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ライトノベルじゃダメですか?  作者: 東雲もなか
つかの間の日常
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159話 私が誘っちゃダメですか?

 バスに乗って家に帰る途中、スマホのバイブが震える。


 確認してみるとさっき弥久先輩が言っていたように、皆越先輩からのLINEだった。


 内容は本当に明日のお誘いだった。


 それ以外のことは特に書かれていないシンプルなものだ。


 その日の夜は遠足の前の小学生のごとく寝るのにかなり時間がかかった。



 朝目が冷める。


 うっすら目を開けても部屋はまだ薄暗い。


 目覚まし時計で確認してみるとセットした1時間前の4時だった。


 普段なら2度寝するところだが、今日はそんな気は起きない。


 昨日も根付くのは遅かったので決して眠くないわけでは無いと思うのだが、不思議と目は冴えていた。


 こうして、ベッドに入っていても仕方が無いので部屋を出て顔を洗う。


 台所の棚にあった食パンを適当に食べて朝食を済ませた。


 昨日のうちに準備しておいた服に手を通し、歯磨きをして髪型を整える。



 時間を見てもまだ5時。


 流石に早いと思って、持ち物の確認をしていたがいても立ってもられなくなって、家を出ることにした。


 待ち合わせ場所の駅についても時間が早すぎるだけあって、皆越先輩どころかそもそも人通りが少ない。


 それから時間までの数時間を右往左往、挙動不審に行動していたら周りから奇異の目を向けられた。


 そりゃそうだ。通報されなかっただけでもましだ。



 だいぶ人も増えてきた頃、こっちに走ってくる人がいた。


 皆越先輩だ。


 優しく揺れる紺色のボリュームスカートに白のニット。


 肩から下げた赤いカバンがちょうどワンポイントになってバランスが整っている。


 普段の制服姿ももちろん似合っているが、これも新鮮味があってグッと来る。


「随分早かったみたいだな。そんなに楽しみだったか(笑)?」


 先輩は僕が握っていた缶コーヒーを見てからかってくる。


「楽しみでしたよ。とってもっ」


 ここで引いたら負けだと思って対抗する。


「それは良かった」


 先輩は屈託ない笑顔を僕にしてくれた。


 僕はそれにドキドキしてしまう。


「そ、それで今日はどこに?」


 まだどこに行くかは聞いていない。


「泰君に合わせたい人がいてな。ちょっとついてきてもらうぞ」


「合わせたい人?」


「ああそうだ。まあその人もこっちに来るのが難しくてな。なのでついてきてほしい」


「そういうことでしたら構いませんよ」


「ちょうど電車が来たみたいだから、続きは移動しながら話そう」


 先輩は改札を通り電車に乗り込む。


 僕も後に続いた。



 車内は満員では無いもののそこそこの人はいた。


 しかし幸いに2人分空いていたので僕たちはそこに座ることにした。


 皆越先輩の近くに座ると、甘くていい匂いがするなんて考えていると、先輩が話しかけてきた。


 僕はそんなことを考えていたなどさとられないように全力で取り繕う。


「今日あってもらいたいの人なんだが、思えているか?私の兄さん何だが。もちろん本当のでは無いぞ」


 ということは、前海岸で話してくれた人のことなのだろう。


「どうしても会いたいって言っているからな」


 だが、不思議に思ったことがある。


「そんなに会いたかったなら今まで会いに来れなかったんですか?」


「その、言いにくいのだが少し難病を患っていてな。今は病院に入りっぱなしなんだ。だからそこへ向かっている」


 僕は何を言ったら良いのかわからず、言葉に詰まる。


 それを察したのか皆越先輩はあえて明るめの声でフォローしてくれた。


「まあ、難病と言っても直ぐに死ぬわけじゃ無い。今は割と安定していて元気だぞ」


「それは良かったです。僕も先輩のお兄さん?に少しあってみたかったので」


 気がつくと電車は大学病院の近くの駅まで来ていた。

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