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WORLD 光ノ書  作者: PEN
30/53

王都への道

 ユリスはフィオに助けられ地上へと迷いながらもなんとか脱出する事に成功した。

 外に出ると空はすっかり夜になりライエール達が外で焚き火をして待っており、アルバの傷はすっかりと治っていた。

 ユリスが近づくとライエールが急に液体を頭から掛けた。

 それは傷や痛い所に触れるとたちまち傷や痛みが癒えた。

 「ポーション?」

 ライエールは何も言わず肩の傷を見た。

 「負傷者はいないな…」

 満足そうに周りを見渡す。

 「これで、飛竜討伐を完了とする。

 各自、解散」

 ライエールはそう言いフィオと共に歩いて山を下っていった。

 それにA級冒険者達とマリダが続いた。

 ユリスとノエルもまたセアムに乗り二人を残してマーレへと走らせた。

 マーレに戻りギルドに入ると。

 そこにはギルドのメンバーが何故かひしめき合いユリス達が入って行くと囲まれた。

 「どうだった?」

 「飛竜は倒したのか」

 「S級の人はどんな活躍を…」

 ユリスは質問攻めに四苦八苦しているとその波に声がかけられた。

 「今日くらいはそっとしてあげてください」

 ルアだった。

 ルアはユリスとノエルに袋を一つずつ手渡した。

 「お約束の報酬ですそれぞれ21ガロンありますお納めください。

 そしてゴブリンの件と言い飛竜と言い本当にありがとうございます」

 そう渡された。

 「うん、こっちこそ、ありがとう。   

 おかげでナバト村を助けられました」

 ユリスは笑顔でそう言いギルドをそしてマーレを後にした。

 …

 早朝、ユリスとノエルはキャラバンに乗りマーレを出た。

 キャラバンはゆっくりと出発しノエルはフィオの部屋で雑貨を漁り、ユリスはキャラバンの屋根の上で遠くなっていくマーレを眺めていた。

 やがてそれは遠ざかりやがて見えなくなってしまった。

 セアムに乗るのも悪くないがキャラバンのようにゆっくり行くのも悪くない。

 ユリスは屋根の上、寝そべり雲を見上げた。

 …

 それから一日、キャラバンで過ごしようやく建物が見えてきた。

 ユリスは前方の車両へと走りべスターとヘズを見下ろし聞いた。

 「あれが王都?」

 べスターは上を見上げ笑った。

 「いや、あれはビタカ村だ。

 畜産で有名なとこだ」

 「畜産?」

 ユリスは首をかしげ再び聞いた。

 「家畜を育ててるって事だ。狩るんじゃなく、育てて食べたり、乗ったり、畑を耕したり、いろいろだ」

 べスターは見れば分かると顎をくいと柵の方へ向けた。

 柵の中を見ると豚と牛が数匹入れられているのが見えた。

 「数が少ないな、病気のでもやられたのか?」

 ヘズがそう言い心配そうに家畜を見ている。

 べスターは再び柵を見てヘズをみて同意した。

 「たしかにな、前通った時はこんなにも少なく無かったはずだ」

 そんな事を話しながらも、キャラバンはビタカ村へと進んでいく。

 ビタカ村には人はおらず、それなのに、どこかピリピリした空気が張り詰めている事にユリスは気づいた。

 「あれ、誰もいないな」

 ヘズがあたりを見回す。

 「多分、家の中。

 中から視線を感じる」

 ユリスがそう言い終わるやいなや家々から人が出てきた。

 人達は手に手に鍬や木槌、剣や弓を持ちキャラバンを囲んだ。

 「おー、久しぶりだなぁ、べスターさん」

 「ヘズさん、お元気でしたか」

 「このガラを見ろ、なんて活き活きしとるんだ」

 口々に話だし収集がつかなくなった。

 べスターは一人一人に挨拶しようやくそれが収まったところで質問した。

 「所で、なんで武器なんか持ってんだ?」

 この質問にそれぞれため息を付きべスターをみた。

 「実は、ここの所家畜が次々と襲われちまってな。

 ギルドの人にその魔物の討伐を頼んだけんど、全く来ないもんだから、俺達で対処してやろうって話になった、わけよ。

 なあ、お前たちー」

 村の人達は武器をそれぞれ掲げ怒り声を荒げ、口々に魔物を罵倒した。

 「んで、その魔物の名前は?」

 べスターが聞く。

 「いろいろだ、最近見かけるようになったゲシュライとか言うやつに昔から住まう主、セルパンとかだ」

 忌々しいとばかりに村人はしかめっ面をした。

 「そうか、それで倒そうと…」 

 そう言いべスターは村人達の貧相な武器を見た。

 「あ? おいおい、俺達は留守番だぜ。

 もう手は打ってある、この村一番の力持ち、ライオネルと若い衆を送った」

 話した村人は自身、満々にそう言い笑う。

 べスターはそれでも村人達を見て不安そうな表情を浮かべていた。

 「私が行こっか?」

 ユリスは下を見て村人達とべスターに話かけた。

 「お嬢さんは冒険者なのかい?」

 村人がユリスを見上げ聞く。

 「うん、冒険者だよ」

 ユリスは笑顔でそう返した。

 村人達は話合い出ししばらくたった、ようやく一人の村人が顔を上げ言った。

 「それじゃあおねが…」

 その話を遮り大きな男の声があたりに響いてきた。

 「おーい、帰ったぞー」

 ユリスは声がした方を見ると髪の赤い涼しい顔をした大男が蛇の頭を肩に担ぎこちらに向かって来ていた。

 その声に反応して村人の中から二人の小さい子供が駆けつけていった。

 二人共、赤毛だ。

 「お兄ちゃん!」

 「おかえりー!」

 どうやら弟と妹らしい。

 その男の後ろにはさらに、ゲシュライを載せた荷車がガラガラとついてきていた。

 村はお祭り騒ぎとなり家畜を占める所やそれを調理する所を余興として見せてもらい、その場で捌いた肉を調理してもらった。

 騒ぐのが大好きなキャラバンの人達はもう村人達に完全に溶け込んでいる。

 唯一、ペッグがユリスの隣で笑っているくらいだ。

 ユリスは食事を終えると大蛇が気になりその死骸の下へと歩み寄った。

 大蛇は首を半開きにし倒れている。

 人なんか簡単に飲み込めそうな程太く、そして家一軒巻けてしまうのではないか、と思うほど長かった。

 これを倒したライオネルを見ると、先程まで樽ごと酒を浴びるように飲んでいたのにもうすでに見当たらなくなっている。

 ユリスはどこいったのかと辺りを見渡すと、この村の中でも一番小さくそして一番古そうな小屋の中に赤髪の大男が入って行くのを見た。

 ユリスは興味を持ちその小屋を覗いて見る事にした。

 小屋の中を除くとライオネルが寝ている女性にご飯を食べさせている所だった。

 ライオネルは一人話している。

 「母ちゃん、俺、少しの間、王都に行くよ。

 王都で闘技大会ってのがあるらしいんだ。

 そこで勝てば賞金がたんまり入るんだって。

 俺、馬鹿だから…金は仕事で稼げねえけど、なんとかして見せっから」

 寝たきりの女性が微笑み話した。

 「あなたなら、きっと勝てるわ。

 もう、私の事はほっておいてククとメアを連れて行って、そこで暮らしなさい。

 知ってるのよ、あなたに冒険者ギルドさんからお誘いが来てること」

 寝ている人物はライオネルの手にそっと触れ話した。

 「お姉ちゃん、何してるの?」

 「こら! 何してるんだ」

 ユリスが覗くのをやめ下を見ると赤髪の二人組が足元にいた。

 「ん? ちょっと気になっただけ」

 ユリスはそう言い二人を撫で再び覗く。

 ライオネルも外の騒ぎに気づいたようでユリスを見た。

 ユリスは手を振り笑った。

 

 「どうしたんですか? 旅の人」

 ユリスは家の中へと招待され二人の子供を相手にしながらライオネルの前に座った。

 「うん、ちょっと気になって。

 あの蛇やゲシュライ?だっけ、だけど、どうやって倒したの? 

 切り傷が無かったんだけど」

 ライオネルは目をぱちくりした。

 「どうって、首を締めただけです。

 家には金がねえから武器は買えません。

 村の人にもらう訳にも…悪いですし」

 ユリスは驚いた。

 最近にもフィオがそれをやって退けていたが、剣を使わず倒すなんて。

 「すごいですね」 

 ライオネルは頭を描き少し照れている様だった。

 そんな中、ライオネルは相談したい話があると切り出した。

 「旅の方、俺を王都まで連れてってくれないですか?

 闘技場出て、賞金取ってメアとククを学校に行かせたいんです。

 二人共、母ちゃんににて頭がいいから」 

 ユリスはライオネルにそう言われたが別にキャラバンの団員では無い為、少し考えた。

 「分かった、そう言ってみるよ。

 所で、学校ってなに?」

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