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ライトノベルじゃダメですか?  作者: 東雲もなか
夏休み編
95/216

94話 夏休みの予定を立てちゃダメですか?

 静かな雰囲気のカフェにコスプレメイドがいると異様な光景にも慣れだしたバイト数日目。


 以外にもお客さんからの評判も良く、弥久先輩はそのままメイド服でバイトを続けていた。


「ここに来る客は本当に狂ってるわ」


 お客だというのにそんなことを言ってしまうくらいには心に疲れがたまっているようだった。


「何言ってるんですか。みんなかわいいって言ってくれてるじゃないですか」


「はぁ?あんなのからかってるだけに決まってるでしょ」


 このカフェに来るのは常連ばかりで、僕ですら世間話をしたことがあるくらいだ。


 当然弥久先輩が知り合いでないはずもなく、からかわれていると思うのも当然と言えば当然のこと。


「それでも、多少は本心で思ってくれてますって」


「多少ね~」


「30%くらい……」


「増やしたつもりかもしれないけどそれを多少っていうのよ!」


「はぁ……もう、いいわ。わかったわよやれば良いんでしょ」


 弥久先輩はもうあきらめたといった様子で、死んだ魚の目をしている。


 先輩が降参宣言をしたときに、マスターがポケットに入れていた手を出すとそこにはスマホが握られていた。


「マスターどうですか?」


「ばっちり言質はとれたよ」


 マスターは僕の言葉にニヤリと笑う。


 マスターがスマホに表示された再生ボタンを押すと「はぁ……もう、いいわ。わかったわよやれば良いんでしょ」というさっき聞いたばかりの弥久先輩の声が流れる。


「あ……あ……」


 開いた口が塞がらないとはこのことだと言わんばかりに口をぽかんと開ける先輩。


 やっと状況を理解すると、


「何でかってに撮ってるのよ!」


 もっともな言い分を吐いていた。


 結果的には、マスターがとった音源は消すことになった。


 しかし何故だか、普通の制服を着ることはなくずっとメイド服のままだったので意外と気に入っていたのかもしれない。




 カフェという店の性質上遅めのお昼を取っているとき。


 僕は、スマホをいじっていた。


 何をしているかと言えば、日課となりつつある弥久の報告を写真付きで送っていた。


「何してるの?」


 弥久先輩が気になったのか、僕のスマホをのぞき込んで来る。


 慌てて画面を落としたのだが少し遅かったようで見られてしまったようだ。


「あんた何してるの?」


「いやー、なんでもないですよ」


 誤魔化そうとしたのだが、やはり無理だったようで笑顔で睨んで来る。


「これです……」


 身の危険を感じた僕は素直にさっき開いていたトーク画面を見せる。


 そこには、当然真由美との会話が写っているわけで……


「あいつもグルだったのね……」


 そう言うと、自分のスマホを操作していた。


「(ごめん、真由美先輩。)」


 僕が心の中で真由美先輩に謝っていると、何かを思い出したかのように弥久先輩が話しかけてきた。


「そういえばさ、ゆかりがみんなで海に行こって言ってたんだけど、どうする?」


「行きます!」


 若干食い気味で返事をする僕。


 先輩の水着姿かー


 どんなのかなー


 そんな物思いにふける。しかし、


「あんたが何考えてるかあててあげようか?」


 という先輩の言葉で現実に引き戻された。


「遠慮しときます」


「そ、まあいいけど。瑠璃にはもう言ってあるから、心配しなくて良いわよ。日にちは追って連絡するって」


 そしてちょうどマスターが休憩室に入ってきた。


「日にちが決まったら教えてね」


「あ、そういえば、僕たちが抜けて大丈夫なんですか?お昼とかは結構忙しいですけど」


「若い子がそんな事心配しなくていいの。君たちは楽しんできて」


「だってさ」


 先輩も言うが、ここ数日働いて本当に忙しかったので少し気が引ける。


 それでも、ここまで言ってくれているのに遠慮するのは逆に失礼だろう。


 僕はその好意を素直に受け取ることにした。



「ところでマスターカウンターの方は大丈夫なんですか?」


 マスターがこっちに来たということは向こうは誰も居ないはずだ。


「大丈夫だよ。落ち着いたとこだし」


 つまり、お昼のお客さんも一段落して今は向こうにいる必要もないという事だろう。


 ここからでもカウベルの音は聞こえるので誰か来ても対応はできるだろう。


「もう常連さんしかいないからね」


「マスター……」


「どうしたんだい」


『客を置いて休憩をするな!!』


 僕と弥久先輩は慌てて休憩室から出ていった。

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