102話 休憩しちゃダメですか?
お皿洗いも恙無く終わり、中庭で休憩をしているときのこと。
「そう言えば、弥久先輩って泰のことが好きなんですよね」
瑠璃の突然の質問に心臓が飛び出しそうになる。
「ゲホッゲホッ……」
つい、飲んでいたペットボトルのお茶を気管につまらせて咳き込んでしまった。
なんで知ってるのか、まず思い浮かんだ考えに思わずゆかりの方を見る。
「どうした?私は何も行ってないぞ」
もしそれが嘘だとしたなら、彼女のことだ、わざとらしくしらでも切るだろう。
しかしそれをしない。つまり本当にしらないということだ。
「先輩隠せてるとでも思っていたんですか?」
「ぐっ……」
私は踏み潰されたカエルのような声を出す。
「大体、泰ですら気づいていると思いますよ」
それは非常にまずい。
何がまずいかうまくいえないが、私に取って都合が悪いことだけは分かる。
「それ、何か勘違いだったりしない?」
「あんなにわかりやすいのにばれないとでも思ってたんですか?」
そんなわかりやすくしていたつもりは無い。
そもそも、ゆかりへの気持ちも知っているのだ、むしろ隠そうとして当然だろう。
「はぁ、隠していてそれですか。全然自分のこと分かって無いみたいですね。わかりやすく教えてあげますよ。先輩はいわゆるツンデレ系ヒロインです」
「は?そんなんじゃないから」
私をあんなのと一緒にしないでほしい。
「まあ、別に先輩がどう思っていようが事実は変わりようがないので良いですが」
「事実とかそんなの無いから」
「はいはい。そうですね」
瑠璃はまるで取り合おうとせずに適当に受け流す。
これだと私が本当にツンデレみないになってしまうじゃない。
……いやっ、ちがうからねっ!
「そんな恋する乙女な先輩に良いこと教えて上げましょうか?」
「……言いたいなら勝手に言えば良いじゃない」
瑠璃が笑うので、つい睨んでしまった。
「泰は、メイドさん結構好きだと思いますよ」
まあ、世の中何が役立つかわからないのだ。
知っていないよりも、知っていたほうが良いに決まっている。
「何を根拠に言っているの?」
「そうですね。私の感がそう言っています」
「…………」
「いや、そんなに露骨に残念がらなっくても……いえ、なんでも無いです。まあ、泰は少なことも押しには弱いと思いますよ?アピールとまではいかなくても、後で部屋にさっきのことを謝りに言ってみたらどうでしょうか。そのときに試すなりなんなり自由にすれば」
「……その、良いの?私にこんなこと言って」
瑠璃は泰のことが大好きなはずだ。それは、私なんかよりもわかりやすいはず。
「うーん、そうですね。でも、先輩に泰を取られる気がしないんですよね。あ、俗に言うこれが正妻の余裕ってやつですか!」
多分違うと思う。
「兎も角、後で行ってみましょう。私もついていきますから。泰はきっとさっきのことも許してくれますよ」
許すも何も、あれは泰が悪かったような気もするが……
何はともあれ、瑠璃に強引に押し切られてしまった私は、後で泰の部屋に行くことになった。




