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WORLD 光ノ書  作者: PEN
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ハッピーフレンズ

 目の前に映るのはタラクスと呼ばれる魔物に立ち向かう7人の冒険者。

 今現在、闘技場の中央にいるタム・ヲォーレンは前線に自ら立ち巨大な盾を構えた。

 当然ながら相手を伝えられずこの場に居るので作戦をこの場で練り実行しなくてはならない。

 しかしタム・ヲォーレンはすぐさま指示を飛ばした。

 「オヒョ、グーロン、それぞれ足を狙って!

 リバ姉さんは顔を弓で攻撃!

 ペンちゃんは、毒と炎を防いで!

 ミーは回復、アイちゃんは俺の後ろで待機!

 空きをついて甲羅を狙って!!」

 タムの声は大きく観客席にも届き、観客の声援をも上回った。

 そしてメンバー達もまた何の疑問も持たず素早く動き、陣形を組んだ。

 それを確認もせずリーダーであるタムは号令をかけた

 「皆!!行くよ!」

 このパーティーの行動はそれぞれが信頼し無ければ行えない動きだろう。

 まず動いたのはタラクスだった。

 いきなり毒を撒き散らし冒険者一行に毒を降らせる。

 ユリスいや会場ははその光景に息を飲んだ。

 しかし次の瞬間毒は氷結し個体の状態で地面に落ちた。

 ペギンだ。

 青いローブ姿の男は両手を前に出し白い霧を放っていた。

 「ナイス!ペンちゃん。

 グロ、オヒョ行って!!」

 グロティヌスとオヒョが走りそれぞれの足へと向かう。

 それと同時にリーヴァが矢を放った。

 矢は顔を狙ったがタラスクは頭を甲羅に引っ込めそれを回避する。

 オヒョが足を斬りつけようとした瞬間タラクスの尾が動きオヒョを狙った。

 会場がそれを察しどよめく。

 尻尾はうねり、オヒョに飛んでいく。

 ガンッ

 しかしその攻撃は巨大な盾により防がれた。

 リーヴァの攻撃で首を引っ込めた事を確認しタムが甲羅に飛び乗り攻撃を防いだのだ。

 「そのまま!」

 オヒョとグロティヌスの攻撃は見事命中しそれも剣を鱗で弾かれることも無く足を深々と切り裂いた。

 しかし次の瞬間タラクスは全ての足そして尻尾を甲羅の中へと閉まった。

 守りに入ったかと思った瞬間タラクスはまるでコマの様に回転を始め背に乗っていたタムを振り落とした。

 「離れろ!!」

 タムは地面に打ち付けられそうになちながらもそう叫び仲間へ危険を伝えた。

 近くにいたオヒョ、グロティヌスは下がり、タラクスを見た。

 その時甲羅の中から激しい炎が火炎放射の様に吹き荒れ、会場を炎の渦でつつんだ。

 タムは飛び起き盾をオヒョの前で地面に突き刺し守り、ペギンはすぐさま前に出て両手を前にかざし後方の二人とアイを氷の壁で守った。

 「グロさん!!」

 しかし、グロティヌスは間に合わず炎の中に消えた。

 観客席の人達はどよめき魔法壁の内側で炎の柱のように高く燃え上がる炎を見た。

 やがてそれは少しして収まり会場には悲鳴が上がった。

 グロティヌスが地面に倒れていたのだ。

 隊長のタムはすぐさまミーランを見た。

 ミーランは言われるまでも無く魔術を唱え始め杖を高々と上げた。

 すると杖から緑のモヤのようなものが飛びグロティヌスを包んだ。

 グロティヌスはそれを受け片足を付き剣を杖のようにして起き上がり剣をタラクスに構えた。

 「一気に方をつけるよ!!」

 短期決戦が望ましいと判断したタムはそう叫び再び指示を飛ばした。

 「もう一度同じ事をする!!

  アイちゃん! タラクスが回転を始める前にとどめを刺して!」

 そう言うなりパーティーは動き出した。

 オヒョとグロティヌスは再び走り、リーヴァは弓を射る。

 しかし今度は虎の顔から炎の玉、爆発性の玉をタム目掛け飛ばした。

 タムは盾でそれを防いだしかし先程より行動に遅れが生じ尾が斬りかかる冒険者二人に牙を向く。

 リーヴァはそれをカバーする為に腰につけた手斧を取り尻尾めがけ力強く投擲した。

 その斧は回転し見事タラスクの尾を捉え切断する。

 これにより攻撃は来なくなりタラクスは二人に足を今度は切断され、さらにそのまま走り残りの4本の足に傷を負った。

 最後にアイが小柄な体でハンマーを肩に担ぎ走り出す。

 しかしタラクスは再び殻の中に頭を引っ込めて回転を始めようとした。

 その時、タラクスの周りを白い霧が覆い次の瞬間地面から氷が出現しタラクスの回転を抑えた。

 アイは信じていたとばかりにそのまま無防備に走り飛びタラクスの甲羅中心に向け思いっ切りの勢いでハンマーを叩きつけた。

 その衝撃でタラクスの甲羅は割れ本体が姿を現した。

 タラクスの頭と同じように体は虎で足はドラゴンの鱗。

 それはなんとも奇妙な姿だった。

 そんなタラクスにタムは近づき首に盾を突き立てタラクスに勝利を納めた。

 この司会も追いつけない戦いを見て嘘のように静まり返っていた観客はハッピーフレンズの勝利を確信するなり物凄い今までに無い歓声が辺りコロシアム周辺を覆った。

 ユリスもこれには凄いと思い拍手を贈った。

 ハッピーフレンズは手を振ったり頭を下げながら観客の拍手喝采に見送られ退場した。

 …

 余興も終わり次はユリス達がトーナメント戦を行うと言うことでノエルはユリスを連れて螺旋階段を降り外へと出た。

 「対戦参加者、あの闘技場に入るにはちょっと変わった場所から入らなくちゃいけない」

 ノエルがそう言うと、人が集団で集まっているのが見えた。

 全員が武器を装備しコロシアムを囲む塔の4本中4本全てに集まっている。

 「まずだが、人数を絞るため大乱戦が行われる。

 この試合は殺しは無し、殺せば退場、そして斬首が待ってる。

 他にも不必要な攻撃も認められない」

 ノエルはユリスに説明を始めた。

 これは昨日の夜に聞いた話だったがユリスはそれを聞き頷いた。

 「分かった」

 「昨日も行ったがまず4つの塔に別れ最初の戦いで2つの塔にいる冒険者達が戦いそれぞれ8名に絞られる。

 別に優勝をして欲しい訳じゃないから、やばくなったら棄権してくれ」

 ノエルはそれだけ言い終えるとユリスと共にその時が来るのを待った。

 待っていると先程のタラクスが塔から出てきて運び出されていった。

 明らかにあんな大きな魔物を螺旋階段などで運べるほど塔は大きくは無い。

 ユリスはそう思い首をかしげた。

 「ノエル、あの塔の中はどうなっているの?」

 「まあ入って見てのお楽しみさ」

 そう言うとノエルは悪戯をする前の子供の様に笑った。

 「皆さん集まりましたでしょうか?

 これで締め切りとします」

 塔の前に女性の受付嬢が立ちそう告げた。

 あの闘技場のカウンターにいた受付嬢だ。

 「それでは、早速どうぞ中へお入り下さい。

 この塔と向かいの塔が最初です」

 そう受付嬢が言うと扉が開き中へと冒険者達は、なだれ込んだ。

 「ユリス、頑張れよ」

 ノエルはそれを見届けると小走りにギルドの中へと入って行った。

 塔の中は広く何も無い。

 ユリスはそう思い上を見た。

 するとそこにも何も無くただ太い紐が床から伸び長く高い天井の先に伸びているだけだ。

 ユリスが階段も無しにどうやって上がるのかと考えていると扉が閉まった。

 突如それはがくりと振動し上昇を始めた。

 冒険者を乗せ木で出来た昇降機はどんどん上へと上がっていく。

 「うわぁ…」

 ユリスは途中途中窓ガラスになっている外側へと移動し外を見て下を見た。

 「全く、田舎者、丸出しだな」

 声がする方を向くとそこにはアルバが腕を組みユリスの横に立っていた。

 どうやらこの冒険者の中にいたらしく、ノエルに話し掛けずにいたらしい。

 「アルバさんもこの試合に出るんですね」

 ユリスはそう言い握手をアルバに求め手を差し出した。

 しかしアルバはフンと顔を向け外を眺めている。

 「そこの方、女性の心遣いを無下にする物ではありませんよ」

 横から声が聞こえユリスの手をその男性が手に取り握手した。

 男性はユリスと同じ程の年齢なのか周りの男性と比べて背は低く、体にはしっかりとした装備をつけている。

 しかしそれを隠すかのように男はマントをつけ見えないようにしているのが分かった。

 「おいおい、おめえら見てぇなガキが来るとこじゃねえぞ。

 なんで参加したんだ?」

 この男は何処かで見たことがあるとユリスは思った。

 頭は禿げ、髭を蓄えた男…。

 ユリスは思考し思い出した、確かこの人も飛竜討伐の時に参加していた。

 「確か、ガナンさん、でしたよね」

 ユリスはそう言いガナンにも握手を求めた。

 ガナンは笑い握手をし言った。

 「まあ、手加減してやるから安心しな。

 お前ら3人とも優しく負けさせてやるよ」

 昇降機はそうした会話の後に止まりユリス達は歩き天空橋を渡った。

 風が通り抜けユリスの髪をなびかせる。

 そうして冒険者の集団は天空橋を進むと拍手と歓声が聞こえる闘技場の中へと入っていった。

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