66話 池田麻衣子じゃダメですか?2
次にあったのは桜田弥久のクラスの授業だ。
彼女は皆越ゆかりとは違い、真面目に授業を受けてくる。
真面目なのは良いことなのだが、クラスでの彼女はなんだか少し無理をしているように見えた。
どう言ったら良いのかわからないのだが、周りにあわせることに必死になって大変そうに見えた。
それもそのはず。
彼女はどうやら、自分の趣味のことはもちろん、部活のことですら隠しているようだった。
本当に隠し通せているのかは別として、その必死さは見ている方がつらくなる。
1度、部活のときに聞いたことがあるのだが、自分の趣味を知られた時拒絶されるのが怖いらしかった。
桜田が1番仲良くしている子に竹中真由美という子が居るのだが、例え彼女が桜田の趣味を知ったとしても馬鹿にしたりするような子ではないと思うのだが、それに気づいてないようだ。
そんな自分のことを隠そうとする桜田ではあれど例外もあるらしかった。
もちろん竹中にだけだと思うのだが、最近は少し部活、というより雪本泰のことをよく話しているのが聞こえてくることがある。
それも、1度や2度ではない。
私は、彼女が雪本を意識しているのは前々から気づいていたが、最近はそれが顕著に見受けられる。
まあ、本人はそのことを自覚してはないようだが。
竹中は「そうだね〜」と軽い感じで相槌を打っているが、話はしっかり聞いてくれているような印象だ。
何度も似たようなと言うより同じ雪本の話をしているのだがそれでも適当に受け流すようなことはしないのだから、相当な聞き上手だろう。
だと言うのに桜田は全く分かっていない。
そんな子に多少自分の変わった趣味を打ち明けたところで、馬鹿にされると思っているのだろうか?
ありえない。
あの子が彼女をバカにするなんてありえない話だ。
桜田はもう少し親友を信用したほうが良い。
誰でも彼でもに対して殻に閉じこもっていくのは、生きにくいことこの上ない。
それは私が身を持って証明しているつもりだ。
できれば、彼女には自分と同じ経験なんてしてほしくない。
入学した頃から、どこか目の離せない子だった。
それは、自分と同じ匂いがするから。
確証があったわけではないが、それでもどこか感じるものがあったのも事実だ。
今まで1年間見てきたが、それは間違えじゃなかったと思っている。
思っているのだが、ここ数ヶ月変わってきたような気がする。
それはどこか成長したというような感じだ。
別に、おとなになったというわけではない。
進んだのか、後戻りしたのかはわからないが、その意味では成長というより変化と言い換えたほうが良いのかもしれない。
なにはともあれ、桜田は変わろうとしていることには変わりない。
もう少し見守っていこうと思う。
何かあったとしても、ただの教師である私にはそれ以外のことはできないのだが。
登場人物に聞いてみたQ&Aコーナ【蒼井瑠璃編】
Q:好きな小説はなんですか?
A:私は書くほうが好きなのであまり読まないのですが、そうですね〜……『このすば』とかが面白いと思いました!




