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ライトノベルじゃダメですか?  作者: 東雲もなか
始まりの文芸部
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17話 一緒に居てはダメですか?

「要件と言われましても、たまたま居たから話しかけてみただけですよ」


 こっちはのんびりとした時を過ごしていたのにはた迷惑な奴だ。



「用がないのなら僕はもう帰りますよ。ちょうど本も読み終わったところですし」


「釣れないですねー。むぅー」


 そう言ってエドは頬を膨らませて見せた。


「そうやってむくれて許されるのは皆越先輩のようにかわいい女性だけです!」


 その言葉で何か思い出したように「そういえば……」と話し出すエド


「ゆかりのことなんですけど」


 この時、皆越先輩の話題を出してしまったことを後悔した。

 共通の知り合いなので話しやすく無意識のうちに出してしまったのだろう。


「結構ゆかりと泰君の相性良いと思いますよ」


 突然のことでどう反応したら良いかわからなかった。



「どういう意味ですか?」


 やっとのことでその言葉をひねり出すことに成功する。

 大体、許婚であるエドから言われてもからかわれているようにしか聞こえない。



「どういう意味と言われましても、そのままの意味ですが。泰君ゆかりにも結構好かれているみたいですし」



「婚約しているからって余裕ですね。ちょっと顔が良いくらいで僕を見下しているんですか」


 ついつい性格の悪いことを言ってしまった。それだけ腹が立っているのだ。



「あ……えっと、勘違いしてるみたいですね」


 勘違い?何のことだろうか。今までのところに何か思い違いでもするようなところでもあったのだろうか。



「許婚と言っても私の父とゆかりのお父様が悪乗りしただけですから大した拘束力なんてないのですよ。あの時は泰君の気持ちに気付けず、不快にさせてしまったみたいで。すみません、あやまりますね」


「へーお義父様ねー」


「あの、気のせいですよね? 文字が違った気がするのですが……」


 気づきやがった。


「全然そんなことないですよ」


 ハリウッド俳優も真っ青な演技で白を切る。



 そう言う事ならば……


「なら、エドから先輩を奪ってしまっても良いってことですよね?」


「ほう、そう来ますか。ええ、構いませんよ。できるものならですが」



 目を細め笑って見せるエド。その顔は確かにかっこよく、もし自分が女だったら惚れてしまっていただろう。


 ただし、今の僕には敗北感以外の何物でもなかった。



「そういえば……」


 そんなことを小声で言いながらカバンを漁るエド。



「あったあった、ここに遊園地のチケットが2枚あります。本当はゆかりを誘おうと思ってたんですが、明日一緒に行きませんか。まあ行かないならゆかりを誘うだけですが」


「行かないです。男2人で遊園地なんて気色の悪い」



「ゆかりを誘うにしても、もう少し後なので気が変わったら行ってくださいね」



 言い終わると腕時計を見て「うわっ、もうこんな時間だ」と言って席をたつエド。


 レジへ行くと僕の分の会計までしてどこまでもいけ好かないやつだ。



 ふとカウンター席を見てみると忘れられたチケットが2枚仲良く並んでいた。


 エドが皆越先輩といけなくなるように持ち帰ってやった。


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