77話 国語のテストもダメですか?
瑠璃が部室から逃げていった翌日。
僕は今日の授業が終わり逃げ出そうとする瑠璃の首根っこをひっ捕まえて、部室へ向かった。
「離してください。あそこに行くと殺されてしまいます」
「殺されないから、行く早く」
僕は、空いている片手で部室の扉を開けた。
「こんにちは、ちゃんと瑠璃連れてきました」
「よくやった泰君」
「はなせー、はなせー!」
「こら、暴れるな!」
「安心しろ瑠璃君。別に本気であんなこと言っていたわけではないさ。90%くらいだ」
いや、それも冗談だよね……
何だか申し訳ない気がしてきながらも、無理やり瑠璃を座らせる。
「まあ、冗談はさておき。本当にどうやって教えるかは悩むな。そもそも、私勉強したことないしな」
「自慢してる訳じゃないとわかってるのが、逆に腹立ちますね」
「ていうか、そもそも何で国語までできないの?」
瑠璃はなにをいっているんだ?というように弥久先輩を見ている。
「逆に何で、国語ができると思ったんですか?」
「いや、ほら、だって。小説とか書くの得意じゃない、あんた」
「全然違うじゃないですか。大体何ですか?この時の登場人物の感情を答えよとか。わかる訳ないじゃないですか。超シリアスな場面で「あー、だりー。早く帰てー。そもそもこの子のことあんまり好きじゃないんだよなー」とか思ってるかもしれないじゃないですか」
「おまえ相当ひねくれているな」
「でも、模試とかは置いておいて、この学校の国語は瑠璃君にとってそれほど難しいものではないと思うのだが」
「いやですね、先輩。今まで私のなにを見てきてそんな結論に至ったのですか?私がここで1回でも小説を読んでいるのを見ましたか」
「そう言えば見たことないな」
確かに僕も、ここに限らず教室などでも見たことがなかった。
代わりに読むのではなくいつも書いているのだが。
「そうでしょ。私自慢ではないですが、書くのが好きなのであって、読むのは嫌いなんですよ。1部例外で読んでいるシリーズなどもありますが、それもほんの一握りです」
「まあ、好きだろうが嫌いだろうが、構わないけどそろそろ勉強しようか。ね?」
僕は参考書を机の上に積み上げる。
瑠璃は若干涙目で口を開けている。
「泰ぁ〜 鬼ですか!あなたは鬼だったんですか!」
「何とでも言え。それにこれで嫌われて鬱陶しく付き纏われなくなるなら好都合だ」
「意外とひどいこというのね……」
弥久先輩からの視線が痛いが今は無視だ。
「……言っておくが、僕は勉強できる人の方が好きだな〜」
「くっ……」
瑠璃はしばらく葛藤していたかと思うと、徐に立ち上がった。
「みてろよ、絶対泰より上位にはいってやります。ランカーになってやるから待ってろー!」
それだけ言い残すと、部室を出ていった。
「結局勉強教えれないのね」
「瑠璃って、1人で勉強できるように見えますか?」
『見えないな(わね)』
「ですよね……先生になんて言おう……」
僕は、ため息をつくと痛む頭を抱えた。




