31話 勉強しなきゃダメですか?
入学後あっという間に4月が過ぎ去り、5月に入ってくるといよいよ中間考査が近づいてくる。
後、数日経てば考査前学習期間がやってくるのだ。
その期間、部活動は原則禁止されている。
さらに部によっては学習会などが開かれることもあるみたいだ。
「もう少しで考査前学習期間だが、泰君は聞いているか?」
部活に行くと皆越先輩が学習期間のことについて聞いてきた。
「まあ、多少は」
「そうか。うちの部は今までは学習会とかなかったんだが、やった方が良いか?」
そう言われても反応に困る。
僕自身、別に勉強が苦手というわけでもないので、しないのならそれはそれで別に良いのだ。
「と言われましても。まあ、みんなでやった方がモチベーションにはつながるかもしれませんね」
「今まで学習会とかやったことなかったんだし、やってみても良いんじゃない?」
以外にも弥久先輩がやる気のようだ。
「それもそうだな。せっかくだしやってみるか」
「うちの部には暗記問題にめっぽう強い秘密兵器もあるしね」
弥久先輩は先生を兵器扱いしているらしい。
ただあの化け物じみた記憶力はそう言いたくなる気持ちもわからなくもない。
「せっかくだし先生も読んでおくか。それと、来週はこの教室で勉強会するので忘れずに来るんだぞ」
『はーい』
なんだかテスト前に勉強会とかするとなると青春の1ページみたいでなんか良い。
勉強するだけだというのに今から不思議と楽しみだった。
「そういえば泰君、文化祭の小説はどんなふうにするか決まったのか?もうそろそろ書き始めないと間に合わないと思うのだが」
進展を一向に話さない僕を心配してか、先輩は訪ねてきた。
「まあ一応。でも、どんなのかはできてからのお楽しみです」
「そうか。なら楽しみ待っておくとしよう。でも、印刷の都合もあるのであまり遅くなりすぎないよう余裕を持って仕上げるのだぞ」
先輩のごもっともな発言に素直に頷いておく。
小説のストーリーについては割と固まってきている。
弥久先輩には申し訳ないが、あの話をベースにさせてもらおうと思う。
と言ってもさすがに、そのまま使うわけではないが。
あくまでも、素材として参考にさせてもらうだけだ。
今まで消費側だった僕がいきなり創造するよりも、土台となる話が有った方がリアリティを保つことができると思ったからだ。
それに、話もぶれにくくなるだろう。
技量が無いのが申し訳ないが、精一杯頑張るのでそこは許してほしい。
皆越先輩にせかされたのも有って、部活が終わって家に帰ると早速執筆にとりかかった。




