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ライトノベルじゃダメですか?  作者: 東雲もなか
体育祭編
136/216

135話 バックボードじゃダメですか?

 個人種目が無い人たちも、一日中ぼーっと座っているわけでは無い。


 強制参加の全員種目や演技種目なんかはみんなが参加するのだ。


 そしてバックボードなんかその代表的例だろう。


 俗に言われる陽キャたちは前に出てダンスをしているが、僕たちは後ろの影に隠れて色紙をペラペラしている。


 流石に説明が適当すぎる気がするが、大きく間違っているということも無いだろう。



「はーい、じゃあ端の人はボード回してー」


 指示を指しているのは生徒会長。


 本来、バックボード長が居るはずだが体調を崩したみたいで来ていない。


「あー、それと報告があります。バックボード長体調がかなり悪いみたいで、本番来れそうにないそうです。なので代わりに役割を担ってくれる人いませんか。もちろんその頑張りが評価されれば内申に繋がりますよ、バックボード長の」


 いやいやいや、何?本人の手柄にならないの?


 誰もやらないでしょそれ。


 まあ当然ながら、誰も立候補する人はいない。


「ここで手を上げてくれる人かっこ良いと思うなー」


 そんなのが通じるのはせいぜい小学生までが良いところだろう。


 っていうか、逆にここで手を挙げるなんて恥ずかしくてできなくなるだろ。


「そっか、誰もいないか……。じゃあ雪本泰で。お願いね」


「おいちょっと待て、なんでそうなる」


 何故僕なのだ。


 でる競技を極限まで少なくして楽しようとしたのに、これじゃあそれが水の泡になる。


「だって暇でしょ」


「ぐっ……でもだな良いことを教えてやるよ。人間は他人の幸福のために金を払わないが、不幸のためなら喜んで払うんだぜ。例え人を幸福にするときに必要な金よりも多かったとしてもだ。何が言いたいかわかるか?つまり僕が喜んでその仕事受けるわけが無いだろ」


「うっわ。さいてー。みんな見なさいこれがクズ男よ」


 勝手に言ってやがれと思ったが、思った以上に周りの視線が痛い。


 みんなノリノリだ。


 ブーイングまで聞こえてくる。


 その声がはずんで聞こえるので、別に本気で思っているわけでは無いと思うが普通につらい。


「泰そういう人だったんですね。見損ないました」


 瑠璃は反対方向を見てそう言ってきた。


 こっちを見てないのはきっと笑いをこらえているからだろう。


 証拠に肩が震えてる。


「わかった、わかった。やるよ。やれば良いんだろ」


 それを待ってたと言わんばかりの喝采。


「いやー、君ならやってくれると思ってたよー」


 生徒会長は棒読みでなんか言っている。


「泰のこと信じてましたよ。大好きです」


 瑠璃が両手を広げ飛び込んできた。


 このままだとどちらも怪我するので仕方なく、仕方なく受け止めた。


 こうして無理やり、バックボード長をやらせられることになった。


 せめてもっと楽な仕事が良かった。


 これも、楽をしようとした罰なのかもしれない。


 次があったら適度に楽ができるくらいを目指そうと思った。

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