S級冒険者
村の皆そして山賊ヌサルの力を借り再びナバトの防衛戦は多数の死者が出たにも関わらず持ちこたえる事に成功した。
村の指揮はノエルが行う事になりどこが攻撃を受けどこが受けてないかを狼煙で伝える事を提案し、人数を最小限で防衛する事が可能になった。
細い煙を作り、白色と黒色でわけた。
そうして、夜を迎えノエルは門の上から監視し大きな焚き火が燃えている場所を凝視していた。
ユリスは夜食を運び聞いた。
「ノエル、今…何考えてるの?」
ノエルは目を離さ無いまま答える。
「いや、明日あえて攻勢に出れないかと思って。
きっと明日、ギルドが来る。
その時、王を逃したらいつまたこんな事が起きるのか不安が残る。
ユリス、明日ギルドが来たらゴブリンの混乱を利用して、キングを取りたい。
それでなんだが、俺の力では無理だ、一緒に来て倒してくれないか?」
ユリスは少し黙りノエルの後ろ姿を見て答えた。
「うん、良いよ」
「良いのか!?
正直、死にに行くようなもんだ。
ユリスの力頼りの作戦だ」
ノエルはユリスを見た。ユリスは微笑み空を見上げていた。
ノエルは何となくつられて空を見上げた。
「こんなに、星って綺麗だったんだな…」
ノエルは満点に広がる空を見上げ数え切れない星たちがノエル達を見下げている。
「ノエルには考えがあるんでしょ?
私、ノエルの考えに賭けるよ。
ナバト村の為、だもんね」
ユリスは笑い、明日の為に寝ると言い下に降りていった。
…
翌日ノエルは全員を集め作戦を話した。
「今日も最初は守りに徹する。
しかしギルドの援軍が到着した場合、恐らく戦場は荒れ敵に空きが生じるはずだ。
それを利用し俺達は攻勢に転じジェネラル、そしてキングを一点に狙い撃つ」
聞いていた人達はついに復讐してやれるといきり立ち武器を掲げた。
ユリス達は部隊を分け 先方ユリスヌサル率いる騎馬隊。
後方にフット率いる歩兵部隊を編成した。
時は昼時に差し掛かり戦場は急変した。
三体のジェネラルがナバト村を攻めていた時、ゴブリンの軍勢の後方で突如、爆発音の様な轟音とともに砂煙が立ち上った。
その後すぐに別の場所で、遠くてよく見えない、爆発音は無かったが緑の大地が吹き飛びその場所だけ本来の大地が見えるようになった。
ノエルはそれをしばらく見た。
ゴブリン達は動揺し慌ただしく砂煙が上がった方角からゴブリンが逃げてきているらしく、陣形はグチャグチャになっていた。
遠くの戦場を見やると二つの線がこちらに向かい進軍してくるのが見え、ノエルはすぐさま鐘を強く叩き、時が来たと合図を送った。
ノエルは門を降りてユリスのもとへと駆け寄りセアムに乗った。
「門を開けるよ!!」
レイラの声と共に村に残る予定の冒険者達が門を押し開けた。
開いたと同時にユリスが叫んだ。
「私に続け‼」
セアムが一番前に立ちユリス率いる部隊は緑の荒れ狂う波の中へと切り開き始めた。
セアムはナバト村を囲んでいた銀の装備を着たゴブリンをたやすく蹴散らし突破口を開いた。
その少しの突破口を後ろの騎兵隊がさらに大きく広げる。
ユリスは遠くにジェネラルゴブリンを見つけ突き進んだ。
ある程度、近づくとノエルが剣を上げて合図を出した。
次の瞬間部隊は三分割されヌサル、ユリス、フットに別れそれぞれのジェネラルゴブリン目掛け押し進んだ。
ジェネラルはまさか攻められると思っておらず虚を突かれた事に思考が停止したようで指揮が下せずうろたえた。
「この前の蹴りつけさせてもらうよ!」
ヌサルは弓を引きジェネラルの隣にいた杖を持つゴブリンを二匹間髪入れず射抜いて見せた。
フットは戦斧を振り回し、直進しそのまま衝突し斧を交えた。
ユリスはセアムから飛び上がり頭上から全体重を載せ斬りかかり戦闘は幕を開けた。
その他の人達は周りの指揮の取れていないゴブリンを討伐していく。
ユリスは最初の一撃を見舞った後連続で斬り続けた。
ジェネラルは狼狽え、身を一歩引いた。
フットは衝突するやいなや重い連撃を繰り出し圧倒し最後の一撃で力比べに入った。
どちらの力が強いか斧を交わし双方一歩も引かず両手で斧を相手の方へと押しやる。
「へっ、てめえなんざより、俺の上さんの方がよっぽど強えっ!!」
フットはついにジェネラルを弾き飛ばした。
ジェネラルは自分が飛ばされたことに驚愕し起き上がれずにいた。
地面を踏みしめゆっくりと近づきもう一度斧を振り落とした。
その一撃はジェネラルの斧を切り裂きジェネラルの体を通した。
ヌサルもまた部下の死を思い棍棒を持つジェネラルへと立ち向かった。
弓を繰り出し周りに居るゴブリンを片付け馬から飛び降り短剣を抜き走り飛び掛かった。
棍棒が横に振られるがヌサルはそれをふわりと空中で交わし短剣で腕を斬った。
ジェネラルは再び棍棒を振り回すがヌサルは体を軽く次々と来る嵐に、しゃがんだり飛んだりを繰り返しその度ありとあらゆる場所を少しずつながらきり刻んで行った。
ジェネラルは体の周りをあちこちと移動するヌサルに怒り、棍棒を大きく振るってしまった。
ヌサルはそれを待っていたと、下に潜り込みこちらを見下げる両目に向かい二本の矢を載せ力強く弓を引き放った。
それはジェネラルの両目へと刺さり、あまりの痛みにもだえ苦しむ。
ヌサルは下を通る際に足を切り裂き体制を崩させた。
ヌサルは弓を倒れゆくジェネラルの頭に引っ掛ける。
「あの世の、同士達によろしく頼む」
ヌサルは弓を両手で引きその間に矢を載せて放ち後頭部を矢で貫いた。
ユリスは一歩引いたジェネラルに再度、連撃を繰り出し追い詰めていく。
ジェネラルも剣を振るい連撃を繰り出すがユリスの剣とぶつかり総裁される。
ウガアアア
ジェネラルは叫びユリスに向かって剣を振るう。
重い一撃、ユリスは両手でそれを受け止める。
「うん、もう慣れたかな」
ユリスは攻撃に転じ相手の体を切り裂く。
ついにジェネラルは攻撃する事も出来ず、切り続けられ地面に膝をついた。
「悪く思わないでね。
はああああああ‼」
ゆりすは最後の止めにジェネラルの首をはね落とした。
ノエルはそれを見てユリスに向かい手を差し伸べた。
「ユリス!!」
ユリスはノエルの手に捕まりセアムへと乗った。
「行くよ! ノエル‼」
ユリスはノエルを前にセアムを走らせた。
目指すはキングゴブリンのいる場所。
ユリス達は道を切り開いて行き、ついに目標である魔物を見つけた。
「いたっ! あそこ‼」
ユリスはセアムを導き目標の場所へと向かう。
しかしユリスは見た。
その隣にジェネラルが二匹守りを固めている。
「ここまで来たら、やるしかない‼」
ノエルはユリスにそう言い剣を抜いて見せた。
ユリスはそれに頷き、笑って見せた。
「うん!、行こう‼」
セアムはゴブリンの軍勢を抜けユリスを連れてきた。
ユリスは飛び上がりキングの首を狙い飛び上がった。
狙うは王、一点を狙う!!
しかしその行動にジェネラル達は剣を構えユリスを切ろうとした。
無防備な空中では躱しようがない。
しかし次の瞬間二人のジェネラルに対し二つの影がゴブリンの群れから飛び出し一人は褐色肌の女性で拳をジェネラルの胸に叩き込み吹き飛ばした。
もう片方は性別は分からなかったが黒ずくめで、赤き剣を振るいたったの一撃で首を切り落とした。
ユリスはそのままキングゴブリンへと落ち剣を構えでかい体を二つに切り離した。




