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WORLD 光ノ書  作者: PEN
25/53

孤立

 あれから数度 門を守り、夜に至った。

 フットは夜になっても攻めてくるのでは無いかと思っていたが静かだ。

 「俺とノエルが見張りをやる。

 それと次の日の作戦だが、今日と変わらない。

 耐えしのぐ、後2日もあれば。

 いや、1日耐えれば援軍が来てくれるはずだ」

 そう言い終わりレイラの食事を食べる。

 ユリスはノエルのもとに行き食事を届けた。

 門の外を見渡すとゴブリン達は火を焚き、略奪してきたであろう食事を貪っている。

 それが至るところで行われているためまるでマーレの夜景の様に点々としこれが戦いでは無かったのならここで食事をしたい程だ。

 見ていると一際大きい焚き火をしている場所を見つけユリスは目を凝らした。

 「何あの、大きい太ったゴブリン」

 ユリスが見ると遠くに通常のゴブリンより何倍も大きなゴブリンが大きな玉座なのか骨の椅子に座っている。

 周りには五体の筋骨隆々のゴブリンを従えている。

 「どこだ?、どんなやつだ」

 ノエルもメガネを擦り見ようとするが遠すぎて見れない。

 「えっと一人は太ってて、あとの五匹は鍛えてるみたい。

 大きさも大人より大きいぐらいあるよ」

 ノエルは顎に手を当てた。

 「なるほど、俺も見た事は無いがおそらく、王と将軍クラスのやつだろうな。

 一定以上の群れをなすとそうゆう個体が突如出現するらしい。

 他にもゴブリンにはメイジやソルジャー、ウルフと呼ばれる個体もいると聞く」

 ノエルははっとユリスを見て言った。

 「そうか、そいつを叩けばいいんだ。

 そいつさえ何とか倒せれば統率は崩壊する」

 ユリスは首をかしげた。

 「でもどうやって辿り着くの?」

 ノエルはそうかと言いまた考える素振りを見せた。

 その日、ユリスはいつ襲われても対応出来るように壁を背に外で眠りについた。

 「起きろ!! 早速攻めてきたぞ!」

 まだ太陽も登りきらぬまま戦闘は始まった。

 すぐさまユリス達は持ち場に付く。

 「行くぞ! 構えろ!」

 門が開くと同時になだれ出る。

 フットとユリスが先方だ、その後をヌサルや冒険者達が続く。

 しかし今回は以前と少し違っていた。

 ゴブリン達はユリス達が出てくるや否や後方へと下がり距離を保った。

 それにつられ決死隊は前へと門から離れてしまった。

 「いったい?」

 フットが話しかけた時ノエルが門の上で叫んだ。

 「下がれー!! 罠だ!

 急いで門に戻れ!」

 次の瞬間、矢の雨が打ち上がりユリス達の頭上へと降り注いだ。

 「ユリス!!」

 ユリス含む冒険者達は雨を浴び次々と倒れて行った。

 フットは戦斧を盾にしユリスとヌサルはなんとか躱して抜けた。

 しかし被害は甚大、他の冒険者は動けなくなったもの負傷した者たちで溢れた。

 そして、それだけでは終わらなかった二方向から炎の玉が上がりユリス達がいる中央へと落ち、炎があたりを燃やし尽くした。

 「熱いっ誰か、助けて」

 「かしらー!」

 燃えていく助けられたであろう者達が次々と。

 ユリスに助けられる者はいない。

 「急げ、撤退だ!!

 囲まれるぞ!!」

 ノエルが上から叫んだ。

 その声と同時に両翼から門を遮るように金属の装備を纏ったゴブリンが現れた。

 「ごめん!!」

 すぐさまユリス達は担げる人を担ぎ門へと向かおうとした。

 しかしそれも遮られた。

 狼に乗ったゴブリンの部隊が両脇より軍を飛び出して現れたのだ。

 狼人間乗ったゴブリンは素早くユリス達に襲いかかってきた。

 ユリスは担いでいる人をおろしゴブリンの頭を切り狼に蹴りを見舞った。

 ヌサルは弓を構え狼達の頭を射抜いていく、フットが走り落ちたゴブリンを殺した。

 そんな事をしているうちに銀の装備で固めたゴブリンの部隊が前方を遮り門に辿り着けなくなってしまった。

 戦えるのは冒険者一人と山賊二人

 ユリス達は円陣を組み孤立した。

 ノエルはそれを門の上で見て再び矢の雨か魔法が撃たれるのでは無いかと考えたがそれは起きなかった。

 その代わり辺り一帯に大きなドン、ドン…という一定リズムの太鼓の音が響き始めた。

 するとゴブリンの中から三体の特殊個体ジェネラルゴブリンが姿を表した。 

 それぞれ大きな大剣、大斧、大棍を手に持ちニタニタと笑みを浮かべている。

 「一体どうゆうつもりだ?」

 フットがそう呟いた。

 「さあ、確実に仕留めるつもりとかだろ」

 ヌサルはそう悪態をつく。

 ユリスはどうしたものかと思慮するがいい案が出てこない。

 やがてジェネラル三体は止まり手を上げた。

 どうやら合図を送っているらしい。

 その手が振り下ろされた瞬間、矢が飛びユリス、フット、ヌサル以外の人が崩れ落ちた。

 「弱いやつを狙いやがった」

 ヌサルは怒り声を荒げた。

 ジェネラル三体は再び歩みだし五分林の円、中央へと歩み出て叫んだ。

 ゴブリンの言葉なのかよく分からないが低い唸り声だ。

 それが終わるとゴブリン達は一斉に武器を高らかに上げ騒ぎ、全てのゴブリンがタイミングを合わせ足を踏み鳴らし円を縮めた。

 どうやら、一騎打ちがしたいらしい。

 三隊のジェネラルはそれぞれの前に出て叫び襲い掛かってきた。

 ユリスは大剣を扱うジェネラルと戦い、フットは斧、そしてヌサルは棍棒だ。

 ユリスはまず大剣の一振りを躱し攻撃に転じるしかしすぐさま大剣を戻しその攻撃を防がれる。

 速い!…

 ユリスは一旦距離を置こうと下がるがゴブリン達がそうはさせない。

 ユリスは選択肢、無く再び敵の手中へと飛び込んだ。

 「はあああああ!!」

 フットはユリスの様には避けず斧と斧をぶつけ合い火花を散らしていた。

 「ぬん!」

 フットの大振りの一撃が敵の斧にぶつかる。そのまま硬直し両者力の押し合いが続いた。

 一方ヌサルは間合いを逆に詰め短剣で切り裂いた。

 しかし傷は浅く危、うく棍棒にぶつかりそうになりながらもひらりと躱す。

 

 三者山容の戦いを見せゴブリン達は沸きに沸いた。

 しばらくその戦いが続いた瞬間ナバトの門が突如、開き残りの冒険者、山賊、農夫が一斉に飛び出した。

 先頭はセアムに乗ったノエルが剣を掲げ指示を出している。

 「いいか、作戦通りにいけ!」

  セアムは装備を着たゴブリンを蹴散らし頭を噛みちぎって行く。

 「いいぞ! 混戦に持ち込んで敵の弓と魔法を無力化するんだ!!

 左右に別れユリス達に道を譲れ!」

 ノエルの指揮で全員動き、たちまち倒れた人達をナバト村へと入れた。

 最後にユリス達を見やり叫んだ。

 「よし! ユリス 親父、ヌサルさん急いで戻れ!!」

 それに反応しユリス達は一斉にその場を離れ門へと走った。

 当然ジェネラル達は追撃使用としたが…。

 ノエルが剣を高々と上げ振り下ろした時、レイラの声が門の上から聞こえた。

 「弓兵!!構え! 撃てー!!」

 門の内側から次々と矢の雨が振りジェネラル含むそれを追ってきたゴブリン達が次々と矢の雨に崩れた。

 …

 ユリスが村に入るとそこには、先程の戦いで倒れた人達が倒れ寝かされていた。

 冒険者仲間やその父親 山賊の仲間達はそれぞれメドが確認を終えた。

 動かなくなった人達の瞳を閉じ嘆き悲しんだ。

 フットはそれでも言葉を続けた。

 「いいか、今は泣いてる時じゃない。

 さっきので村の壁の守りが手薄になった。

 すぐに体制を戻さなきゃならねえ!!」

 しかしそんなフットの声を遮る声が上がった。

 「ふざけんな! 誰の指示でこんなに死んだか分かるか!?」

 剖検者を亡くした農夫だ。

 「誰のせいで…息子は…」

 フットの胸ぐらに掴みかかる。

 それを機に他の者達からも不満が爆発した。

 セーラはそんな人達をなだめようとし、突き飛ばされ倒れた。

 ユリスはそんなセーラを起き上がらせナバト村中に響くように、自らの悲しみを殺すように叫んだ。

 「いい加減にしなさい!!

 今はフットを攻めても何も変わらない。

 それに辛いのはフットも同じ。

 みんなの事を家族だって、フットは本気で信じてる。

 今できる最大の事をしよ!?

 一人一人が力を合わせて立ち向かえばどんな辛い事だって…困難だってきっと乗り越えられる‼」

 「そのとおりだ、我らヌサルはナバトに恩がある。

 例えその命尽きようとも返したまでに過ぎん」

 それに続きレイラがおずおずと話だしそれは段々と強く決意の言葉となった。

 「私…私はやるよ…簡単に諦めてたまるもんか…守りたいものがあるんだ。

 私に残してくれたもの…それに村の皆、家族の為に‼」

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