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ライトノベルじゃダメですか?  作者: 東雲もなか
体育祭編
142/216

141話 ワルキューレじゃダメですか?

 1年生の各クラスが、入場してくる。


 その中で唯一異彩を放つクラスが1つ。


 我らが1年2組だ。


 なんかもうワルキューレの騎行が聞こえてきそうなほど整った足並みからはきれいに揃った足音がドスドスと響いている。


 その光景を見た他の生徒たちは、怯えているように見えた。


 いや、そんなわけないや。


 怯えてはいないながらも「何だあいつら」って感じで見られていた。



 まずは、1組と2組の試合。


 否、戦じゃおらーー


 これで勝った方が次に進める。



 2つのクラスが縄の前に並ぶ。


 1組が規律が取れていないわけではない。


 いやむしろ高校生にしては、よくできている方だろう。


 しかし2組と比べると分が悪い。


 彼らは足先の逆剥けから、髪の毛の先に至るまで同じ角度で立っている。


 そこからは、整頓された美しさではなく不気味さや気持ち悪さを感じられる。


「ピーーッ」


 先頭が切れよく笛で合図を出すと、それだけでコンマ1秒のズレもなく皆は体操座りをする。


「あ、あのー。座る合図はこちらの方で出すので……その、ヒィッ」


 注意をする係の女子は、笛をふた張本人に見られて、悲鳴を上げる。


 別に睨みつけているわけでもなんでもなくただ見ているだけだ。


 彼は、勢いよく立ち上がると係の人に向かって敬礼をした。


「申し訳ありませんでした!サーッ!こちら、出席番号1番!安倍孝之(たかゆき)であります」


 謝っては居るのだがそれにまた怯えていた。



 はい。ここまでくればわかっている方も居るかと思いますが、そうです。


 僕たちは悪ノリしています。


 はじめのうちは、委員長に怯えこの態度を取っていたのも事実ですが、だんだん楽しくなってきてしました。


 ブロックカラーが何故かオリーブグリーンだったこともそれに拍車をかけました。


 まあ、と言っても全てが悪ノリってわけでもなく委員長への恐怖と悪ノリが8対2くらいですかね。


 何はともあれ、僕たちは綱引きをするだけなのに殺気が溢れ出しているのでした。



「い、位置について……」


 係の人が、仕方なく合図を出した。


 両クラス共に、かがんだまま綱を両手で握る。


「パンッ!」と音を立ててスターターがなったと同時に勝負は決していた。


 審判の女の子も、まさかここまで早く勝敗が付くとは思ってなかったのだろう。


 終わりの合図にもスターターを使うのだが、鳴らした後ですぐ鳴らせずあたふたしている。


 その間にも、1組はどんどん引きずられて行く。


 慌てて「止まってくださーい!」と声で言われるが、その指示は届かなかった。


 ようやく、スターターを鳴らせた頃には十数メートルは引きずっていた。


「あれ、もう終わり?」「あ、ゾーンに入ってたみたいで気づかなかったわ」


 とか言っている。


 僕はこの中にいなくてよかったと思った。


 え?僕は、人数合わせで外から応援していたよ。


 ハブられてないよ、応援だよ。


 その証拠に次はちゃんと出るよ。



 と思っていたのだが、ほかチームが棄権したため、僕たちが優勝になりました。


 なので僕は、綱引きできていません。


 別に悲しくないもん。

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