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ライトノベルじゃダメですか?  作者: 東雲もなか
つかの間の日常
149/216

148話 〇〇の秋じゃダメですか?

「もうすっかり秋ですね」


 いつもの部室、いつものメンバー。


 いつもの雑談を始めたのは僕だ。


「ですねぇ〜」


 瑠璃は窓から差し込んでくる光をガラス越しに浴びながら気持ちよさそうにしている。


 体育祭が終わると若干気温も落ち着いてきて、ポカポカと心地よさを感じるようになった。


「そう言えば皆さんは何々の秋とかあったりするんですか?」


「私はもちろんラノベの秋だな」


 皆越先輩にも聞いた僕が間違っていたかもしれないと思う。


 そりゃそうだよなといった結果。


「ゆかり、それいつものことじゃない。だったら、何々の秋には入らないわよ」


 弥久先輩が的確なツッコミを飛ばす。


「それだったら弥久はなんの秋なんだ?」


「え⁉私?えっと、そうね……」


 まさか自分に振られるとは思っていなかったのかしばらく考え込む。


「文学、かしら……」


「なんだかそこで正直にラノベと言わないあたりが弥久先輩らしいですね」


「良いでしょっ、嘘はついてないんだから」


「別に悪いとは言っていませんが」


「…………」


 こうなると瑠璃のことも気になってきた。


 なので彼女の方を向いてみる。


「私ですか?」


「うん、なにかある?」


「そうですね〜私は……」


 瑠璃が答えようとしていると、部室の扉がキーッと音を立てて空いた。


「瑠璃、水筒教室に忘れたままだったよ」


 水色の水筒を持って立っていたのは、加納美幸だった。


「あーすみません、ありがとうございます」


「それじゃ、私は行くね」


 加納の用事はそれだけだったようで、さっき開けたばかりの扉を閉めようと手を掛ける。


「あ、ちょっとまってください」


 手をかけたのだが、それを一旦外した。


「ん?どうしたの?」


「美幸は秋といえば何をしますか?」


 突然のことで状況がつかめていなさそうだった。


「ちょうど何々の秋か皆に聞いてたんだよ。別に真面目な話題じゃないから」


それを聞いて理解できたのか、少し考えると答えてくれた。


「私だったら、食欲の秋かな?」


 それを聞くと、ここの変人たちとは違って普通の人と会話をしている感がある。


「べっ、べつにいっつも食べてるってわけじゃないのよっ。強いて言えば、強いて言えばなんだからねっ」


勘違いさせないようになのか知らないが、別にそこまで深く考えてない。


 ただの雑談だし。


「私達、そこまで聞いてませんよ。それとも何か自分の中にそうやってごまかして置かないといけないと思う原因でも?」


 瑠璃が心臓にカミソリを這わせている。


 本人には自覚はないようだ。


 彼女はもしかしたら天性のドSなのかもしれない。


「ーーッ」


 加納は顔を真赤にした後、今度こそ出ていってしまった。


「あれ、何で出てっちゃうんですか?」


 僕たち部員に向かって顔をかしげてくるが、お前のせいだよと言ったら負けな気がするので黙って置いた。


 これ本気で言ってるわけじゃないよね?


「で、結局瑠璃はなんなんだよ」


「ああ、そうでした。私は執筆の秋ですよ」


「まあ、そうだろうなと思った」


 なんだか、いつもやってることと変わらず特別秋を感じられるものは誰一人いなかった。


 え?僕?僕はもちろん読書の秋だよ。


 悪かったね一番オーソドックスで。

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