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WORLD 光ノ書  作者: PEN
42/53

猫探しユリス

 ユリスは闘技大会に備え付けられた豪華な部屋で、夜を迎えた。

 ふかふかなベットに、豪華な食事。

 ユリスは一人その部屋で時間を過ごした。

 個人の部屋には本棚や机、椅子は豪華な赤の装飾で備えられ 天幕付きベットが備えられている。

 夜、食事を終えたユリスは本棚の本を眺め大部屋を歩いていた。

 「何か探しものですか?」

 見るとローブを着た男がユリスに話しかけていた。

 その後ろには同じ服装の男が立っていた。

 「えっと、絵本は無いかなって思って」

 これに会場にいた数人は笑ったがその男と後ろに控える男は笑わなかった。

 「おそらくここには、無いと思いますよ。

 所で、貴方のお名前を聞いていませんでしたね。

 私は…」

 そう言いかけ会話が止められた。

 後ろの男が会話を止めヒソヒソと話したからだ。

 「王…なりません、そうやたらに名を言うものではありません。

 我らは追われている身なのをお忘れですか?…」

  ユリスにははっきりそう聞こえた。

 「大丈夫だ、ルーカン。

 この人は、とてもお強い騎士道精神を持つ騎士だ」

 「しかし…」

 ユリスはその二人のコソコソした会話を聞いてルーカンが王と言っていた事が気になった。

 「王様なの? でも王様ってあの高い席に座って王冠を被ってた人でしょ?」

 このユリスの言葉にルーカンはビクリとし自らの失態だと、顔を手で抑えた。

 「ああ、そうだ僕の名はアーサー。

 騎士国、ブリテンの王だ」

 しかしユリスはそんな事を言われてもぱっと思い浮かばず普通に挨拶を返した。

 「うん、私はユリス。

 よろしくね」

 そう言いユリスはアーサーは握手を交わした。

 「それでこっちにいるのがルーカンだ。

 騎士であり僕の執事をしてくれている」

 そう説明するとルーカンは綺麗にお辞儀をして見せた。

 「所で騎士国って…」

 ユリスが普通に喋ろうとするとルーカンが慌てて遮った。

 「ここではなんですので私の部屋で…」

 ユリスはルーカンがそう言うので仕方なく付いていく事にした。

 ルーカンはその部屋につくとユリスとアーサーを席に座らせた。

 「紅茶などいかがですか?」 

 ルーカンはそう言いユリスとアーサーを見た。

 「それじゃあ貰うよ」

 アーサーがそう言った。

 ユリスも頷き、先程の質問をした。

 「それで、騎士国ってなに?。

 王様は二人いるの?」

 ユリスのこの質問にはアーサーでは無く紅茶をカップに注ぐルーカンが答えた。

 「騎士国は今あるこの王国の北部にある国です。

 王とはその国を収めている者の最高主権者を指す言葉です。

 つまり王は国の数だけいます」

 「えっと…偉い人って言うことでいいの?。

 あと国?の数?。

 国ってどう言うものなの?」

 これにルーカンは頭を抑えた。

 説明できる様な気はするが彼女に理解してもらえるのかが難しいと思ったからだ。

 「そう、ですね…国と言うのはこの大地に広がる領土を分けた物?

 と言えば伝わるでしょうか?」

 「領土?」

 ユリスはまたも首を傾げ聞いた。

 「はい、この世界には国で分けた国境と言うものがありまして。

 国境とは土地を分ける線の事です」

 「そんな線があるの!?

 それって、すごく長いの?」

 ユリスは何か勘違いしているようで上手く会話が噛み合わない。

 「いえ、違うのです。

 実際にあるのでは無く、国同士で決めているのです」

 これならどうだとユリスを見たが余計に首をかしげているようだ。

 「なんでそんな事をするの?

 世界って、山や川、森とか海、平野が繋がって、広がってるんでしょ?

 それなら、皆のものじゃないの?

 なんで…分ける必要があるの?」

 ユリスにとってこの質問はなぜ?という純粋な疑問だった。

 自分は森で遊び育った。

 大人達は森から出るなと言っていたけど森から出て世界を…少しかもしれないけど見てきたつもりだ。

 見てきた世界は自然溢れ、その中では人が協力し暮らしている。

 そこに国境とやらは無く地面は続いていたし、行こうと思えばどこえでも行けるユリスにとって世界とはそう言うものだった。

 ルーカンはその質問に少し時間を開け、どうすれば一番伝わるのだろうかと考えた。

 すると手元にあるケーキを見て説明の仕方を閃いた。

 「そう! 例えるならケーキです。

 世界とは、広いといえど限りがあります。

 そこに住んでいた住人も居るのです。

 資源も大きさも環境も違います。

 そのため、このように切り分けると王達が決め、自分の物としたのです。

 その為それを守る為に国境があるのです。」

 流石にこれで分かっただろうとルーカンは自信満々に見たが、説明が多すぎたのか余計にユリスは首を傾げているように見えた。

 「ま…まあ、ケーキを頂きましょう」

 ルーカンはそう言い急いで話を切り替えその場を凌いだ。

 ケーキはユリスが食べた中でとても美味しく感じた部類に入る食べ物だ。

 そうあれは…クローバ邸での事……

 「どうしたんですか? 少し顔色が良くないようですが」

 アーサーがユリスの顔を見てそう思い聞いた。

 「ごめん、今日はそうゆう気分じゃないや」

 ユリスは紅茶を飲み干すと立ち上がり自分の部屋へと向かった。

 「あの…まだお話が…」

 扉が閉まると同時にアーサーが呼び掛けたが遅かった。

 …

 朝ユリスは寝坊をした。

 あまりにふかふかの寝心地のいいべットに加え昨日はあまり眠れなかったからだ。

 「ユリスさん!」

 ドンドンと叩かれる扉の音でユリスは目を覚ました。

 ふわー

 と大きなあくびをしてユリスは目をこすり扉へと向かった。

 扉を開けるとアーサーが立っていた。

 アーサーは何故か顔を赤くしこちらを見ている。

 「ユリスさんあの…服を着てください!」

 そう言い扉が閉められた。

 ユリスは自分の服を見たが普通だと思った、寝るときのシャツに短パンの姿、寝るときはいつもこの格好で寝る。

 ユリスは母さんみたいな事を言う人だと思いながら服を着替えに戻った。

 「ユリスさん!、試合、僕の次ですよ!」

 ユリスはそれを聞いてもゆっくりと着換え、机に置いてあったパンを口に持っていきながら服を着て装備をつける作業を勧めた。

 ユリスが部屋から出る頃には試合は開始されているようで広間の窓から誰かが戦っているのが見えた

 ユリスが近づいて見るとそこにはアーサーとガナンがすでに戦っている所だった。

 

 アーサーは鞘を付けたまま戦っているのに対しガナンは斧で対抗している。

 アーサーは剣を交えると、力では負けず相手の斧を弾く。

 ガナンはありえないと、驚いた表情をしながらもすぐさま体制を立て直し下がる。

 アーサーはそれを見て笑った。

 「どうしたんですか?

 言ったじゃありませんか、子供だから軽く負けさせてやるって」

 アーサーは構え踏み出した。

 やがて距離はつまりガナンは怒りの表情を見せた。

 「舐めんな、ガキ!!」

 ガナンは斧を構え体全体を使い横斜めに上から振り下ろした。

 その一撃は力強く大きな金属音を響かせた。

 アーサーは剣を横にすることで防ぎ攻撃を受け止めた。

 アーサーはガナンを見て叫んだ。

 「やはり、貴方は口だけで弱い!!」

 斧を剣を上に弾いて一時的に武装を無くす。

 アーサーは剣を振り顔の前まで振り下ろしピタリとぎりぎりで剣を顔の前で止めた。

 明らかな決着に司会者は勝利を叫ぶ。

 『決着ー!!。

 まさか、まさかの大どんでん返しー!!

 あの、チャンピオン有力候補と思われたA級冒険者ガナンが一回戦目でいきなり脱落ー!!

 勝者! カーター選手!!』

 アーサーは手を振り退場していく。

 「ユリス、次はお前だぞ、こんな所にいて良いのか?」

 ユリスは後ろを振り向くと驚いた。

 そこには黒ずくめに狐の仮面を被った人が立っていたからだ。

 「ライエールさん?」

 ユリスはそう聞いたがライエールはただ黙って立っているだけだった。

 『さあ、どんどん続けて行きましょう次の対戦はアルバ対ユリス!〜』

 司会がユリスの名を読んだ。

 ユリスは慌てて闘技場を振り向いたあと、急がなければ行けないと走り出した。

 「すいません、失礼します!」

 ユリスはそうライエールにいうと走り扉を開けた。

 そこにはアーサーがいたが通り過ぎ階段を駆け下る。

 そして闘技場の開いた太陽の光溢れる門に飛び出した。

 『さあ皆さん、あの、寝坊をし選手紹介に現れなかった少女は起き、そしてこの場に現れてくれるのでしょうかー!!』

 ユリスが出ると何故かユリスの名が連呼されユリス ユリスと集団で名前を呼ばれている事に気づいた。

 『来たー!! ユリス選手です!』

 会場はなぜか盛り上がりを見せ歓声がユリスに贈られた。

 その直接、ユリスに贈られた歓声や拍手、視線は昨日のものなんかよりも強大で自分がどれ程、注目されているのかを実感させられた。

 『それでは、朝出来なかった、紹介をしましょう。

 ナバト村出身! 特技!…なのですが、彼女は他の方々の力が強いや素早い、剣術、魔法が得意などとは違います。

 なんと彼女の記載された特技は猫探し!!

 いったい、この闘技場で何をしに来たんだー!?

 ユリス・アラフェルです!!』

 会場には拍手や声援ではなく笑いが起こった。

 ユリスは少しそれに頬を赤く染めた。

 『では対戦相手も紹介します。

 彼も先程の戦いで敗北を記してしまった有力候補!

 B級、アルバー!!』

 「手加減してやれよー!」

 「ここがどう言う場所か教えてやれー!」

 野次が飛びかいユリスの初戦は開始の合図と共に始まった。

 

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