表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
WORLD 光ノ書  作者: PEN
31/53

王都パンテーロ

 ライオネルはユリスの学校とは?と言う質問になぜか難儀した。

 「実は、俺も行ったことがねえし、馬鹿だからよくわかんねぇ。

 でも、村の人達言ってた。

 学校に行ければもっといい仕事が出来るようになって、お金稼げる様になるって」

 

 ユリスはその後、ライオネルに必ずキャラバンの人に伝えると約束した。 

 その後、分からない事はノエルに聞こうとユリスはキャラバンに向かった。

 ノエルは食事を終え、フィオとベルナード、ペッグで集まり4人でカードゲームに興じていた。

 「あっノエル、聞きたい事があるんだけど…学校ってなに?」

 ノエルは顔をしかめ何を言ってるんだ?…とユリスの顔をのぞき見た。

 「学校?…それはこれから向かう王都にあるやつだな。

 俺は、少しそこで学んでいた事がある」

 それにフィアナも加わり話しだした。

 「私とベルナードは行った事ない。

 マーレの孤児院、出だからな」

 フィアナが言い終えるなり老人のペッグが髭を撫でながら言った。

 「儂は魔導学校で魔術を習ったぞい。

 まだ、三十の頃じゃったか。

 エルフの学校でな、能力ある者は性別、年齢、種族、ガロン、問わず入れる所じゃ」

 ノエルは全員が言い終えたのを見て説明を始めた。

 「まあ、学校と言ってもいろいろあるが、王都にあるのは学問そして魔術を少しって感じだったか」

 ノエルは昔を思い出しているかのように話た。

 ユリスはライオネルの約束を思い出しフィアナを見る。

 「それと、フィアナ。

 お願いがあるんだけど、ライオネルって人が王都に向かいたいらしいから、乗せてあげられないかな?」

 フィアナはカードに目を戻し場にカードを出しながら話す。

 「まあ、いいだろどうせこの村で一日過ごして朝出ていけば日暮れ前にはつくだろうからな」

 「フィアナ、ありがとう」

 ユリスはそうお礼を言い、再びビタカ村に向かった。

 …

 ライオネルは村の人に母と兄弟を頼み村の皆一人一人から食料やらお守りやらを持たされていた。

 ライオネルは断わっていたが自分が受け取らないとキャラバンが出発出来ないと気づき受けとった。

 最後に村長から村人3人でようやく運べる大きな木槌を持たされた。

 その木槌はお手製のようで叩く部分には金属板が貼り付けられている。

 「村長!?こんなの貰っていいのか」

 年老いた人、村長は頷いた。

 「ライオネル、お主はこの村で一番強い男じゃ。

 お主が勝てばこの村の宣伝にもなろう?

 村の皆で作った物じゃ。

 持っていきなさい」

 ライオネルはそれを受け取り軽々と片手で持ち上げて見せた。

 「おーい、悪いがもう行くぞ」

 べスターがキャラバンの前の場所から身を出しライオネルに笑ってそう言った。

 「すんません、今行きます」

 ライオネルは再び村人達にお礼を言い駆け寄ってきた弟と妹を抱き寄せた。

 「いいか、兄ちゃん必ず優勝して帰ってくるから、それまで母ちゃんを頼むぞ」

 「うん」

 ライオネルは満足げに頷き片手に大きな袋もう片手に木槌を持ってキャラバンに走って向かった。

 …

 王都 パンテーロでは今日も朝から昼そして夜、全ての時間帯でまさに祭りでも行われているかのように騒がしい。 

 眠らぬ都市と呼ばれる所以だ。

 その都市は海辺の丘にあり、そこでは誰しもがまず、都市の広さに驚く。

 果てしなく続く都市を守る壁。

 そして一度、中に入れば家々の大きさ頑丈さ、建築技術に驚く事だろう。

 全てが石のレンガで道も家も全てが堅牢なものとなっている。

 一階建ての民家はなく、ほとんどが

2階から3階建てとなっている。

 「ふわぁ」

 ユリスはキャラバンに乗ったまま門をくぐる。

 門はとても大きくユリスは顔を真上に上げ分厚い門の下を見ながら通っていく。

 門をくぐると街は下り坂となっており、街がその場から見渡せた。

 街はとてつもなく大きい。

 下り坂の先、街の中央には大きな建物が建築されている。

 それは、巨大な塔の上に碗が乗ったような形をしており、四方には1つずつ4つの塔が立っている。

 その塔からは空中橋がかけられており、碗の中へ続いている。

 「ノエル、あれはなに?」

 「ああ、コロシアムさ。

 あそこでは人同士とか、魔物同士 魔物と人なんかを戦わせる場所さ。

 海戦なんか、すごく盛り上がるぞ」

 ノエルはユリスにそう言い笑った。

 「まるで、世界樹みたい…」

 「せっかくだ、今度上に見に行こう」

 ユリスは楽しみが膨らんでいくのを感じた。

 ユリスが他にも見渡すと遠くのここより高い場所に大きな城を見つけた。

 城は街と同じ色合いでずっしりとその場に鎮座し街を見下ろしている。

 街の人々はキャラバンを避けていくまるで川を進む船のようだ。

 それにしても街も凄いがそれよりもユリスは海に見惚れた。

 「うわぁ、凄い」

 街の向こうに見える海は果てしなく広い。

 その海原は太陽の光を反射し光り輝いている、その果の先はごく僅かな曲線を描き、空との境界線はなんとも言えないほど美しい…ユリスは景色を見て体が震えるのを感じた。

 「ノエル!!」

 ユリスは街の声に負けぬ様にノエルを呼んだ。

 ノエルは何事かとキャラバンの上にいるユリスをみた。

 「なんだ、どうした!」

 「私!、旅に出て良かった!」

 ユリスは街の景色そして何より海の壮大な景色に感動し涙を少し浮かべた。

 物語や人に聞いた話、自分で想像していた景色なんかより何十倍も奇麗だ。

 ノエルは笑い嬉しそうに海を見渡すユリスを見て言った。

 「大げさだな、俺の知り合いに捕鯨船の船長がいるから船にも載せてもらうか?」

 ユリスはうなずき再び街の情景を見た。

 …

 キャラバンは街の中心までは来た所で止まった。

 「ユリス、宿を取りに行くぞ」

 ノエルはまだ街を見ているユリスに声をかける。

 ユリスは近くで見るコロシアムや坂の下か見る、街に囲まれた景色を堪能していた。

 ノエルはユリスをキャラバンから下ろすのにかなりの労力を要した。

 「じゃあな、ユリス」

 キャラバンの皆とフィアナが手を振りユリス達を見送ってくれている。

 ライオネルはユリスと同じく王都は初めてのようで、話し合い大会が始まるまでの間、ユリス達と行動する事になった。

 「ほんと、すんません。

 いくら感謝してもしたりないくらいです」

 ライオネルはノエルとユリスに頭を下げついてくる。

 セアムとライオネルは街の中でも目立ったが不思議な事にナバト村やマーレとは違い見はする者の誰一人として驚く者はいなかった。

 「いいか、コロシアムの近くは高級宿ばかりだから、ちょっと廃れた場所に向かう」

 ユリス、ライオネル、セアムはノエルの先導のもと街の中を進んでゆく。

 ノエルは慣れた様子でスルスルと人混みを進むのでかなり大変だ。

 しばらく歩いて居ると人だかりが少なくなるのが目に見えて分かった。

 ノエルは遂には路地へと入り進んだ。

 すると突然開けた場所に出た。

 その場所は街の民家に囲まれ行き止まりとなっていたが一つポツンと大きな店が立っていた。

 それは月の形の看板が掛けられておりどうやら店らしい。

 「ここが、セアムも泊まれて、安く。

 まあ、店主は変わり者だが良い宿だ。

 それに、ここはいい景色なんだ」

 ノエルはそう言いユリスに笑いかけた後、勢いよく扉を開け中に入って行った。

 看板を見ると、月の隠れ家 ペット歓迎

 新人冒険者の方へのサービス有り

 と書かれている。

 扉は大きくセアムやライオネルは屈まずに入る事ができた。

 「すいません、4階の3部屋お願いします」

 ユリスは入って驚いた外見とは裏腹に中は豪華に作られている。

 「いらっしゃい、ようこそ月の隠れ家へ」

 見ると太った女主人がノエルとのやり取りを終えユリスとライオネルを見て言った。

 セアムはユリスに続き中へと入ってくる。

 「まぁ、珍しいわね。

 こんな素敵な子、滅多にお目にかかれ無いわ」

 女主人はそう言ってセアムの頭を撫でた。

 「ああ、そうそう三人とも4階の部屋ね」

 女主人はそう言いユリスとライオネルに番号の振られた鍵を渡された。

 ノエルと共に4階へと上がりユリスは自分の部屋を開ける。

 するとそこには家の屋根を一つ突き抜けた景色。

 屋根が立ち並びコロシアムや城、海が見える部屋だった。

 ユリスはすぐさま、4階の窓を開け上から見るまた先程とは違う一風変わった景色を堪能した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ