198話 皆越と観覧車じゃダメですか?4
観覧車は最高地点に達した。
今しかない。
僕は、外を見ている皆越先輩の名前を呼ぶ。
一体どうしたのだろうかと振り返る先輩の仕草に緊張が増した。
「先輩、僕……」
早く言わなければ絶好の機会を逃してしまう。
でも、言葉がうまく出てこない。
駄目だと分かっていながら、告白するのは苦しいのだ。
「泰君大丈夫か?顔色がわるが」
先輩はいつもの調子で、僕の心配までしてくれる。
僕は、そんなことでは駄目だと生まれて1番の勇気を振り絞った時。
雰囲気をぶち壊す電話の着信がなった。
皆越先輩ではない。
バイブが僕のポケットから伝わってくることからわかるように、僕のスマホが鳴ったのだ。
慌てて取り出して、誰から掛かってきたのか確認する暇もないまま電話を切った。
「でなくて良かったのか?」
「ええ、大丈夫です」
普段僕に電話を掛けてくるのなんて家族くらいなものだ。
別に今は無視していたところで何ら問題ない。
後で掛け直せば済む話。
「それだったら良いのだが。なにか用があったんじゃないのか?」
先輩はさっきの話の続きを促してくる。
僕は、落ちてしまった気合を入れ直す。
観覧車は少し過ぎてしまったが、それでもまだ高いほうだ。
雰囲気は悪くないはず……
「先輩のことが……」
僕が言い掛けた時、今度は皆越先輩のスマホが鳴った。
先輩は若干気まずそうな顔をしながら、画面を見る。
そして緊張した顔になったように見えた。
「すまない、少し出ても良いか?」
今の先輩を見て駄目といえるような白状者でもない。
先輩が電話に出る。
出た後、より一層焦りは増した。
「ウソ、ですよね……?」
先輩は立ち上がる。
足元で音がしたので見てみると先輩がスマホを落としていた。
「先輩?」
何があったのか聞く意味も込めて先輩を呼ぶ。
「…………」
しかし、先輩は呼ばれたことに気づいていない。
ただたったまま、視線を泳がしていた。
体は、過度のストレスを与えられたときのように震えている。
こんな先輩見たことがない。
「先輩!」
僕はもう一度先輩を呼んだ。
今度はさっきよりも強く。
やっと皆越先輩はこっちに戻ってこれたようで僕の方を向いてくれた。
「何があったんですか?いや、言えないことなら別に良いんですが……」
流石に今のは無神経だったかと反省をした。
「泰君なら大丈夫だ。その……」
皆越先輩は言葉に詰まる。
それはまるでさっきの僕みたいだった。
僕みたい?
(これはもしかして……先輩も?)
同じ気持ちなんじゃないだろうかと、思っていた僕は馬鹿だった。
先輩が十数秒後続けた言葉によって僕は絶望することになる。
「お兄さんが……




