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WORLD 光ノ書  作者: PEN
18/53

クローバ伯爵

 ユリス達は飛竜と遭遇したがシュープの依頼は完了させる事に成功した。

 帰りにはシュープの死骸に布を被せ隠す。

 二人は馬に乗らなければ座る場所が無い程にシュープを狩ることが出来た。

 シャールはあの経験を何度も話しボルカやノエルはそれに頷いていた。

 ユリスはあの飛竜について考えていた。

 ユリスにとって初めて立ち向かう事も出来ないほど恐怖した瞬間だった。

 やがてマーレまで戻り馬貸しのサボナーの馬小屋を通り越し門の隣にある場所へと向かった。

 そこには石畳の上に魔物の死骸が大量に並べられていた。

 中にはシュープ、狼の魔物、熊の魔物、ゴブリン、そしてゲシュライが一匹だけだったが並べられていた。

 「ん?なんだ大量だな、おいホップこっち手伝え」

 男がユリス達の荷物を見て大声で叫ぶ。

 「わかりやしたー。

 ステファの兄貴」

 ホップは小柄だった前にもキャラバンの人で見たことがあるヘズと同じ小人族だ。

  小人族のホップは力持ちで軽々と次々にシュープを運び出していく。

 「えーと三二匹かて事は一六ガロンだな、ホップ!」

 「ほい」

 ホップは施設に戻り帰ってきてノエルに一六枚の金貨、一六ガロンを手渡した。

 「一人四枚だな」

 そう言いノエルはシャールに八ガロン渡した。

 「こんなに、でも私達シュープを追い立てただけで」

 「いいから取っとけ」

 のえるは返そうとするシャールの手を押し戻し言った。

 「うん、別に関係ないよ。

 私達一緒のパーティー?、でしょ?」

 ユリスも笑いながら言った。

 …

 馬を返し四人は話しながらギルドへと戻った。

 ギルド内は静まりうめき声がいろいろな場所から聞こえてくる。

 「よお、Fども、お前らは良いよな雑魚モンスターばっか狩ってよ」

 ユリス達を見たボーネが言った。

 ボーネは顔や足、腕に傷を負ったようで頭には包帯を巻き左目が包帯で見えなくなっており、手や足も所々包帯で巻かれ赤くなっている。

 「見ろよ、この傷ゲシュライを狩った時に出来た傷だ。

 お前らと違って皆、傷だらけだ」

 周りを見渡すと確かにF級を含め全員があちこち包帯を巻きあったり静かに酒を飲んでいる。

 「全く、いいご身分だよなぁ。

 どうせシュープだろ、一匹も捕まえれなかったんだろ」

 ボーネが大声で言い笑った。

 「そんな事はありません!!」

 シャールが怒鳴った。

 「シュープは三二匹も狩りましたし。

 ユリスさんは、あなたみたいに傷を負わなくても一撃で倒す所を私が見ました!!」

 ボーネは口笛を吹き茶化した。

 「おい、皆聞いたかよF級があの俺達が命がけで仕留めたゲシュライを倒したってよ、しかも一撃で。

 馬鹿か、なら証拠見せてみろや」

 ボーネが立ち上がりシャールに詰め寄る。ユリスはボーネの前に立ちそれを阻止した。

 「証拠…は…ありません。

 でも、私達は見ました。

 ノエルさん、ボルカ、そうだよね?」

 「はっ、話にならねえ聞いたか倒したのに持ち帰らず、みすみす賞金を捨てたとよ」

 より一層大きな声でボーネが騒ぐ。

 そのせいで静かなギルド内の全員の注目を引いてしまっていた。

 「違います…飛竜が現れて…」

 「次は飛竜、笑わせんな、じゃあなんでてめえ等は無事なうえ傷もなしなんだよ。

 ここまで来るとてめえらの頭に賞金が出るだろうよ、中身がいかれちまってるんじゃねえかってな」

 「もういいだろ、ボーネ、こっちも疲れてるんだほっとけ」

 ノエルがそう言い何事か言おうとするボーネを無視し三人を連れギルドのカウンターへと向かった。

 「私、悔しいです」

 シャールは目を腫らし泣いていた。

 「シャール、大丈夫だよ、あなたは正しい事を言った。

 ただそれだけの事なんだから」

 「そうだ、ユリスのあの強さならB級は固いだろ」

 ユリスに続きノエルが言った。

 「でも、あいつユリスさんやノエルさんの事を馬鹿にして。

 ユリスさんは強いし、ノエルさんは私達冒険者に必要な知識を持ってるなのに…」

 ボルカが彼女の肩を抱きそっと寄り添った。

 「だから言ったろ、あんな奴相手にする必要無いって」

 ノエルはそう言った後カウンターにおいてあるベルをチリンと鳴らした。

 少しすると扉が開きルアが現れた。

 「はい、ご要件は?」

 「ルアさん、これお願いします」

 ノエルは依頼書を出しルアに渡した。

 「ボーナスですね、分かりました」

 そう言いルアは4人に五エルクずつ渡した。

 「ありがとうございます」

 要件を済ませた四人はとっととここから出ようと出口に向かおうとした。

 「少しお待ちください。

 ユリスさん、ノエルさんに指名の依頼が来てます」

 ノエルは何事かと眉を寄せカウンターに戻った。

 「これです」

 依頼 荷物配送

 

 内容 私の雇っている農家から食材を運んできて欲しい。

 

 報酬 十ガロン

 

 依頼主 クローバ伯爵

 

 メモ 妻から君達の事を聞いた。

 是非、私に会いに来てはくれないか  

 直接礼を言わせてほしい。 報酬は気持ちだ

 「どうやら、気に入られたようですね

 以前の依頼を完了した後、すぐに来ました」

 ルアはそれを渡すと扉の向こうへと戻って行った。

 「また、貰っちゃたね」

 「しかし、この額は高すぎないか」

 再び辺りを見渡すとギルドの全員の目が隠してはいたが見ている事に気づき四人は外に出た。

 シャールとボルカはここで別れる。 

 ユリスとノエルは暗くなってきていた空を見てクローバ伯爵の家に行くか迷ったが今日は話を聞くだけにしようと決め向かう事にした。

 伯爵の家に向かうと扉が勢いよく開き中から赤髪の少女が出てきた。

 「じゃあね、おばさん」

 アイラだ。

 アイラはそう言い扉を閉めユリスに気づいた。

 「あっ、お姉ちゃん」

 アイラは屈託の無い笑顔でユリスに近づき手を触った。

 「今度また孤児院に来てね、絶対だよ。

 私、マザーに叱られる前に帰らなきゃいけないから、じゃあね」

 アイラは急いでいるようで、すぐにユリスから離れ階段に向かった。

 ユリスは階段を軽く飛び降りていく少女を見て微笑み見送った。

 

 扉に再び近づくと今度はゆっくりと扉が開いた。

 見るとソフィアが扉を開け手で中を指していた。

 「どうぞ、中へ。

 クローバ様から話は聞いております」

 ユリスとノエルはそう言われ中へと入っていった。

 中へ入ると夫人が立っていた。

 「あら、ユリスちゃんにノエルちゃん、どうしたの?」

 「お二方は旦那様にご用があって来たとの事です。

 お二方、こちらへどうぞ」

 ソフィアは夫人に一礼し階段へと向かった。

 階段には赤いカーペットが敷かれており金の装飾が所々にあり豪華だった。

 階段を上がってそのまま進み一番奥の部屋で立ち止まった。

 ソフィアは扉をコンコンと叩く。

 「旦那様、ユリス様とノエル様がおつきになりました」

 「入れ」

 ソフィアがその声を聞き扉を開けると中に一人の綺麗な服を来た白髪混じりの男性が机越しに座っているのが見えた。

 「よく、来てくれたね。

 ささ、入って席に掛けてくれたまえ。

 ソフィア、夕食の仕度を頼む。

 もちろん、お二人の分も」

 「承知致しました。すでにその分の手配は勧めてありますので少ししたらお越しください」

 ソフィアは綺麗にお辞儀し扉を締めた。

 ノエルは遠慮仕様としたがクローバ伯爵がそれを手を上げる事で止めた。

 ユリスとノエルは、ふかふかしたソファーに座った。

 「さて、まずは礼を言わせてくれ。

 うちの猫を見つけてくれてありがとう。

 全く困っていたのだあの猫が居なくなってから私の家内は荒れていたからね。

 本当に助かったよ」

 クローバ伯爵の部屋には鹿の頭部が飾られ、壁には絵画がずらりと並べられ中には自分自身の絵も飾られていた。

 「ああ、これかね、これは何年か前だがとある画家に書かせてね。

 いい出来だったもんだからここに飾らせたんだ」

 「とてもいい絵ですね、手にお持ちなのは杖ですか?」

 ノエルが相槌をうち伯爵に訪ねた。

 「ハハハ、あれは杖じゃないよ、銃と言う貴重な品でね。

 まあ一般ではめったに目に掛からないだろうね」

 言い終わると引き出しから短い拳銃を取り出し机に置いた。

 「これもそうだ、あの長いものよりも威力は劣るが小回りが効く」

 クローバ伯爵は鹿の首目掛けて引き金を引いた。

 バンと言う大きな音と共に鹿の頭に穴が空いた。

 クローバ伯爵は銃から出ている煙を吹き、再び机にしまった。

 「この通りだ。

 魔力があまり上手く使えぬ私でも使えばこの威力だ」

 ノエルとユリスは関心し、鹿の頭部に空いた穴を見つめた。

 「さあ、こんな所でいいだろう。

 食事を楽しもうじゃないか」

 そう言って立ち上がりクローバ伯爵は。先頭に達扉を開けユリスとノエルを部屋から出し一階へと向かった。

 一階の廊下を進み途中で止まり一際大きな扉を開けた。

 「さあ、入りたまえ」

 そこはとても豪華に出来た大きな部屋だった。

 全てに金の装飾が入り長いテーブルが中央に置かれ、椅子がズラリと並んぶ、そして上にはキラキラとしたシャンデリアが吊るされていた。

 「こちらへどうぞ」

 ソフィアがノエルとユリスを呼びクローバ伯爵が一番奥に座っている横に座らせた。

 ユリスは座り、食事を見て目を輝かせた。

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