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ライトノベルじゃダメですか?  作者: 東雲もなか
体育祭編
139/216

138話 スクワットじゃダメですか?

「で、練習って何すれば良いんですか?」


 僕たちは運動場に移動していた。


 流石に瑠璃はここまで来て諦めがついたようで、素直に従っていた。


「そう言えば考えてなかった」


「よし、わかりました。なら、今日はこれで終わりにしましょう。明日また何するか考えてからやった方が効率的です。それでは解散さようなら」


 瑠璃はまくしたてるように言い終わると早足でこの場を去ろうとする。


「待て待て待て」


 さっきは、止めても逃げた瑠璃だったが今度はそうはしなかった。


「なんですか」


 代わりに、凄く不機嫌そうな顔をしている。


「いや……悪かったと、思ってるよ?」


「なんで疑問符が付いてるんですか?せめて感嘆符にしてください!」


「そこは関係無いだろ……まあいいや、とりあえず走るか。運動場10週くらい?」


「私にそんなことできると思いますか」


「ごめん冗談だよ……」


「大体、長距離を走るのと短距離を走るのでは使う筋肉は全く別物ですよ。もっと考えてものを言ってください」


「ごめんなさい……」


 それにしても、やけに詳しいな。


 小説書くための知識とも取れなくは無いが、それだとあまりに都合が良すぎる気がする。


「もしかして、瑠璃みんなのために勉強してたの」


 それが図星だったようで、瑠璃は顔を赤くする。


「別に良いじゃないですか。だって先輩はああ言っていましたが、迷惑はかけたくないじゃないですか。体力はそうすぐ伸びるものでは無いですけど、せめて頭くらいは使わないといけないと思っただけです」


 あれれ?こいつってもしかしてツンデレだったりするのか。


「もしかして私のことツンデレとか思ってませんか?勘違いしないでくださいね。私は泰に対してデレデレですからね」


 判断が難しいが、これはツンデレ?では無いかな。多分そうだと思う。



「じゃあ何するんだよ」


 自分が案を出しても、どうせまたなんだかんだ言われると思って瑠璃に聞く形を取った。


 まあ、そもそも何も考えてなかったのだ。



 これが懸命な判断だろう。


「そうですねー、こういうのはどうですか?」


 瑠璃は自分のスマホを出すと動画を見せてくれた。


 それはいわゆる手つなぎスクワットと呼ばれるやつだった。


「やっぱりスクワットが短距離を走る上では効果的だと思うんですよ」


 明らかに手をつなぎたいだけの口実だと思うのだが……


 元に、目が授業中の死体のような目じゃない。


「ささっ、やりましょう」


「う、うん」


 僕は、言われるままに瑠璃に手を取られる。


 そして瑠璃の合図で始めた


『痛ったーー!!』


 察しが良い人ならわかっているかもしれないが何が起こったか説明しておくと、始まってすぐ2人で互いの足を蹴り合ってしまったのだ。


 このスクワットは、右足、左足の順で前に蹴り出したあとにしゃがんで立ち上がるまでが1セット。


 そもそも2人でやるものでは無いのだが、それを向かい合ってやってしまうとどうなるかは簡単にわかるだろう。


 まあ、それに気づかなかった僕たちなのだが。


 それにしても、脛が痛い……


「このこと、なんていうか知ってるか?策士策に溺れるって言うんだよ」


「知ってますよ、それを私に言うって意味わかってますか?小説を嗜む私を2方向から馬鹿にしてますよね?」


「そんなのお前の考え方しだいだろ」


「やっぱりしてるじゃないですか!」


 自分でからかって置いてなんだが、思ったよりめんどくさかった。


「あーー、もうこれにこりたら、策を弄するのはやめろ。わかったな」


「ぶー、わかりましたよ。もう足が痛いのは嫌ですし」


 僕だって、嫌だよ。


「なんか、もう今日はやめとくか。だいたい、足が痛くて走れないし」


「そうですね。また明日やれば良いですよ。先人は偉大な言葉をのこしています。明日できることは明日やればいい。本当に明日が来るかどうかなんてわからないんですから」


「そうだな、明日地球が滅ぶかもしれないからな」


 まあ、走りたくないからと世界に滅ばれたら溜まったものではないが。


 何はともあれ、僕たちは明るい道を帰った。


 互いに蹴られあった左足を引きずりながら。



「それにしても、こんなに思いっきり蹴ること無いよな……」


 あれからしばらくたったというのに、まだズキズキと痛んでいる。


「それだけアイツなりに、頑張ってるのかな……」


 でも、もう少し手加減はしてほしかったな……

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