表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ライトノベルじゃダメですか?  作者: 東雲もなか
さよなら、さよなら
189/216

188話 瑠璃とお化け屋敷じゃダメですか?2

 施設内に入ってしばらく進んだ地点。


 辺りは血で薄汚れたよう作られていて、雰囲気のある音楽も流れている。


 その頃の瑠璃はと言うと、一切怖がる素振りを見せてはいない。


「ゆたかぁ〜こわいですぅ〜」


 言葉の割には嬉々とした声で僕の腕にすり寄ってくる。


「怖くなんか無いだろお前。良いから離れろ」


「えー恥ずかしがっちゃって」


 流石に普段からこういうことをされ慣れているせいか、恥ずかしさは感じない。


 代わりに、ただただ鬱陶しい。


 ただ、何かを言ったところで態度を変える気がないのは知っている。


 だからできるだけ構わないことにした。



「それにしても全く怖がらないな」


 もうそろそろ、終わりに差し掛かったときあまりに瑠璃が怖がらないので聞いてみた。


 流石に多少ビクつくこともあるかと思っていたのだがその多少すらなかったのだ。


「え?怖いですよ?私怖いの苦手なので」


 平然な顔して嘘をつらつらと……


「僕知ってるんだけど、毎週心霊特集のDVD借りに行ってるの。それでも否定する?」


「それは怖いもの満たさと言いますか……」


「じゃあ何であんなに嬉しそうに袋を胸に抱いて店から出てくるんだよ」


「……そんなことより、泰も怖の得意なんですね」


 瑠璃が露骨に話題を変えてきた。


「まあ、何回も同じとこ通ればな……。そんなことより、僕もって自分が得意ってこと認めたよな」


「言葉の綾ってやつですよ。それにしても、一切怖がる泰を見れないのも残念ですね」


 瑠璃は頭に手をやって考えている。


 何かよからなぬことをしでかしそうなので、僕は瑠璃を放おって先に進む。


 でも彼女はすぐに追いかけてきた。


「泰、私が泰を怖がらせてあげます」


「遠慮しとく」


 僕がそういったにも関わらず、それを無視して瑠璃は続けた。


「この先って何がありましたっけ?」


 この先?


 確かあと残ってるのって……


「あ、わかりました?」


 この先に残ってるのは唯一つ。


 最後の仕掛けがあるだけだ。


 もしかして……いや、まさかな。


「ところで泰のほっぺって柔そうですよね?勿論、他意はありませんよ」


 本当に他意が無い時に他意が無いとか言わない……


 僕はこれで確信する。


 瑠璃は知っているのだ、さっきの僕と弥久先輩の出来事を。


 なぜ知っているのかはわからないが、そのことに間違いはないだろう。


「絶対誰にも言うなよ」


「えーどうですかね?私口がすっごく軽いので、何か塞ぐのもが無いと難しいかもしれません」


 こいつ、人の足元見やがって……


「……分かったよ」


 背に腹は変えられない。


 あのことが、皆越先輩を含む皆にバレるよりはマシだろう。


 

 いよいよ、その時が来る。


 僕はせめてもと思い目をつむる。


 その瞬間を自分の目で見たくないのだ。


 もし見てしまったら事実を認めてしまう気がしたから。


 そして僕の唇に何かが当たる。


 これは、唇じゃない?


 僕が目を開けると瑠璃の人差し指が目の前にあった。


 さっきの物体の正体はおそらくこれだろう。


「キスされると思いましたか?可愛かったですよ泰の待ち顔」


 瑠璃はいたずらを成功させた子供のような笑みを浮かべている。


 してやられた。


 それともう1つ。


 このときすでに写真撮影が終了していた。



 僅かな可能性に掛けて、出口のモニターに映る写真を見る。


 そこにはバッチリと映るあのときの写真。


 瑠璃は勿論その写真を購入していた。


「あの、瑠璃さんや」


「なんですか?泰さん」


「ジュースでも飲みませんか?」


 僕は自販機の方を指差す。


 これで誰にも言うなと言うことだ。


 つまり口止め料。


「うーん。500」


 500mlの方なら手を売ってやるということだろう。


 それに従うしか無い僕は拒否などできようはずもない。


 と言うより、それで黙っていてくれるというならむしろ安いものだ。


 僕は瑠璃にジュースを買うと、一緒に皆のところへ合流した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ