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ライトノベルじゃダメですか?  作者: 東雲もなか
変化する文芸部
55/216

55話 蛇はダメですか?

 向かった動物園のレストランで、昼食を取ることになった僕たち。


 僕はハンバーグ、瑠璃(るり)がホットドッグ、皆越(みなこし)先輩が海鮮丼、弥久(みく)先輩がパンケーキをそれぞれが食べた。


 お腹が膨れれば不思議なもので、さっきまでの気まずい空気は忘れ去られ和やかなムードが流れた。


 あまり歓迎しないながらも、せっかく動物園に来たのだ。どうせなら楽しみたい。



 それにしても、こういうところの料理にしては美味しかった。


 僕が食べたのは先程言ったようにハンバーグだったのだが、その溢れ出す肉汁といったら並の量ではない。


 肉について詳しくないので、どこがどうと評価することはできないのだが、それでも肉の旨味は今まで食べてきた中で片手に含まれるくらいだった。


 語彙力のなさで表現できないことが惜しいくらいに、美味しかったのだ。




 そして、昼食を食べ終えた僕たちは続いて、同じ建物内に併設された爬虫類が展示されているところに向かった。


 爬虫類といっても、その殆どは蛇で、たまにトカゲとか亀とかが居るような感じだ。



 建てられた看板を見ると、蛇を首に巻く体験ができるらしかった。


「泰、蛇を首に巻けるみたいですよ」


 目を輝かせながら、話しかけてくる瑠璃。


 その言葉に、僕は「あぁ」とそっけなく返す。


 しかし、返答を求めて発言したわけではなかったようで、「へび〜、へび〜」といった感じで浮かれていた。


 近くに係員を見つけるとそっちへ駆けていった。



 しばらくなにか話していたかと思えば、戻ってきた。


「もうすぐ、始まるみたいですよ」


 何がとは聞くまでもなく、蛇の首巻き体験だろう。


 はしゃいでいるが、瑠璃はそんなに蛇が好きだったのかと思った。


 そもそも、あれってよく色々な動物園で見かけるが、本当に安全なのだろうか。


 蛇が気まぐれを起こして、首を締めてくるのを想像すると総毛立つ。


 僕は何があってもやめておこう……


 一応断っておくが、これはフラグではない。



 やがて時間が近づいたようで、係の人が準備をしだす。


 その人が、首に抱えていたのは大人の人間でも丸呑みできそうなほどの蛇、と言うより大蛇だった。


 え……あれ首に巻くの……?と言いたくなるような大きさと言ったらわかりやすいだろうか。


 巨大な蛇を目の当たりにしても瑠璃は怯むどころか、その目をより一層輝かせている。



「では、言ってまいります!」


 瑠璃は、いかにもアホの子がしそうな敬礼をして、蛇のところへ向かった。



 初めは普通によく見る光景だった。


「蛇って生暖かくて気持ちいです〜」


 なんてのんきなことを言っていた。


 様子がおかしくなったのは後半頃。


「固くなっちゃって、蛇さん緊張してるんですか?」


「あ、ちょっとまってください。そんなに強くしちゃダメです。絞まっちゃいますから」


「あ……もうダメかもです。皆さんさようなら……」


 そう言うと瑠璃は気を失った。


 係員含む僕たちは必死に蛇を解く。


 幸い蛇も本気を出してはいなかったようで、なんとか外すことができたのは良かった。


 しばらくして、瑠璃の意識も戻り事なきを得た。



 以外だったのが一目散に駆け寄ったのが、弥久先輩だったことだ。


 普段は、ちょっと相性が良くないのかなと思っていたのだが、案外そうでもなかったらしい。


 弥久先輩も彼女なりに、瑠璃のことを思っているようで安心した。


 弥久先輩が1番瑠璃を心配していたということを後で本人にこっそり伝えておこう。


 彼女への悪戯でもあるが、たまにはデレを見せないと損することもあるのでちょっとしたお節介のつもりだ。

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