながらユリスは控室のある闘技場下の中へと戻った。

 「すごい人気ですね」

 その道中にルーカンが通り過ぎにそう通り過ぎた。

 どうやら次の対戦に出場するらしい。

 ユリスは階段を上がり控室へと入る。

 すると今度はアーサーが大部屋で他の挑戦者達が次の戦いを見ている中ユリスを待っていたらしく入るなり駆け寄ってきた。

 「見ましたよユリスさんの戦い。

 僕の見立て道理です。

 とてもお強い方だ。

 次の試合は是非、いい決闘をしましょう」

 アーサーはそう言いユリスに握手を再び求めてきた。

 「次はアーサーが相手なの?」

 ユリスがそう聞くとアーサーは自身有りげに頷き言った。

 「はい、なので全力で来てください。

 僕、自分で言うのも何ですが強いので」

 …

 ノエルは観客席の一番前を朝早くから陣取り試合を見ていた。

 隣には偶然であったメリーが座っている。

 ユリスが一撃で終わらせた試合に彼女は笑い拍手を送っていた。

 「鼻の伸びているアルバにはちょうどいい灸だ」

 だそうだ。

 そして更にその横にはフィオが座り腕を組んで闘技場を見ていた。

 「蜂蜜レモン酒をくれ!」

 フィオがそう叫ぶと販売員が駆け付けフィオにコップを渡してお酒を並々に注いだ。

 「これだ、これ。

 次はライエールの番だからな」

 フィオはそう言い蜂蜜レモン酒をグビグビと美味しそうに飲んだ。

 「所で、フィオさんの賭けたクロウさんと言う方は…」

 その言葉を聞きフィオは蜂蜜レモン酒を吹き出し、むせた。

 それが収まるとフィオはノエルを見た。

 「そ…そんな事言ったか?

 いやー…私はそんな事言った覚えは無いがなー…」

 フィオは明らかに動揺しノエルがフィオを見ると顔を反らし再び酒をグビリと飲んだ。

 「そうでしたか?…昨日あった時に確かに…」

 「いや、それはお前の気のせいだ。

 私はライエールと言った。

 ほらな」

 フィオは賭けるチケットの紙をノエルに渡して見せた。

 そこには確かにライエールと記してある。

 ノエルは首を傾げたが次の試合の合図を聞き下の闘技場を見下ろした。

 そこには黒ずくめの男とA級冒険者のハーリスが戦う所だった。

 因みに今戦っている二人は飛竜討伐の際にいたメンバーの中の二人だ。

 「あー、やっぱ見に来るまでもなかったな」

 フィオはそう言ったがノエルから見れば、この戦いは拮抗している様に見えた。

 二人は互いに剣を交え、止まっている。

 すると、ライエールが動いた剣を突如、流した。

 するとハーリスの剣は地面に力強く叩きつけられ体ごと前のめりに体制を崩す。

 ライエールはそれを見て鞘に収められた剣で前に付き出されたハーリスの首をポンっと叩いた。

 これを受け司会は決着とし騒ぎ立てた。

 「凄いですね!、フィオさん!

 ライエールさん勝ちましたよ!」

 メリーがフィオに向かいそう言った。

 「当たり前だ。

 あんな弱い奴に負ける訳がない」

 ライエールはB級それに対しA急を打ち破った事をフィオは気にしてないようで平然とした様子だった。

 「それにしても今回の試合は、予想が付きませんね!

 冒険者ランクが低いのに勝っちゃったり、冒険者でも無い人がA級の人を倒しちゃったりで」

 メリーは興奮し楽しそうに闘技場を見て司会者に目を向けた。

 これで計16名で行われた、第一戦目が終了し、続いて計8名に絞られた第2戦目が行われようとしていた。

 …

 ユリスは大部屋にてライオネルを見つけた。

 ライオネルは個人の部屋から出てきたところで巨大な木槌を運んでいる。

 体が大きいため扉につっかえ身を低くしなけらば通り抜けられないようだ。

 「ライオネル!」

 ユリスが駆け寄るとライオネルは手を上げそれに答えた。

 「ユリスさん、問題なく一回戦目は突破出来たんですね。

 これから、僕は2回戦目に向かいます。

 お互いに頑張りましょう」

 ライオネルは少しなまった口調でそう告げ、ユリスの横を過ぎて闘技場へと向かっていった。

 その入れ替わりでライエールが入ってきたがすぐに闘技場の見える大部屋の奥に向かった。

 話をアーサーから聞いたが、今日はこの第二戦目で終わりらしい。

 明日にはたった4人に絞られ残りの人達でトーナメント順に戦い1位のみを決めるそうだ。

 その2回戦目で当たるのがアーサー。

 そして知っている中ではライエールとルーカンだ。

 ライオネルの試合は話にもならずユリスと同じく一撃の技術では無い力のみで圧勝した。

 相手にあのでかい木槌を避けたり受け止めたりする事はできなかったようだ。

 まるで子供が人形の玩具を投げるように軽く吹き飛び壁にぶつかって崩れ落ちた。

 勝者ライオネルには声援を名も知らぬ敗者には罵声が浴びせられている。

 「彼、とんでもない力の持ち主だ」

 アーサーがユリスの隣で言った。

 「ルーカン、君ならどう戦う?」

 ルーカンは少し考え話し始めた。

 「そうですね…私は真正面からは戦わないでしょう。

 できれば遠距離、もし騎士道を無視してでも倒せとお命じなさるのであれば、集団で寝込みを…」

 「もういい、ルーカン。

 僕はそんな事を命じたりはしない。

 騎士道を捨てて何を誇れるというのか…。

 心を捨て何かを守った所でそれは守れなかったも同義」

 「決してそのようなつもりでは…。

 いえ…私の考えが及びませんでした」

 ルーカンはそう言い膝をついて許しを乞おうとした。

 しかしそれをアーサーが止めた。

 「こんな所で…。

 目立つなと言ったのは貴殿だろう?

 騎士の様に振る舞っては勘ぐられるぞ」

 アーサーは微笑みルーカンを見た。

 その後も試合次々と知らない人、同士の試合が行われようやくユリスとアーサーの順番が回ってきた。

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