126話 恋バナはダメですか?
さっき叫んだあとも、寝れないとは思いつつもとりあえず目をつむっておとなしくしていた。
ただし、それだけでもつらいものがあるのが現状だ。
「泰、まだ起きてるか」
正明が話しかけてきた。
大介はいびきを掻いて寝ている。
めんどくさくて無視しようかとも思ったが、一応返事をしておいた。
「どうしたんだ」
「いや、大したことじゃないんだけど寝れなくてな」
そりゃ寝れないだろうなと思いつつ、なにか続ける様子なので黙っておく。
「お前、瑠璃のことどう思ってるんだ?」
「は?」
言っている意味がわからなかった。
「は?じゃ無いだろ。もしかしてなんとも思って無いとか言わないよな」
瑠璃のこと……僕はどう思っているのだろうか。
ちょっとウザい、最初はそう思っていたが、最近ではなれたせいなのか知らないがそれほど嫌ではない。
「別になんとも思ってないってわけでは無いと思うけど、良くわからないな」
はっきりとしない態度に深い溜息をつかれた。
「そんなんだったら、瑠璃に失礼だろ。真剣に向かってくる相手に対してそれで良いのか?」
仮に、僕が瑠璃を本気で振ったらどうなるのだろうか?
今までどうりくっついて来るのだろうか?
変なところで真面目な彼女だ。もう今までどうり接してくれないかもしれない。
でも良いじゃないか。
面倒が1つ減るだけ。悪いことじゃない。
と思うのに、それを想像するとなんでこんなに寂しいのだろうか。
「悪い、お前も考えてるよな。色々」
「……」
「これはただの独り言だけどよ、瑠璃とお前意外とお似合いだと思うんだ。普段一緒にいると彼女はもちろんだが、お前もなんだかんだ言って楽しそうだからな。見ててわかるよ」
瑠璃のことを好きか、嫌いかで言えばもちろん好きだ。
しかしそれは、恋愛感情と呼べるものでは無いというのも自覚している。
それに、
「悪い、僕好きな人居るんだ……」
「そうか……ならなおさら自分の気持を言わなきゃダメだろう」
「わかってるよ。ただ、それを今言ったらどうなる?僕は今の関係を壊したくない」
「言いたいことはわかるが、何時までもそのままで入れると思うなよ。だいたいそれは、確実にお前のエゴだ」
「ああ、わかってるよ……」
瑠璃のことだけでない、そのままにしておけない問題はもっとあるのだ。
「・・・・・・悪い。口出しすぎたな。どうせここまで言ったんだもう一つだけ言わせてくれ。人間の手はちっさいんだ。全てをつかめるわけじゃない。二兎追う者は一兎も得ずとまでは言わないが、二兎追ったところで得られるのは一兎が山の席だ」
僕はその言葉を噛みしめる。
今直面している問題は難しい。
どれも欲しくて選べないのではなく、どれも失いたくなくて捨てれないのだ。
その覚悟がない。
「僕はどうすれば良いんだろうな……」
自分で考えろ友いわれそうだったが もしかしたら、答えてくれるかもしれない。
そんな淡い希望でつぶやいたのだが、答えてくれなかった。
怒らせてしまったかと焦ったが、寝息が聞こえてきたのでどうやら寝てしまったらしい。
気がつけば、さっきよりは涼しく寝やすくなっている。
だけど一向に寝付けないのは何故だろうか……




