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ライトノベルじゃダメですか?  作者: 東雲もなか
さよなら、さよなら
211/216

210話 逆チョコじゃダメですか?

「それで、私を読んだ理由をそろそろ教えてもらっても良い?」


 エドが眠そうな顔をしながら言ってくる。


「笑わない?」


「笑ったこと無いでしょ……」


「まあ、確かに。その、バレンタインに男側から送り物するのってどう思う?」


 エドは、少しだけ考えるような仕草をする。


「別に良いんじゃない?」


「そんな適当に⁉︎」


「適当に言ったわけじゃ無いって」


 と笑いながら言う。


 いくら言葉で否定したところで、あの言い方だと適当に答えたようにしか聞こえない。


「私の国ではそっちの方が普通だしね」


 そういえば、エドはイギリスが出身だった。


「やっぱり薔薇の花束とか送るの」


 外国のバレンタインのイメージとしては、花を送るのが印象に残っている。


 確か色で意味合いとかが異なっていた気がする。


「薔薇を送るのもあるけど、日本と同じようにチョコを渡す人もいるよ。あとはカードを送ったりとかも多いね」


 意外と日本の物と変わらないことに驚く。


「他にも食事に誘ったりとかかな。……で、なんでそんなジロジロ見てるのかな?」


 ジロジロ見ていたわけではないのだが、


「エドって学校でモテるんだろうな、と思って」


「え、まあ、それなりに」


 普通こういうときは「それほどでもないよ〜」というところだろう。


 何がそれなりにだよ。


 モテやがって。かーっ、ペッ


「嫌味ですかそうですか」


「嫌味で言ったわけじゃ……そういう泰だってモテるでしょ」


「へ?」


 何言ってるんだろ?


 モテるわけないじゃん。


「ほら、瑠璃ちゃんとか弥久ちゃんとか。他にも周りにいっぱいいるでしょ?」


「あー」


 考えてみればそうだった。


 でも僕が望んでいるのはそういうのじゃない。


 もっとこう……言葉では表しにくいけど


「なんか崇拝される感じの持て方が良い」


「崇拝って言い方。学園アイドルみたいなってことかな?」


「そう、それ」


 エドは僕の顔を見てため息をつく。


「モテるっていうのも大変だよ」


 エドは嫌味で言ってきたのかと思った。


 実際その通りだったのかも知れないが。


「あ……わかるかも」


「なんか少しイラッと来るね」


「言い出したのはエドの方じゃないか」


「そうだけど、ムカつくもんはムカつく」


 なんて理不尽な。



「それで結局どうするの?ゆかりに渡すんでしょ」


 なっ、どうして、って流石にわかるか。


 それほど短い付き合いでもない。


「どうすれば良いと思う?」


「それは私が決めることじゃないかな」


「わかってるよ。そうじゃなくて、何渡せば良いか一緒に考えてってこと」


「それなら喜んで」


 エドはおもむろにスマホを取り出す。


「こんなのどう?」


 見せてきたのは、スマホの画面。


 そこに写っていたのは、某通販サイトのバレンタイン特集ページ。


「真面目に考えてよ!!」


「真面目に考えてるよ。ほら、良く考えてみて。良い?ここに乗ってるのはバレンタインのベストセラー順なの。つまりこれを買っておけば間違いないから」


 そう考えれば、間違っていないのかもと、丸め込まれてしまった。


「まあ、そうかも知れないけど。一緒に見て回ろうよ」


「はいはい、良いよ」



「結局ネットに乗ってたやつ買ったね」


「うるさい、良いじゃん。良さそうなのは値段がちょっとあれだし……そうすると必然と選択肢が限られるわけで」


「悪いとは言ってないけど……じゃあこれで私はもう帰って大丈夫だね」


 エドは駅の方に歩いていく。


「まって」


 呼び止めると彼は振り返る。


 少し離れてしまっていたので、僕は駆け足で彼のもとへ寄る。


「どうしたの」


「これ」


 僕はさっき買ったチョコの袋の中から、小さな包装がされたチョコを取り出す。


「これ」


「泰……私、普通に女の子が好きなんだ。ごめん」


「ちがうから!ほら、付き合ってくれたお礼だよ。瑠璃たちに渡すようにも買ってたから。そのあまり」


「なるほどこれがジャパニーズのツンデレってヤツデスカ」


 確かエドは日本に幼い頃に来てた気がする……


「そういうの良いから」


「ありがとね」


 エドは今度こそ本当に帰っていった。



 僕は皆越先輩に当日会えるか連絡する勇気はなく、たまたま部活に顔を出してくれるのを願うばかりだった。

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