107話 皆越ゆかりじゃダメですか?2
あれから数日がたった。
しかしヒカリお兄さんがくることはなかった。
私は、あれは建前だったのかと子供ながらに悟り、諦めていた。
もしすでに尋ねて来ていたとしても、きっと親やお手伝いさんに返されたのに違いない。
そうだ。あの人は来なかったのではない、来たけど会えなかっただけだ。
そう思い込むことにして、心にけじめを付けた。
朝起きて、朝食を取り、歯を磨く。
着替えは未だに手伝ってもらって着ていた。
着替えが終わった流れでそのまま髪を櫛で解かしてもらう。
私はこれがあまり好きではない。
本当は短いほうが良いのだが、1度自分で切ったときに凄く怒られてからは素直に従っている。
どうせなら、もう少し優しく梳いてほしいのだが私のことは無視して力ずくなので少し痛い。
我慢できないほどでは無いので我慢していたが。
身支度を整えると平日ならば学校へ行く。
しかし、今日は休日なのでその限りでは無い。
と言っても、休日とは名ばかりで平日とやること自体はそんなに差は無いのだが。
身支度を済ませた私は、勉強部屋に移動する。
いつもどおり先生がくる10分前に席に付き、黙想をする。
普段は時間ギリギリに先生がくるのだが、今日は違った。
廊下から足音が近づいてくる。
もしかして、あの先生から別の先生へ変わったのだろうか?
それならば、嬉しいなと思っていた。
私が席について椅子も温まらないうちに、扉は開かれた。
「やぁ、ゆかりちゃん久しぶり。覚えててくれた?私のこと」
私は閉じていた目を開いて声のする方を向く。
そして、閉じていた分バランスを取るかのように大きく目を見開き驚く。
なにを隠そう、そこに立っていたのはヒカリお兄さんだったのだ。




