154話 ゲームセンターじゃダメですか?
「様々な音楽がうるさく鳴り響く店内。さすがパチンコ店ですね」
「ゲームセンターだよっ!」
僕は思わずツッコんでしまう。
瑠璃はそれに満足そうにしているので、僕はツッコまなければ良かったと後悔していた。
そう、僕たち2人は今ゲームセンターに来ていた。
その理由は言わなくてもわかるだろうが、もちろん瑠璃が行きたいから連れて行けって言ってきたからだ。
「それにしても何でわざわざ部活休んでまで放課後来なきゃいけないんだよ」
「だって、部活行ってたら遅くなって来れなくなるじゃないですか」
「僕はそういうことを言ってるんじゃなくて、休みの日とかでも良かったんじゃないかってことを言ってるんだよ」
大体、遅い時間以前に制服で来ること事態がどうかと思う。
「だって、良く放課後ゲーセン寄ろうぜ!ってノリがあるじゃないですか」
たしかによく見るけど……
「まあいいや、それで何するんだ」
今更どうこう言っても仕方がないしな。
どうせなら楽しもうと気持ちをシフトする。
「やっぱりこういう時はクレーンゲームだと思うんです」
瑠璃がそう言うので僕たちはクレーンゲームコーナーに移動する。
「見てくださいこの黄色いくまさん。大きいですよ」
瑠璃は著作権にうるさい黄色いくまさんを指差していた。
「そうだな」
「大きいですよ?」
瑠璃は、黄色いくまさんではなく僕の顔をじっと見てくる。
こいつは僕に取れと言ってるのだろうか。
「僕は取らないからな」
「別にそんなこと言って無いですよ。だだ、くまさんおっきくてかわいいなーなんて?」
瑠璃は、わざとらく首をかしげて可愛こぶってる。
なんか「きゃぴっ」とか言ってる。
くそっ、何でこんなことやってるのに可愛いんだよ。
「もう、わかったよ……」
僕は、財布から1枚100円取り出して機械に入れた。
「500円だったら6プレイできるみたいですよ?」
「良いんだよこれで」
瑠璃は本当かな、心配そうな顔をしている。
まず、レバーをいじってアームを横に移動させる。
ちょうど左足くらいの位置に。
そして横がわから見てアームを奥に移動させる。
「あー、そこだとつかめないですよ〜」
「瑠璃うるさい」
僕は降下のボタンを押す。
アームの右端が黄色いくまの左足にギリギリ当たる位の位置に降りてきた。
そしてアームが閉じる際に足を引っ掛けて体を傾けると勢いそのままに取り出し口の方へ転がり落ちていった。
「わー凄いです。さすが私の泰ですね」
「お前の僕じゃないよ」
瑠璃は僕の言葉なんか聞かずに黄色いくまさんにスリスリしている。
「よーよしよし。今日からお前の名前は雪本泰です。良い子にするんですよ」
「勝手に僕の名前をつけるなよ」
「え?でもそんなこと言ったら、全国に泰君なんていっぱいいますよ」
なんか口が達者なのがムカつく。
「勝手にしろ」
僕は唇を尖らせて、ふてくされた表情をした。
別にそれほど怒っている訳ではないが、なんとなくだ。
「全く〜怒らないでくださいよ。ほら次行きますよ!」
瑠璃は僕が演技しているのが、わかってるのか知らないが次の場所に行ってしまった。
僕はそれを慌てて追いかけた。




