表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
WORLD 光ノ書  作者: PEN
12/53

都市マーレ

 ユリスとノエルそしてセアムはナバト村を出た後、平野を進み谷を越え、夜を迎えていた。

 焚き火の周りを二人と一匹で囲みナバト村で貰った食料を食べた。

 「この先の山を越えて森林を抜ければマーレにつくはずだ」

 ノエルは地図を広げユリスにこの先の道の説明をしていた。

 「所でどこを目指してる旅なんだ?」

 ユリスはそれについて嬉しそうに答えた。

 「全部。

  道があろうと無かろうと全部」

 焚き火に照らされたユリスの顔は笑っていた。

 次の朝

 ユリス達は朝食を済ませ、セアムの背に乗り移動を始めた。

 周囲には村も何も無い平野が続いており遠くには連なる山々が見える。 

 やがて一行はその山の麓に到着し登り始めた。 

 その道は緩やかな上り道となっておりその頭上には木々の幹で屋根を敷かれ自然のトンネルを抜ける。

 チラチラと木の葉の隙間から漏れる太陽のベールが美しく心地良い。

 山の頂上の手前についた時にそれは起こった。

 鳥達が一斉に下の森から飛び立ちユリス達の頭上を飛びさった。

 セアムは唸り震えるのを感じた。

 「何か…くる」

 ユリスは何か言い寄れない不安を感じセアムに捕まる力が強くなりあたりをキョロキョロと見渡した。

 次の瞬間、地響きの様な唸り声と共に山の影からとても大きい何かが飛行して来るのが見えた。

 それはユリスがセアムに指示を出し木々の下に隠れる間もなくユリス達を影で覆いそのまま通り過ぎていく。

 「飛竜だ…始めてみた…」

 ノエルは空を見上げながら呟いた。

 飛竜は大きな翼を広げ力強く大空を舞うように飛び山の反対側へと姿を消す所だ。

 「セアム! 山の頂上に!」

 ユリスはセアムに指示を出し坂道を一気に登らせる。

 その景色を見てユリスは言葉にできぬほど感動した。

 山の頂上には木々が無くそこから見える景色は壮大なものだ。果てしない平原その中央には大きな街が見え、遠くにはそびえ立つ山々、下には木々が山なりに生え、鳥の集団が飛ぶ。

 そしてあの飛竜が雲と青で広がるこれまた果てしない大空を我が物にし飛んでいた。

 …

 都市マーレでは多くの人達が行き交い、その都市の中央には大きな塔のような建物がずっしりと構え、そこまでの道を商店が並びそこからは客寄せの声や人の話し声が混じり合い、活気に満ちている。

 その商店の中に冒険者ギルドが大きくそびえ立ち、外の声に負けず劣らずの喧騒が漏れ聞こえてくる。

 「ノエル、あれは何!?

  あそこのは!?

  何これー!?」

 ユリスはマーレに入るや否やノエルに片っ端から聞いて回っていた。

 そのクルクルと回って見渡す姿を見た周りの人達は笑い、セアムに驚いている。

 ユリスにため息をつきながらノエルが口を開いた。

 「まずは宿を探そう。

  知り合いがいるからまずはそこに行こう、セアムをなんとかしないといけないしな」

 

 「セアムを?」

 ユリスはそう言いながらまだあちらこちらと見て回り、セアムは自分が呼ばれたとノエルに近づき顔を舐めた。

 「ここがそうだ」

 そこは大きな3階建ての宿でナバト村の宿、休息の館よりも豪華な作りのものだった。

 看板にはマダム、ジョセリーナの幸福亭と書いてある。。

 店に入るとカウンターにいた二人の獣人のウエイトレスが声をかけてきた。

 『いらっしゃいませ』

 店の中は広めの空間になっており壁はニスが塗られているのかツルツルとした木でできた壁とカウンター、そしてソファと観葉植物が置かれていた。

 ノエルはその二人に向かい歩いていった。

 「フオ シュイ 久しぶりだな」

 フオは男で虎の獣人でしましま模様

 シュイは女性で白い猫の獣人だ。

 「おおノエルじゃねえか」

 フオがカウンターから出てきたかと思えばノエルに駆け寄り抱きついた。

 シュイはおどおどした調子で「ジョセリーナさん、呼んでくる」といいカウンターの奥に姿を消した。

 ノエルはスリスリとしてくるフオに暑いと体から引き離しシュイを待つ。

 少しして奥からシュイを連れた大人びた黒髪の女性が現れた。

 「あら、ノエル、久しぶりね。

 部屋は空いてるわよ。

 お代はいつもどおりで大丈夫だから」

 黒髪の女性はノエルと知り合いらしくお互いを知っているらしい。

 「マダム、今日は二人だから二部屋頼むよ。

 後、外のでかい犬を何とかしてくれると助かる」

 マダム、ジョセリーナはユリスを見て外のセアムを見た後頷いた。

 「分かったわ。

  フオ、外のワンちゃんをお願い。シュイは二人を部屋に案内してあげて」

 そう言いマダムは再び奥の部屋へと戻って行った。

 フオは外のセアムのもとへと小走りで向かい、シュイはゆっくりとカウンターから出てきた。

 「こっち」

 シュイはユリス達の先頭に立ちカウンター横の階段を登り2階に上がった。

 そこには両側に部屋の番号が書かれた扉がずらりと並び壁に一定の感覚でランプがついている。

 一番大きい数字で二十と書いてある事から部屋は二十個あるのだろう。

 シュイは一七と一八の扉の前で止まり扉を開けた。

 「ここです、どうぞおくつろぎ下さい。

 食堂は3階になります」

 ペコリと頭を下げシュイは一階へと戻っていった。

 

 ユリスは18、ノエルは17へ入り各自、荷物を置き終えると外に再び出た。

 「次は冒険者ギルドに行くといいだろう。

  登録すれば食料品や装備をギルドが少し負担してくれる。

 それに旅するなら金がいるだろうから」

 ノエルはそう言い冒険者ギルドへとユリスを連れ向かった。

 ギルドは並んでいる店の中でもひときわ大きく中からは騒ぐ声が聞こえていた。

 中に入ると喧騒がより強くなり蒸し暑さに酒と汗の匂いが鼻を刺した。

 「人臭い」

 ギルドの内装は長テーブルが幾つも並びそこに丸椅子が並べられ奥に二人の受付がいる大きいカウンターがあり、壁には大きいクエストボードが貼られ、その中にはところ狭しと依頼書が重ねられているほど貼られていた。

 上を見れば2階が吹き抜けになっている。階段は見当たらなかったがカウンターの中にあるのがわかった。

 

 ユリスが入り口から更に入って行くと中にいる数人がユリスを見て観察しているように感じた。

 ノエルは受付の女性に話しかけユリスを指差していた。

 受付の女性は二人おりその二人は瓜二つの容姿をしていた。

 「そうです、冒険者登録を頼みます」

 ユリスが近づくと受付の女性が奥に向かい。棚から大きな水晶玉を持って来てカウンターにドンっと置いた。

 「どうぞ、こちらにお手を」

 水晶玉には台座がついており受付の女性が少し手をかざした瞬間、緑色の光が水晶玉を満たした。

 ユリスはドキドキと胸を高鳴らせながらその水晶玉に手をかざした。

 水晶玉から魔法陣のような文字と円がユリスを上から下へと通り過ぎ水晶玉が青く光った。

 「はい、完了致しました。

 ユリス・アラフェルさんで間違いないですね?

 こちらが冒険者登録証です」

 先程の水晶玉にユリス・アラフェルという文字とユリスの顔が空中に浮かび上がった。 顔の斜め横にはFの文字がでかく顔の上に浮かんでいた。

 「うわ! 何これ!」

 ユリスはその画像に手をさっと通し空が切るのを何度も繰り返し不思議そうに見つめた。

 「冒険者登録証はいつでもあちらの水晶玉で確認できますので」

 そう言うと受付嬢は別の水晶を指差した。

 「ようこそ、冒険者ユリス・アラフェル様」

 受付の女性はそう言い頭を下げた。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ