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WORLD 光ノ書  作者: PEN
33/53

宝石の猫

 「すいません、そこの美しい方。

 これをどうぞ…」

 ユリス達は街を歩き再び店を見て回っていると後ろから声がかけられた。

 ユリスが後ろを振り向くと白い髪で黒目の男性がチラシをユリスに差し出していた。

 男は眼鏡をかけ服は変わった格好をしている。

 そして耳に目を向けるとその男の耳は尖っている事に気づいた。

 エルフだ。

 ユリスはチラシを受け取ると頭を下げた。

 「えっと…ありがとう」

 ユリスはよく分からなかったが取り敢えずお礼をいい貰った紙を見た。

 

 はじめまして!!

 こんにちは!

 ジュエルキャットという同盟で盟主をしております。

 ポルカ・ロ・ポンタロスと申します。

 私の同盟は、

 皆さんで試行錯誤しながら、楽しくまったりクエストをこなしています♪

 

 最近では、マーレの方に支部を作ろうと予定でいまして。

 ギルドの今後など、まったりワイワイ相談しております♪

 

 ぜひぜひ、ジュエルキャットでご一緒にクエストを協力してこなしませんか?

 ご検討、よろしくお願いします♪

 

  盟主 ポルカ・ロ・ポンタロス

 

 ユリスが見終わり紙から目を話して男を見ると、微笑みユリスを見ていた。

 「所で、お昼の方は空いてませんか?

 良かったらご一緒にお食事など…」

 「ユリス、どうした?」

 男の会話の途中で人混みの中から現れて話を遮った。

 ノエルは白い髪の男を見て驚いた。

 「ポルカさん!」

 ポルカ? ユリスはもう一度紙を見て一番最後の名前を読んだ。

 盟主 ポルカ・ロ・ポンタロス。

 「えっ…この人?」

 ユリスは紙を見てポルカを見た。

 「たしか…君は…ノエル君だったよね」

 ポルカは微笑みノエルに手を差し出しノエルの手を握った。

 「覚えてて下さったんですか!」

 ノエルは少し興奮気味にポルカの手を握り返した。

 「もちろん、もとメンバーは当然、覚えてるよ」

 ポルカは自分の頭を人差し指でポンポンと叩く。

 「所で、その服はどうされたんですか? 

 珍しい服装ですね」

 ノエルがそう聞くとポルカは明らかに嬉しそうな話し声と笑顔になり、袖を持って服を広げて見せた。

 「そうだろう、実は最近知り合いから手に入れたものでね。

 着物と言うらしい。

 これが、気に入ってしまって倭国、出身の最上さいじょうに頼んだらこれをくれたわけさ。

 それにこの剣を見てくれ」

 ポルカはいわゆる和服姿で着物と袴を着こなしていた。

 しかし顔と和服の差に少し違和感を覚える。

 そんな、ポルカは袴から剣を引き抜きユリス達に見せた。

 「これは刀と言ってね、この反りが特徴的なんだ。

 なんでも折れず、曲がらずそして切れ味がこの僕の持つ剣と比べるとかなり優れているらしい」

 ポルカは刀を仕舞いもう一本の同じ腰に挿した西洋剣を叩いてみせた。

 ユリスは服や刀にも気になったがそれが当たり前のようにある、倭国と言う国が気になった。

 「その、倭国って国はどこにあるの?」

 ユリスがそうポルカに聞くとこれもまた嬉しそうに説明を始めた。

 「倭国ってのはここから遥か東方にある島国の名で、またの名をジパング。

 他にも黄金郷なんて呼ばれ方もするね。

 そこには四季という4つの季節、春、夏、秋、冬、が存在しどれも美しいと聞く。

 中でも最上さいじょうが言ってたのが桜だね。

 なんでもピンク色の花が木に咲き乱れそれは四季の中でも一番、美しいんだどか。

 まあ、僕も行ったことは無いんだけどね」

 ポルカはそう言い終わると辺りを見渡して再びユリスとノエルを見た。

 「あっ、ごめん、じゃあ二人共。

 クランの加入、考えといて。

 そこの美しい方…」

 ポルカはそう言い終えると隣を歩いていった女性を追いかけチラシを私に行った。

 ユリスはポルカが行ってしまうとノエルを見て話し始めた。

 「ノエル、さっきの話、聞いた?

 倭国かー 行ってみたいなー」

 ユリスは何か考え浸っているように目を瞑って笑った。

 ユリスのまぶたの裏には先程聞いた島国の空想の情景、海に囲まれた島の中、桜と言う花に囲まれた自分を想像した。

 「そうだな、旅は長い、いずれ行ってみよう」

 ノエルはそう言って人の歩く邪魔にならない様にと目をつむり想像に浸るユリスを端に避けて空を見た。

 もう太陽は真ん中に登り昼時を告げている。

 「ユリス、その紙のクラン、ジュエルキャットに興味はないか?

 そこのホームにつれてってやるよ」

 …

 パンテーロノ中央にある商業地区を少し離れた場所にノエルはユリスを連れて来ていた。

 そこは所々チラホラと店がある通りで人は先程よりもまばらだ。

 ノエルは迷わず真っ直ぐに突き進む。

 「あれが、そうだ」

 ノエルが指を指す方向を見ると、黄色の旗がはためく、マーレのギルド程に大きい施設が目に入った。

 近くに来ると、黄色の旗の中に黒猫のマークがある事がわかった。

 ジュエルキャット…そのホーム内そこの中央には猫の噴水がある。

 それはまるでヒョウのように威嚇した猫の彫像でその口から水が流れ落ちている。

 そしてその瞳には黄色の宝石が2つ埋め込められていた。

 ユリスが中に入り見渡すと中は酒場となっており、更にはマーレのギルドと同じく中抜けになっており各部屋がズラリと並んでいるのが2階そして3階に見える。

 その2階と3階部分には中央に橋がかかり部屋が右と左で行き来できるような作りとなっている。

 「ここは、酒場になっていて、23階がクランメンバーの部屋になってるんだ」

 ノエルは説明しながら酒場の中を歩く。

 その道中の酒場の中には心地の良い笑い声がそこら中から聞こえる。

 あまりにここにいる皆が気持ちよく笑うのでユリスもついつられて笑ってしまった。

 「いいぞ、ジャン」

 「もっとやれ」

 「さすが、道化師ジャン!」

 中でも舞台上に立っている男性はとても目立ち、顔にトランプのハートやダイヤをペイントし紫と黒野服を着て皆の注目を集めていた。

 ジャンと呼ばれた男はその声に答え綺麗にお辞儀をし指を鳴らした。

 するとその手には何も無かった筈なのに鳩が飛び立ち、黒いシルクハットからはウサギを取り出して見せた。

 杖を振るえば炎を出し空中にジュエルキャットの猫を作り出した。

 ユリスはまだ舞台上で拍手を受けている男を見ていたかったがノエルが先に行ってしまうので仕方なくノエルの向かった場所に急いだ。

 ノエルは酒場のバーに腰掛けユリスを待っていた。

 ユリスが座るとバーテンダーの格好をした女性が話しかけてきた。

 「ようこそ、ジュエルキャットへ。

 今日は、何に無さいますか?」

 女性はそう言いユリスに机に置いてあった紙をすっとずらしユリスに見せた。

  赤ワイン    塩肉

  白ワイン    猫パン

  ビール     豆のスープ

  ジュエルサワー スパゲティ

          アップルパイ

          ストロングピザ

  レモンジュエル

  オレンジジュース

  

 変わった名前がズラリと並びユリスはどれにしようかと迷った。

 「ナプスタさん、僕は猫パンと豆のスープでお願いします」

 ノエルはそう言いナプスタと呼んだ女性を見た。

 ナプスタはノエルを見たあとユリスを見た。

 「それじゃあ、この、レモンジェルとストロングピザで」

 ユリスが迷いながらもそう決めナプスタに言うと、ナプスタはお辞儀をした。

 「かしこまりました。

 少々、お待ちください」

 ナプスタはそう言うと厨房へと向け商品名を言い、戻ってユリスの前に立った。

 「今、レモンジュエルをお作りしますね」

 そう言うなりナプスタは手早く、レモンを取り出しナイフで皮を向き始めた。

 次にレモンを絞る工程に入りレモンジュースを作っている。

 ユリスはそれを見て、手早い作業に驚き、椅子から腰を浮かしてその作業を見た。

 ナプスタレモンの革を切り短冊型に切る。

 そして横に設置されてある木箱を開けコップを取り出した。

 そのコップは冷えている様で白い冷気を放っている。

 そしてそこに氷を入れた。

 「氷!? 冬でも無いのに?」

 ユリスは驚きナプスタを見た。

 ナプスタはクスッと笑い作業を勧めながらユリスに話し始めた。

 「はい、魔石を利用して水を氷に変えてるんですよ」

 ナプスタは木箱型の棚を開けて中をユリスに見せた。

 中には氷が大中小と並びその下にはグラス、そして上に薄青い魔石がゴロゴロと分けられて置かれているのが分かった。

 「どうぞ、レモンジュエルです」

 ユリスがあれこれと他にも聞いていると、いつの間にかナプスタが飲み物を作り終えユリスのテーブルの前においた。

 それは氷とレモンの革が入り何か気泡が細かく付着している飲み物で氷がまるで宝石のように輝いているように見えた。

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