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ライトノベルじゃダメですか?  作者: 東雲もなか
変化する文芸部
51/216

51話 迎えに行ったらダメですか?

 なんでもない土曜日の朝。


 僕は鳴り響く玄関のチャイムの音に起こされた。


「泰〜迎えに来ましたよ〜」


 声が聞こえるとやがて階段を駆け上がってくる音が聞こえた。


 その音が僕の部屋の前で止み、扉が開かれる。


「おはようございます。まだ寝てたんですか」


 時刻は7時。別にまだ急ぐような時間ではない。


 半分開いてない目で勝手に入ってきた瑠璃を見る。


「うわ。目つき悪いですよ」


「朝が苦手なんだ。仕方ないだろ」


「それは良いんですが、早く準備してください。行きますよ」


 もう少し寝たい気持ちもあったが今2度寝すると次起きれそうにない。


 仕方なくベッドから半身を起こす。


「着替えるから。下で待っていてくれ」


「どうぞお気になさらず着替えてください」


 瑠璃はそう言うと僕の前で正座をして脱ぐのを待っている。


「こっちが気になるの!早く出ていけ!」


「えーどうせそのうち夫婦になるんだから良いじゃないですかぁ〜」


「いや、ならないから」


 僕は瑠璃の腕を掴んで無理やり部屋から出した。



 それから入ってくる様子もなかったのだが、同時に下に降りていく足音も聞こえなかった。


 僕は、扉を閉じたまま自分の胸の高さくらいの位置を思いっきり殴った。


 すると案の定聞こえてくる瑠璃のうめき声。


 大方、扉に張り付いて聞き耳でも立てていたのだろう。


 諦めたのか階段を降りていく音が聞こえたので着替えを済ませた。



 リビングに行けば瑠璃が朝ごはんをもらっていた。


「なんで食べてんの?」


「良いじゃない泰。そう、瑠璃ちゃんいい子なのよ〜」


 答えたのは母親だ。


「どこがだよ、勝手に上がり込んでおいて」


「そんな言い方はないでしょ。せっかく来てくれているのよ。お母さんは、あんたを女の子に冷たくするように育てた覚えはありません」


 母はそうやって怒ってきた。


 まあ僕にも否があったかもしれないと改める。


「大体あんたが朝起きれないからって頼んだんでしょ。瑠璃ちゃんに謝りなさい」


 おいちょっと待て。頼んでなんかいない。むしろ来るなと言ったぐらいだ。


「(こいつ変なこと吹き込みやがったな……)」


 瑠璃の方を見れば、僕だけが分かるように悪戯な笑みで舌をちらっと覗かせていた。


 そうとも知らずに睨む母。


「ごめんなさい……」


 大人な僕は、自分が悪くなくても謝ることを覚えた。


 決して、母が怖かったわけでは断じてない。


 本当にない。




 その後は朝食を食べ、余裕を持って家を出た。


 最寄りのバス停からバスに乗り、動物園へ向かった。

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