175話 戻ってきちゃダメですか?
インターフォンに映っていたのは瑠璃だった。
嫌々ながらも一応、玄関のドアを開ける。
瑠璃を無視したらいつまででもその場に居座っていそうだったから。
流石にそれは近所の目もあるので避けたい。
それに僕が入れなかったとしても家族が帰ってきたら皆何故か瑠璃を気に入っているので家に入れるだろう。
ならば、今僕が開けていたほうが得策に思えた。
「泰どうしたんですか、心配したんですよ」
僕がどうした?
どの口がそんなことを言うのか?
「お前……」
僕はこみ上げてくる怒りをぐっと堪える。
ここで感情的に動いたとしても何も変わらない。
それどころか悪い方へ転がってしまう。
「えいっ!!」
僕は思わず驚く。
突然、瑠璃が飛びついて僕の首に手を回してきたのだ。
今の状況を簡単に言えば瑠璃が抱きしめているようになっている。
「ど、どうしたんだ?」
さっきまでの事も忘れ、動揺してしまう。
そして何故だか目頭が熱くなってくる。
「大丈夫ですよ。私は居ますから……」
瑠璃はそれに気づいているのか知らないが、言葉と同時に腕に力を込めてくる。
僕はその暖かさに包まれて、安心することができた。
安心しているはずなのに……
なのにどうしてこんなにも涙が出てくるのだろうか。
「全く。泰、顔がぐちゃぐちゃじゃないですか」
「だって……」
「そんな泰に良いニュースと良いニュースがありますよ。どちらから聞きた聞きたいですか?」
「じゃあ、最初の方」
普通こういう時、片方は悪いニュースなのだが……まあ瑠璃らしい。
僕としても、両方良いニュースのほうが嬉しかった。
「まず1つ目が鬼頭さんが意識を取り戻したそうです」
「本当にかっ!」
僕は瑠璃の両肩を掴み揺すった。
「本当ですよ。あとそんなに激しくしないでください。あっ……」
「変な声を出すな。それで、本当に嘘なんかじゃないんだよなっ」
「だから本当ですって。そんなに信用できないなら明日にでも会いに行けば良いじゃないですか。私もあってきましたよ。だいたい彼女に呼ばれたわけですし」
鬼頭さんに呼ばれた?
もしかして、あの時スマホを見てたのって。
でも、瑠璃に鬼頭さんとの接点なんてあったのか?
「何を言いたいかわかる気がします。何で私が彼女から連絡をもらうかですよね。だって鬼頭さんは私のファンみたいでツイッターのフォロワーですからね」
衝撃の事実をさらっと告白してきた。
「え?ああ、うん。え?」
「そういうことですよ。それでもう1つのことですが……




