125話 最下位じゃダメですか?
わかる道まで戻りだしたのは良かったが、気づかないうちに結構奥まで来ていたようでかなり時間がかかってしまった。
それに加え、最後の方にわかったことだったが僕たちは目的地と逆向きに進んでいたらしく、ほぼスタート地点まで戻ってきてしまった。
その頃にはもう残り時間もわずかで、最初のチェックポイントに行くことはできなかった。
代わりに1番近くにあった場所だけ行ってスタンプを押すことができたのだが、初めに指定されたチェックポイントに行ってないので失格になってしまった。
「ちぇ、泰のせいで最下位だな。お詫びに今度なんか奢れよ」
文面だけを見ればきつく聞こえてしまうかもしれないが、正明は割と軽いノリで言っている。
まあ、迷惑をかけたし今度売店で昼飯くらい奢ってやるかと思っていたその時、
「泰をいじめないでくださいっ」
瑠璃が割って入ってくる。
僕たちはじゃれついてただけなので、空いた口が塞がらない。
「いや、僕たちは・・・」
「そうだわ、やめなさい」
加納も便乗してきた。
というか、彼女に関してはそもそも言えた義理じゃないだろう。
『……』
気まずく無言で僕と正明は視線を交わす。
「すまん、泰。俺が悪かった」
場を収めるために大人な行動を取る正明。
「(本当にごめん。うちの奴らが)」
「全く、謝るくらいなら最初からしなければ良いんですよ〜」
自分の手柄だと思ったのか、機嫌よく正明の背中をバシバシ叩く瑠璃。
正明は当たりどころが悪いのか軽く咳き込んでいる。
引きつった笑顔は今にも崩れそうだった。
これは、もう大盛りを付け足さないと許してくれないかもしれない。
大体その笑顔ををこっちにむけんなよ。
こえーよ!
その後は夕食、入浴をすませミーティングになった。
ミーティングでは集計の終わったフィールドワークの結果発表があった。
もちろん僕たちは最下位だったのだが、もう1グループ同列最下位だったのには驚いた。
それからは、明日の説明などもあっていたが事前に聞いていたことが殆どで特に変わったことは言っていなかった。
部屋に戻り、寝ようと思って異変に気づく。
蒸し暑くて寝れそうもなかったので、クーラーを入れようとしたのだが入らないのだ。
「あーこれ、壊れてますね」
管理人を呼んで見てもらったがダメだったみたいだ。
「えっと、僕たちはどうすれば……」
「仕方がないので、今日は窓を開けて寝てください」
「え、でも、暑くないですか?」
「いえ、外は意外と涼しいですよ。山の中ですし」
納得はできなかったが、無理やり言いくるめて出てってしまった。
仕方がないので、窓を開けて寝ることにする。
「……寝れるか――――!!」
寝れない。
蒸し暑すぎる。
大体昼あれだけ雨が降って湿度がめっちゃ高いのだ。
せっかく風呂にも入ったのにもう汗でベトベトで気持ち悪かった。




