117話 間に合わなくちゃダメですか?
皆越先輩と瑠璃に合流できたのは、ちょうど花火が終わったときだった。
あの出来事のせいにしたいわけでは無いが、でもそういうことだ。
「まったく遅いですよ!もう花火終わっちゃったんですけど」
唇を尖らせて不満を吐くのは瑠璃だ。
「せっかくいい場所を君が見つけてくれたのに残念だったな」
遅れたのは完全に僕たちのせいなのだが、そのことはおくびにも出さないでおく。
「混んでたので」
適当に言い訳をしたのだが、先輩は信じてくれたようだ。
「今度この埋め合わせは必ずしてもらいます」
瑠璃が遅れた罰だと言うように要求をしてきた。
瑠璃がめんどくさいのは知っている。
だからこの場合、素直に言うことを聞いておいたほうが結果としては得だ。
「ああわかったよ。またみんなでどっか行こうな」
「違います」
「違う?」
もしかしてどこか行くのではなくなにか奢れとか、そういうのだったのだろうか?
「なにか食べたいものでもあるのか?」
「それも違います。人の話は最後まで聞いてください」
当たり前の注意を受けて、黙る僕。
それを見て納得した様子の瑠璃は話しだした。
「みんなとではなく、泰と2人が良いんです。まあ、どうしてもって言うなら……みんなと行くのと、2人だけの、両方行ってあげても良いですけどね」
要は、みんなで行くのも楽しそうだからやっぱり両方連れて行けということだ。
読み間違えたばっかりに用事が増えてしまった。
というかあの言い方だとわかりにくい。
きっとわざとやっているのだろうが、このツンデレめ。
まあ、僕も夏休みはちょうど予定が開いてるし、やぶさかでは無いけど。
僕の予定は蜂の巣のように開いてるからね(涙目)
「そう言えば弥久は大丈夫か?さっきから元気が無いようだが」
確かにそうだなと思いつつ、まあ当然でもあるかと後ろに居る弥久先輩を振り返る。
すると先輩はちょうど倒れる直前だった。
僕と皆越先輩は慌てて、弥久先輩を支える。
そして、皆越先輩はなにかに気づいたようだった。
「ちょ、弥久熱いじゃないか!」
それを聞いて今更ながら思うと、たしかに普通の体温では無いかもしれない。
僕も熱いことは知っていたが、それはあのことが原因だろうと思っていた。
「大丈夫か?熱があるなら無理せず言ってくれたら良かったのに」
でも実際は、熱があったから体が熱くなっていたという単純な理由だったようだ。




