212話 重たい愛じゃダメですか?
教室に入ると、瑠璃がすかさず駆け寄ってくる。
「ゆたかぁ〜おはようございます」
いつもは遅刻ギリギリに、と言うか結構遅刻して来るのに今日は早く来ていたみたいだ。
理由は、考えなくても大体わかる。
「はい、これ受け取ってください」
瑠璃も箱を渡してきた。
さっきと違うのは、少し大きいというところ。
僕はそれをそのままカバンにしまって、自分の席に向かう。
「開けないんですか?」
瑠璃が不満そうに言ってくる。
僕の前に立ちふさがって、開けないと通さないと言わばかりだ。
「開ければ良いんだろ」
包装用紙が破れないように慎重に外す。
「泰って変なところで几帳面ですよね」
「ほっとけ」
いっそのこと破り開けて用紙を瑠璃に投げつけたい衝動に駆られるが、僕の中の神経質な面がそれを許さなかった。
別に、大抵のことは大雑把にやっていると思うが、ほらなんか、気持ちの問題?
だから、僕がちまちました人間ということでは断じて無い。
そんなことを考えているうちに綺麗に開き終わった。
そのまま箱を開けると、チョコが入っていた。
「どうです?」
「うわ……きもっ……」
僕は思わずそんな言葉が漏れてしまう。
最低な言動だと自覚はしているが、中身を知っていてもう一回見たとしても抑えられる自信がない。
「なにこれ……」
「え?ただの愛が重たいチョコレート(改)ですよ」
箱の中に入っていたチョコには毛みたいなのが飛び出していた。
「いや……うえぇ」
「安心してください。それはリアルな綿菓子なので食べれます」
「食べれたとしても食べたくない」
瑠璃は突然僕の持っていた箱から、綿菓子?だけを掴み取ると僕の口にねじ込む」
「やめr」
抵抗する間もないうちに口の中に入っていく。
口の中に広がる砂糖の甘さ。
味は普通に美味しい綿菓子だった。
「あ、間違えた。それ髪の毛でした」
「おぇ、ケホッケホッッ」
「冗談ですよ。だいたい口の中でとけるから違ったらすぐわかるでしょ」
わかってても条件反射というやつだ。
ホワイトデーでは絶対仕返ししてやろう。
でも、瑠璃は僕の髪の毛とかだと喜びそうで怖い。




