185話 弥久とお化け屋敷じゃダメですか?
3番目。もとい2番目のくじを引いたのは弥久先輩だった。
ちなみに他の皆はもうどこか他の場所に遊びに行っている。
「先輩はどこに行きたいんですか?」
僕が行きたいところも特別として無いので先輩に選択を委ねる。
「私は、その……」
言いにくそうにする先輩。
もしかしたら言いにくいのではなくて、単純にどこに行くか決めてなかったのかもしれないと思ったが、違ったようだ。
「おばけ屋敷、とか?」
「え?また?」
さっき2回目のお化け屋敷だったので、うっかり声に出してしまった。
自分から聞いておきながら、感じ悪かったかもしれない。
ご飯何でも良いと言っておきながら、出てきたご飯に不満を言っているみたいなものだ。
「嫌なら、別に良いのっ」
踵を帰して、お化け屋敷とは反対方向に向かう先輩。
「待ってください!」
僕は急いで先輩を引き止める。
先輩は、僕の声に反応して立ち止まり、振り返った。
「僕お化け屋敷大好きなんですよねー、ちょうど行きたいと思ってたんですー」
我ながら見事な大根演技だったと思う。
弥久先輩は苦笑いを浮かべながらも、しかし嬉しそうに、
「なら仕方ないわね。1人だと可愛そうだから付き合ってあげる」
「ありがたき幸せ」
先輩は偉そうな態度だったが、雰囲気を壊した僕が悪いのだしこれくらいの権利はあって然るべきだ。
先程と同じくらいの列に並び、程なくして順番が来る。
「次の方……え?」
係員は戸惑いの顔を浮かべる。
連続で3回目。
しかもそのうち2回は違う女性を連れているのだ。
不思議に思わないほうが不可思議だ。
もし僕ならとんだ女ったらしだと思うだろう。
実際係員もそんな表情をしている。
口に出すこともできないのでもどかしさを必死に堪えているようだった。
(すみません)
僕は心のなかで謝る。
でも、僕も被害者なんです。
若干数名にもてあそばれているんです。
そんな謝罪を心の中でしながら、入場した。




